コラム「人生打ち上げかけつけ」

松原裕 コラム

太陽と虎代表 松原裕のマンスリーコラム。

人生とは打ち上げのように激しく乱れて華やかに散る。
ならばかけつけイッキで酔ったもの勝ち。

そんな日々起こる不可思議で愉快な体験を綴る太陽と虎マンスリーコラムスケジュール誌に連載中のかけつけコラムWEB版。

笑いをアテに何杯でもイッキしてください。

134杯目 「立ち読みもほどほどに。」

こんにちは。松原の連載コラムへようこそ。

今日のコラムは先日、出張で向かった酸素の中にとんこつスープが混じっているラーメンの街・博多での出来事です。

 

仕事が早めに終わりそうなので20時からスタッフのみんなと飲みにいく事になる。

20時ギリギリに仕事が終わったのでホテルへ戻らずノートパソコンを持ったままみんなと合流し、日頃の疲れをねぎらうべく楽しい宴が始まる。1軒目、2軒目そして3軒目まで続く深い飲み会。

28時ごろにそろそろ体力の限界となりようやく解散。

最後にコンビニに寄り、片手にビール、もう片手にアイスクリームを持って気持ちよくホテルへ向かう道中で、ある事に気づく。

 

 

それは両手が自由に使えるという違和感だ。

 

 

 

1軒目に向かう道中は片手しか使えなかったはず…

「あああ!!!ノートPCが無い…」

アイス型のノートPCでは無い限り、持っていたPCはどこにも無い!

 

慌てて記憶を遡るが、鉛筆で書かれた記憶のページはアルコールという消しゴムでキレイに消されて全然読めない。

とにかく今日立ち寄った3軒のどこかである可能性が高い!

が、もう深夜5時。

 

開いている訳が無い。

 

せっかく楽しい夜が絶望に変わる。

 

諦めてホテルに戻り、明日に託す。心配と不安で眠れぬ夜を乗り越えて朝、この3店舗の情報を集める。

すると1&3店舗目はランチをやっている!

早速電話してみるが忘れ物は無いとの事。

ここで遂に2軒目の店に絞られる。

食べログでは17時オープンと記載されている。可能性は低いと思いつつ朝の10時から30分置きに電話をするが全く出る気配もない。

念のため店の前まで行ってみるがシャッターは閉まったまま。恐らく15時ぐらいには仕込みもあるし誰か来るはず。

と仕事を抜けて店前でスタンバイする。

しかし15時になっても誰も来ない。

暇すぎるので様々なサイトでこの店を検索する。そして遂に店長のfacebookまで探しあてて、松原は、この店のマニアにまで成長する。

そして個人商店なので結構適当に店を空けたり、閉めたりしている情報も得る。

店長の気分次第。もし今日が気ままに休みだったら…。いや、そんな事は無い!そう信じて待ち続ける。

時刻は16時。

さすがにもう誰か来るだろう!

…しかし全く気配は無い。

 

遂に17時になる。

が、まだシャッターは空かない。

 

18時すぎには仕事に戻らないといけない。

もう時間が無い。

しかしどうする事も出来ない。

明日は朝9時の飛行機で東京に行くので最悪博多の友達にお願いする作戦も考えるが今日仕事で使用しなければいけない。

なんとしても探し出したい。

そして時計は18時を指す。

 

もうダメだ!

諦めた瞬間、店の目の前のローソンによく知った顔が立ち読みをしている。

すぐに思い出せない…。でも脳裏に焼き付いたこの顔…。

 

 

 

 

 

 

 

「て、店長!!!」

 

そうなのだ!

この店の店長が目の前のコンビニで立ち読みをしている!Facebookで散々見まくった顔なので間違いない。飼ってる犬の顔までこっちは把握してある。

慌ててコンビ二に駆け込み、店長に声をかけて事情を説明すると

「あー、昨日パソコン忘れてたね〜。店、今から開けるけん。」

 

よっしゃー!!

ってか何で立ち読みしてんねん!

もっとまろやかな言い方で店長に問うと…

 

「夜はいつも暇やけん立ち読みして、人通りが多くなったら店、開けるんや。」

 

いや、なんちゅー気ままさ!ちゃんと店開けろや!

 

とは言えず、ただただ感謝を伝えて、無事ノートPCを受け取る。

そして無事仕事を終え、せっかくなのでお礼にまたこの店に飲みに行こうと23時にスタッフを連れていくとシャッターが閉まっているでは無いか。

 

いやいや、ほんまちゃんと店開けろよ!何て気ままさや!

 

しょうがないので別の店に移動しようとすると、目の前のローソンのガラス越しに知った顔のおっさんが週刊誌を熱心に立ち読みをしていた…。

133杯目 「スリル」

今回は先日の名古屋出張でのお話し。イベントが終わり楽しく打ち上げを開催!盛り上がってしまい2軒目でもバンバン酒をあおり、ベロベロでホテルに戻る。

やっぱり酒は何を食べるかでは無く、誰と飲むかが一番大事だと再認識。

楽しい宴に気分上々で仲間たちとエレベーターに乗り、各階で別れていく。

松原はみんなの中でたまたま一番上層階の7階。最後ひとりになり、寂しさもあるが良い夜の余韻にひたっていたその瞬間!

 

感覚で言うと“見ていたテレビのコンセントに神様の足がひっかかって抜けてしまい画面がブチっと消えて真っ暗になった”様な現象が目の前に広がり、暗闇から画面がついたらホテルのロビーのソファ―に座っていた。

 

「あれ?」…

 

 

状況が解らず松原は脳内にある記憶の書類棚を大慌てで漁っている。しかし何が起きたか理解出来ず、まずは状況把握をすべきと一度周囲を見渡す。

しかし変わった事は無く、宿泊しているホテルのロビー、カウンターにはホテルマン、ロココ調のテーブルに絵画、コーヒーコーナー、衣服はお気にいりの黒のスキニーに上半身は裸。

 

今の状況を把握するには参考になりそうな情報はまった…ん?

 

 

 

…「は、裸?」

 

 

 

 

うおぉぉ!…

Tシャツは?えええ!?なんで裸なん?!

 

 

 

上半身裸は衝撃なファクターではある事は間違いないが結局、何故ロビーにいるのか解明には繋がらず、余計に謎を増やした。

とにかくこうしててもしょうがないので上半身裸で部屋に戻ってみるが鍵がかかっていて中に入れないでは無いか!

 

「最悪や、まじかー!?」鍵のかかった自分の部屋の前で怒りに任せて叫ぶ。

しかしそんなことでは何も進展しない。しょうがないのでロビーに戻ろうとエレベータに乗り込もうとしたら、なんと開いたエレベーターの扉の向こうには「こんな深夜にどこ行こうとしてんねん!」とつっこまざるえない女性6人組が談笑しているではないか!?

そして彼女達は一瞬だけ悲鳴を上げ、上半身裸で黒スキニーの男に驚きの表情を浮かべる。

 

 

うん。当然の事である。

 

 

だってエレベータの中の鏡に映った松原の恰好はほぼ「江頭2:50」である。

しかしエレベーターに入るしか無いのでゆっくり乗り込むが中は異常な空気である。

 

「どう思われているんだろう」

 

 

なんて事は考えない。

 

 

 

 

だって絶対“変態”だと思っているから。

 

地獄の罰ゲーム的エレベーターがロビーに到着し、女子たちを背中に慌ててフロントマンに駆け寄り、「インキーしたので空けて欲しい」と伝え、事情を理解してくれたフロントマンと一緒に2人きりでまた乗って来たエレベーターに戻り、乗り込む。

 

しかし7階と言う距離は無言だと強烈な長さである。

 

 

頼むから何故、裸なのか理由を聞いてくれぇぇ!!

 

もう何か情けなくて泣きそうになる。そしてようやく到着し、鍵を開けてもらい部屋の中に入ると脱ぎ捨てられたTシャツと空っぽのワインが転がっている。

 

状況から推測するとみんなと別れて部屋に戻った松原はひとりでワインを飲んで、寝ようとTシャツを脱いだけど飲み足りなくてコンビニに行こうとしたけどやっぱ眠くてロビーのソファ―で寝てしまった。

…としか考えられない。じっちゃんの名にかけて。

 

とにかく全く記憶が無いというのが恐ろしい。自分が怖くなりテンパって来たので一旦、落ち着こうと部屋を出て廊下にある自動販売機で水を買い、部屋の前に戻った時に恐ろしい事実に気付く。

 

 

「鍵、部屋の中や…」

 

 

 

時刻はもう朝の5時前。“松原4:50”はまた地獄のエレベータに乗り込んだ…。(BGM♪「スリル/布袋寅泰)

132杯目 「オチそうでオチない」

萩の花がゆれ、彼岸花が咲き、季節がどんどん歩みを進める今日この頃。
本日のお話はとある打ち上げに向かうエレベーターでの出来事です。

6階の会場での打ち上げという事でエレベーターに乗り込んだ。

皆、今から始まる極上の打ち上げに胸を高まらせ会話を弾ませる。
この箱を降りたらそこには人生のご褒美と呼べる場所が待っている。

すると行先ボタンを押している友人の「あれ?あれ?」と言う声が我々の談笑を遮った。

「ん?どーしたん?」
「いや、行先階のボタンが全く反応しないねん。」

いやいや、そんな訳あるかいと松原はボタンを押してみる。
しかしボタンは反抗期の娘ぐらい無表情である。

「え?なんで!」

エレベーター内の人間がこぞってボタンを押すがボタンは我々を受け入れない。
打ち上げ会場はもう目の前というのにこんな拷問は初めてである。
高揚していた分だけ苛立ちの反動は強い。

「何故だ!?」

一同は怒りのやり場をボタンにぶつけるしか無い。
すると誰かの鶴の一言「ボタンの下のコントロールパネルみたいな所が運転停止になってるんじゃない?」
確かに行先ボタンの下にあるパネルが開いているでは無いか!
恐らく点検か何かで運転停止をしていたままにしていたのかも…。
この世の中の不可思議な現象は意外と簡単なトリックで出来ている。

それを証明した様な今回のミニ騒動。

原因が分かったと同時に一番苛立っていた友人がパネルの中にある6つぐらいのスイッチをバチバチ押していた。

「おい!ちゃんと見て押せよ!」
そのツッコミは別れてから気付く恋人の大切さぐらい遅い。

意気揚々と能天気な友人は“6階”を押す。

が…人間だったら絶対に友達になりたくないぐらい冷たい表情の“6階ボタン”。

「あれ?なんで?」

焦った友人がまたスイッチを無造作に触っている。
そして苛立ちとは連鎖するもので別の友人は“6階ボタン”を連打し始める

するとエレベーターがガタンと音が鳴ると同時に遂に“6階ボタン”が赤く染まったのだ!

「やった!」

一同は安堵するが素直に喜べない。

「何故だったんだろう?しかもさっきのガタンって音も何?」

そんな疑問と共にエレベーターは“1階”→“2階”と歩を進める。
そして“3階”から“4階”の間に差し掛かった瞬間

「ドンッ!」

という衝撃と同時にエレベーターが止まったのだ!

「うわぁぁあああぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁ!」

悲鳴が充満する。
「どうなってるんだ!」松原はパニックに陥る。
「お前が適当にスイッチを入れるから!」
「これ落ちるんじゃない?」
「キャー!」

我々は完全に混乱する。

もし混乱に重さがあるならきっとこの箱は重量オーバーで落ちているに違いない。

「出してくれー!」30秒程閉じ込められた後、いきなりエレベーターが何も言わずにゆっくり上がって“5階”に止まり、我々を解放してくれた。

ええ!?今のは何だったんだ

生きてる素晴らしさを感じると同時に気付く。

我々は“6階”に行きたい。

でもまたこれには乗りたくない…。
次こそ落ちたらどうしよう?

落ちたくない、でも乗りたい。でも落ちたくない。
中々、考えがまとまらない…

ただ今、松原が最も優先して考えないといけないのはエレベーターよりもこのコラムをどうやって落とすかである…。

131杯目 「覆水盆に返らず!」

みなさんご機嫌いかがですか?結果にコミット松原です。

という事で夏真っ盛りの先日、夕方までお暇を頂いて去年亡くなった祖母の初盆に行って参りました。

「13時にこのお寺に集合!」というヒントのみを親戚から貰い、向かう片道2時間の田舎道。
最寄りの無人駅から徒歩10分。
こぢんまりとしているが歴史のありそうな面構えのお寺が佇む。
門をくぐると夏の日差しの下で蝉たちが歓迎をしてくれている。
これぞ田舎のお盆。

早速、境内へと入っていると…予想外の光景が広がる。

なんと身内だけと思った寺の中に沢山の家族がひしめきあっているではないか!!?

どういうこと?

恐る恐る中に入っていくと親戚のひとりが松原を発見し、気まずい顔をしながら手招きをしている。
その我が一族のエリアと思われる場所へ向かうと親族一同この寺内の様子に松原と同じくクエスチョンを浮かべていた。
そして松原の耳元に小声で話しかける。

「どうも合同のお盆みたいやねん。」

そ、そんなんあるの!?初耳のオモシロそうな合同お盆大会…
見渡すと真ん中に謎な大きな太鼓と銅で出来たシンバルたちがコックピットの様な席を囲んでいる。
恐らくここにお坊さんが座ってお経をあげるのであろう。
そしてその正面には大きな仏壇が威張る事もなく、でも存在感を出して置かれている。そんなライブ会場で言うセンターステージを囲う様に椅子が並べられていて、恐らく4、5組の親族がブロックに別れて座っているそんな状況である。

初体験の光景にどう対処すれば良いか解らず、目のやり場に困って、座っていると6人の腰の曲がったお婆さん達が仏壇の前に横一列に座って、見た事の無い楽器を叩き出した。
不規則なのか、それとも単純に誰かが間違っているのか謎なリズムでお婆さんズのお経ショーが始まる。
その姿はシュールでダウンタウンのコントでありそうな間と空気が充満し、何故みんな笑わないのかが不思議である。

何とか笑うのを我慢していると、謎な楽器を持ったお坊さん見習いが6人出てきて、奇妙な演奏でまた松原を笑かしにかかってくる。
そして程無くしてコックピットに住職が登場。大ボスである。
さすがボスはピンマイクを襟元に仕込んでいて、ホントの少しの音でもスピーカーから流れる仕組みに。

そこの急なハイテクの謎。しかも高性能過ぎて、服の擦れる音や唾をのみ込む音などガンガンマイクに拾われているので超うるさい。
しかもお婆さんズや見習いのお坊さんへ小声で次の動きの指示をするけど小声の意味が全く無い。
挙句の果てにはお焼香中に複数の家族がいる為、順番を譲り合い、誰も前に出て来ない事に苛立ち、お経をあげながら「はい、次は〇〇さん!」と指示を出してくる始末。

お経の間にそんなセリフ入れてええの?!

しかも途中で住職の指示が入るのでお婆ちゃんズや見習い君たちとお経がズレてきて、住職はそっちに合わせようとするが、みんな気を使って一回止まったりするので指示が入る度にぐちゃぐちゃになっていく…。
こんなんでホンマに供養になるん!?

んで、お経のタイミングわからんくなってやり直すなぁ~!!!!!

お経のやり直し無し!そんなん無し!
お盆だけに覆水盆に返らず!

 

 

130杯目 「審査員の松原先生」

とある午後、仲の良いラジオ局の方からの一本の電話。
少し興奮気味のテンション。
何事かと話を聞くと、関西の全てのラジオ局が自信の番組をエントリーして優秀作品を選ぶという1年に1回の日本民間放送連盟賞というのがあるらしく、それはそれは大層な一大行事で、優秀作に選ばれると名前も上がるし、とにかく獲得したいタイトルだという説明を受けた。

「で、それがどうしたんですか?」

一体、松原とどう関係があるのかは電話の意図が不明なので説明の途中で訪ねてみると、なんとノリでその審査員の候補に松原の名前を書いたら、何故か決まってしまったとの事!

「いや、どーせ決まる訳ないと思って、勝手に書いてもてん!だからゴメン!予定空けれる?」

いやいや、ちょっと待て!いきなり予定を空けれるか?って、何たる愚問!
こっちからしたら答えは1つである!

「何故、予定を空けないと思うのか?」である!

そんなよく解らないけどオモシロそうな物は1つ返事でOKである。

「やるやる~」と松原の軽快な返答に先方は少し戸惑いながら「ただこの審査員ってのは由緒があり、名誉な事だからちゃんとやってよ!」と釘なのか押しピンなのか解らないがチクっと刺されてしまう。

そんなもんラジオ番組を聞いて、選ぶだけなんて楽勝!
とヘラヘラしながら答え、電話を切る。

そしてその事をすっかり忘れた数日後、大量のCD-Rが事務所に届く事になる。

全9番組のCD-R9枚。

中の送付状を見ると1時間番組がほとんどで、全部聞くとなると約8時間

しかも1番組毎に評価を細かく書く用紙も同封されていて、何かをしながらラジオを聞く訳には行かない。
そこからは毎日このプレッシャーが鉛の様にのしかかり、電車移動や自転車移動、寝る前などちょっとした空き時間を積み重ねる日々。

そして前日はほぼ徹夜でギリギリ聞き終わり、眠気と戦いながらスーツを身にまとい辿り着いた審査会。
こちらの想像を上回るスゴさで、TVで見た事ある様な景色である。

到着するなり、「先生、御待ちしておりました!」とまさかの先生扱い!

バカにされているのか…?

胸に不安を抱え、審査席に座ると目の前には関西のラジオ局の方々がずら~と座っている。
中には知った顔の方々が居て、緊張している松原を見て、“クスクス”と笑っているでは無いか!

そこでようやく気づく。

「…ハメられたのか。」

こんな会、事態が実は存在しないんだ…。
審査発表中も事あるごとに司会からは「先生!」とイジられ、会の事前に聞かれた飲み物も「アイスコーヒー」と答えたのにテーブルには「ホットコーヒー」。
松原が選んだ番組は結果、優秀作に選ばれず、そして挙句の果てに審査会が終わってから懇親会まで謎に2時間の待ち時間。

この2時間、一体何をしたらええねん!?

最初から気づくべきだったのだ。

冷静に考えれば、こんな凄い会に松原が選ばれる訳が無いのだ!
調子に乗った自分の馬鹿馬鹿しさを思いしらされる。

わかった!きっと、この大がかりなドッキリはこの9局の合同特番などで放送されるに違いないのだ!(その可能性はもっとない by一同総ツッコミ

129杯目 「ロッカーの鍵」

ごきげんよう。松原の痛快コラムのお時間だよ!

今回も皆様に楽しく読んで頂けます様、頑張りますので

“何年も浪人している息子が自暴自棄になってしまったけど何回も説得をして、最後にもう1回受験する気持ちに変わり、家計も苦しい中で無理して雇った高額家庭教師に対するテンション”

でよろしくお願いします!!!

と言う事で先日、京都でイベントを開催した時のお話です。

基本的に所属アーティストに帯同して外のイベントに行った時の松原は現場に居ても特にする事が無く、肩身も狭く、居場所が無い中で頑張っているのですが、
唯一!!自分の存在価値を感じる仕事があります。

それは所属アーティストの財布を預かる任務です。

この仕事だけをしに行っていると言っても過言では無い松原ですが
もちろん今回も財布を預かる訳です!

財布を預かる瞬間だけは、自分の存在意義を感じ、アイデンティティーが確立する快感。
自分はこの社会から世界から必要とされていると確認できる。

今日もしっかり責任あるこの業務をこなし、ライブ終わりにメンバーに手渡すその時まで緊張と充実を独り占めするのです。

しかし!今回は少しイレギュラーな事に本番前では無くリハーサル前に財布を預かって欲しいとお達しが。
という事はトータル7時間も預かるという異例の状態に。
さすがにそんな長時間も人の財布を預かり、緊張を背負い続けるなんて出来ない。
そう怯えてしまった松原は、禁断の技を思いついてしまう。

それはあるまじき行為。
アスリートが緊張とプレッシャーから逃れる為にドーピングを行うのと同様の行為。

罪の意識が無かったと言えば嘘になる。
魔が差したという言葉では言い訳にならない事も解っている。
でもしょうがなかった。
7時間も緊張と二人三脚する自信が無かった。

…そう、財布をイベント会館の貴重品コインロッカーに預けてしまったのです。
ついでに自分の財布も一緒に。

神様、言い訳するつもりはありません。
でもライブ終わる前に取り出せばバレる訳が無いという甘い考えもあった。
そう、バレなければいいんだ。
そんな軽い気持ちで預けてしまった2つの財布。

これが不幸の始まりである。

無事何事も無く、ライブが終わり、良きタイミングで取り出そうと考えていた矢先に普段、大した仕事の無い松原に数々の業務が圧し掛かってきたのです。
業務をこなし、退館時間ぎりぎりで飛び出し、ようやく打ち上げ会場に合流。
珍しく忙しい自分に酔いしれ、美味しいお酒が飲めると席に着いた瞬間!

悲劇は一瞬で襲ってくる。

「あ!まっちゃん、預けてた俺の財布返して~

…絶句とはこの事である。

そうなんです!預かった財布は貴重品ロッカーの中である。
慌てて会場に連絡するがもちろん閉館なう。
唯一の生きがいとしていた財布を預かる業務の失態に愕然。
苛立つメンバーに極上の謝罪を繰り広げ、明日朝一で会館から財布を取り出し、家に届ける約束を交わし、何とか納得してもらう。
そして“財布さえも預かれない”無一文の松原は行く宛ても無く、ただただ夜風にあたりながら京都・木屋町を徘徊。

行くあてもなく、途方に暮れ、鴨川を見つめながらポケットから取り出したロッカーの鍵。
何もする事なく、鍵を見つめていると重大な事に気づく。
これはロックバンドのメンバー=“ロッカー”の財布を入れた“ロッカー”の鍵。
言うならば“ロッカー”の鍵の中の“ロッカー”の鍵!キングオブ“ロッカー”の鍵なのだ!

以上。

※補足:「え?松原クラスの人間がこんなダジャレを?」と疑問を持たれた方へのご説明
オチにワザとこの“ロッカー”の鍵と言うクソしょうも無いダジャレを使い、スベって読者の皆様の信用を失う事は今回の失態に対する自分への戒めと考えております。

128杯目 「警備計画は安全第一」

先日、病院でかゆみ止めの薬をもらった。
電車の中で暇だったので処方箋の中にある薬の詳細を読んでみた。
副作用に「かゆみ」って書いてあった。

はーい!と言う事で今月も始まりました痛快コラムのお時間ですよ。

電車の中で読んで笑わない様にしてね。

って訳で先日ようやく「COMIN’KOBE15」が無事大成功にて終わり、徐々に日常を取り戻せてきた今日この頃。
今年もCOMIN'KOBEの準備にボコボコにされて殺されかけたのですが、イベントというのは様々な準備がございます。
もちろんブッキングもそうですが、それ以外にも会場のレイアウトを作ったり、資料を作ったり、出展者や会場と打ち合わせをしたり…と、やる事は計り知れない。

そんな中、とても重要であり、大変な作業があります。

それは警備計画

イベントが安全に行われる様に警備を計画するのです。
そしてわが町、兵庫県は雑踏警備に力を入れている事で有名で、COMIN’KOBE は警察にとっても重要視されてしまっているのである。
ここ数年は大丈夫だったのですが今年、会場が変更になる為に1から警備計画をやり直しするので急遽、県警に呼び出されて説明をする事になる。
しかし抜き打ちチェックという事もありまだアバウトにしか出来てなかった為、ボコボコに怒られてしまった。

あまりにも怒られるので「毎年やってるので大丈夫ですよ!」と返答すると 「大丈夫と安全は瞬間で変わる!雑踏は生き物や!」という名言が飛び出してきた。目からうろこデス。

という事で再度提出しなおして、現場視察を行うという事態になってしまった。
県警の偉い方が数名と所轄の地域課や交通課など大量の警察に加えて、なんと!とある大学の雑踏や建築の研究をしている先生がアドバイザーで参加するという一大事の視察となった。

実行委員会も誘導責任者、警備会社、会場担当者などを引き連れて20 名ほどの一行でCOMIN’KOBE の会場をくまなく視察し、入場方法や入場規制になった時の規制方法、来場者の導線などを徹底的にチェックをしていくのです。
アドバイザーの大学教授が“そこまで心配する?”的なチェックの連続で、3時間を超える検証となる。
確かに安全対策に限りは無い!しかし「ほんまそのチェックいる?」的な現場検証となった。
そして署に戻り、会議室で質疑応答となる。

県警からの質問、地域課の質問に答え、そして大学教授からの総評となる。

いよいよクライマックス。
一体どんな総評になるのか、一同はその発言に唾をのみ、耳を傾ける。

「えー、とにかく安全対策には100%はありません。常に意識して運営をしてください。私からは以上です。」

 …っええええ!?そ、それだけ?
いや、それ俺でも言えるで!

あまりにも驚いたので松原はずっと疑心に思っていた質問をしてみる。
「先生はフェスとかコンサートとかはよく行かれるんですか?」

すると

「私は音楽には疎いので行った事はありません。」

って来た事ないんかーいっ!!!ほな何わかんねーんっ!!!

県警の苦笑いと共に現場検証はこれにて終了となる。
さすが安全を研究してる大学教授、コメントまで見事、安全でしたね。

127杯目 「人生とは選択の連続」

人生とは選択の連続。

常に2つの道の選択が続き、最後は誰も同じ場所に辿り着けない自分だけのゴールが待っている。
そして松原は2つの選択があった時に常に意識している事は舗装された道では無く、険しい道を選ぶ様にしている。

その道では大きな石につまずいたり、枝で足を切ったり、舗装されていない歩きにくい道だけどその分、人とは絶対違う場所に辿り着くと信じている。

そんな松原は頻繁にある出張の際にまずホテルを抑えないという選択を取る。
流木スタイルと呼ばれる手法で流れるままにその夜を明かす為である。

先日の東京出張ももちろん流木スタイルで向かう。
前日からほぼ寝ずに東京に辿り着き、イベントを終えて打ち上げへ。
もちろん二次会、三次会と続いていく。
気が着いたらもう朝の5時前。

やはりホテルを取らなくてよかったと自分の選択の正しさを噛みしめて、始発で神戸に帰る事にする。
時間を調べると4:49渋谷発⇒5:02品川着⇒6:00品川発で新神戸に帰れるでは無いか!
時計を見ると4:30。急いで渋谷駅に向かう。
そして無事4:49発の始発電車に乗り込めた。
車内はある程度空いているので座席に腰掛け、5駅先の品川までの10分程度を仮眠の時間に当てる事とする。

ご存じこの電車は山手線という電車で人生とは違って終着駅は無く、全29駅を永遠とループし続ける悲しい鉄道路線。
目の前に吊るされた人参を追いかける馬の様に、あるはずの無いゴールを目指して走り続ける。
岐路を楽しむ事が出来ない山手線がなんだか不憫に思えてしまう。
そんな事を考えていたが睡魔が覆いかぶさって来るので思考を止め、仮眠に入る。

電車の揺れとはまるでゆりかご。心地よい音と揺れ。
酔いも手伝い松原はほんのわずかな安息を手に入れる。

そして目が覚め、車内にある現在地の案内を見上げる。
すると「新宿」と「代々木」の間にいる。
「品川」までは7駅先。
まだ眠れるので目を閉じ…「ん?…な、7駅先っ!??!えええええええ!?!?」

確か5駅先だったのに何で7駅先に?
もしかして内回りじゃなく外回りに乗ったのか?
慌てて電話を飛び出し、代々木駅ホームに降り立つ
。しかし降り立ったホームは“内回り”。

もしかして山手線を一周してしまったのか?

山手線の一周は確か24分。
そんな時間を眠っていたとは思えないが、とりあえずまた7駅先の「品川」に向かう。
座席に腰掛け、襲ってくる睡魔に身を任せる。
そして目が覚めると「品川」まで10駅先の「高田馬場」。

し、しまった!は、ハメられた。

山手線の罠に完全にハメられたのである。
それから「品川」に降りれる事なく、山手線の蟻地獄にどんどんハマっていく。
もう時計は朝の8時を指す。
すでに3時間も山手線に閉じ込められている。
自分への苛立ちが溢れ、雪山で遭難した時ぐらい眠る事が怖くなってくる。
絶対寝ずに「品川」に辿り着く事を決意する。

山手線なんかに負けてたまるか!

…しかし人間がどんな兵器を発明しても睡魔に勝てる訳が無く、また眠りに落ち、気が付くと「日暮里」。
これはこのまま乗るより一回降りて外回りに乗る方が早いと思い、電車を乗り換えるもまた睡魔が忍び足で襲ってきて、気が付くと「新大久保」。

ここドコヤネン!

嗚呼ぁ。もう松原は二度と山手線から出る事は出来ないのか…。
時計の針は当初神戸到着時間の10時を指す。
そしてここで予想していなかったまさかの岐路に立たされる。
先ほどまで山手線は岐路の無い鉄道路線と憐れんでいたが、そんな事は無かったのだ。

人生とは選択の連続。

このまま山手線に乗り続け生涯を終えるのか?
それとも頑張って品川で降りるか?
どちらにしても険しい道のりである。

126杯目 「5速違い」

日本という国は世界と比較しても交通事故は少なく、先進諸国の中で上位にランクされるほど安全な国である。
しかしそれでも年間で6万件の交通事故が発生している。そんな状況の中、松原が育った町の教習所は安全に関してかなり徹底した教育がされている。
とくに松原が感心したのは学科授業が始まると教官が挨拶と共に「安全5則!」と叫ぶのだ。
するとその声に反応して教室にいる全員で「1、シートベルト」と叫び、シートベルトを締めるジェスチャーをする。続いて、「2、ミラー確認!」と叫び、サイドミラーとフロントミラーを目視する動きをする。

という風に車の安全運転に対する5つのアクションを声と共に体に沁みこませるという素晴らしい教えがあるのだ。

現に松原もパブロフの犬ばりに条件反射で体が勝手にシートベルトの動きをしてしまう程、毎回毎回必ず授業の最初にこのアクションを行うのだ。
素晴らしい教習所と街の中でも評判で、事故率もこの学校の卒業生は少ないと予想出来る程である。
そんな教習所に通っていた20歳の松原は、最後の仮免試験の「高速道路」に挑戦をする事になった。
これに合格すれば晴れて仮免許。教習所での最後の試練である。
運転免許を取得されている方はご存じの通り、この高速道路の実践は大体2人組で行うパターンが多い。
松原ももちろんペアになる訳だが、その相手というのがこのコラムにも登場する事が多い「O島くん」である。(過去コラム9杯目など参照)

相当天然で有名な彼とのペアで非常に不安であったが教官がもちろん一緒なので、安心していた。まず最初に彼の運転で高速道路に挑戦となる。

助手席には教官、後部座席には松原、そしてもちろん運転席にはO島くん。軽く手が震え、緊張した顔で高速道路に車が踏み込んでいく。
何とか流れに乗り、順調に高速道路を進んでいたその時!
目の前に走っていたダンプカーのタイヤが急にバーストしたのである!

これには全員が驚き、目の前のダンプカーはハザードを焚いてスピードを落としていく。

しっかりと距離を取っていたので幸い、追突する事は無く左車線から目の前のダンプカーを避けようと右車線に車線変更するO島君。
しかし悲劇はここからである。
案の定、テンパっている彼は右車線をしっかり確認せずに、目の前のダンプから避ける事だけを考えて、右車線に入ろうとした瞬間!丁度そこは右車線から高速に入るインターチェンジがあったのだ!
そしてO島君が右車線に入った瞬間に後ろから車が勢いよく侵入してきたのである!!これは追突する!!!
我々は焦って叫ぶ!「危ない!後ろ!」

しかしO島君は先ほどのダンプカーのバーストでもう完全にパニクった状態なのだ!

我々が叫べば叫ぶ程、混乱は加速していく。

しかし後ろから車が車線に入ってくる!教官は叫ぶ!

「O島!速度を上げろ!」

しかし彼は意味が解っていない。

松原は覚悟する。
これは衝突すると…。しかし教官は助手席から再度叫ぶ!
「O島!速度を上げろ!速度だ!」
「先生どうしたらいいですかぁぁぁ」
泣き出すO島に教官が大声で指示を出す。

「ギアをあげろ!」

「え??」

「だから5速だ!5速!!!」

その瞬間…。

誰が想像出来たであろう。

「5速」という言葉にO島君は体が反応してしまい、
「1、シートベルト!」と叫んでハンドルを握る手を離し、
シートベルトを締めるジェスチャーを行ったのである。

そう、「5速」を「安全5則」と間違えて。日本は完全なる車社会。

安全運転、無事故は永遠の課題。
そんな思いを持つ我が教習所から今日もまた1件、交通事故が発生してしまった。

しかも「安全5則」が原因で…。

125杯目 「2回目」

結婚とは、ただ一人のために残りの人々をすべて断念せねばならぬ行為である。byムーア。

はーい!という事で多くの読者が「恋のから騒ぎ」を彷彿する名言から始まった松原の痛快コラムのお時間です。
今回のお話は冒頭の名言から推測される通り「結婚」でございます。
この「結婚」というのは様々な見解がある訳ですが、松原に関してはこの2文字を見ると上着を羽織りたくなる程、体が震えてしまうのです。
お察しの通り、思春期をこじらせたまま大人になってしまった松原は20歳で早期結婚、23歳でスピード離婚のバツイチ子持ちのシングルファザーな訳です。

しかし!実は社内には松原と同じく安定のバツイチがもう1人在籍しております。

その名も「山口 雄太(30)」であります。

彼を知ってる方は、「あれ?苗字が“若狭”じゃなかったっけ?」と言う脳内ツッコミをさせてしまったと思いますが、実は以前の結婚で養子に入り、“山口”から“若狭”になり、離婚したけど面倒臭いのか、そのまま“若狭”に成りすましていたという苗字をとてもライトに考えているアッパーな男である。
なのでほとんどの方が“若狭”と認識していると思うのですがそんな彼が“山口”に戻るきっかけが訪れたのである。
なんと!社員旅行中の台湾で出会った素敵な女神と先日!見事結婚をしたのである!!!
三度のメシよりお祝い事が大好きな弊社は全ての業務をお休みし、社員全員で“山口”という本当の姿に戻った彼の結婚式に挑む事は言うまでもない!
普段ロクでもない恰好の我々は衣装に申し訳ないぐらい綺麗に着飾り、式場に向かう。
大阪駅直結の式場に集う我々音楽業界人 vs 新婦側はなんと医者たちなのである!そう!新婦は看護婦の為、参列者は社会に認められた高所得者軍団。
そんなピラミッドの上の方にいる人間へのコンプレックスは人一倍強い我々は相手サイドを威嚇する為に式からテンションを上げて盛り上がる。
そしてお楽しみの披露宴が始まり、松原は会社の代表として“祝辞”を任命される。
披露宴で司会者の次にマイクを使う重大な役。
前日の打ち上げのまま参加している松原は現在進行形で酔っぱらっているが、医者たちに舐められる訳にはいかない!
固く、真面目なスピーチと少しだけのボケを入り混ぜて、この宴のスタートロープを切る。
そこからは楽しい余興と涙腺をくすぐりにくるビデオ演出など、最初は敵視していた医者軍団と打ち解け、松原は各テーブルでイッキ芸を披露する程、打ち解けていく。
そして衣装直しの後は、式場の思惑通り、どんどん感動をこすりつけてくる。

「まんまと我々が感動すると思うなよ!」

そんな意気込みが会場を包むが、アルコールが見事かき消し、クライマックスの新郎“山口雄太”のスピーチでは本人はもちろん、お母さんも号泣。息子と母の涙の形をトレイスする事は容易である。

母子家庭で育ち、恐らくお母さんは一人で雄太とお姉ちゃんを立派に育てあげたのである。
きっと並ならぬ苦労と努力があり、そんな息子が伝える母への思い、そしてこれからの新しい夫婦生活へ明るい未来の扉を開こうとするその場で涙しない母親がいるだろうか。医者軍団もその姿に涙腺をゆるませる。
雄太、お母さん、本当におめでとうございます。
そしてその号泣する母と子の愛の涙を見て、我々はもちろん全員が思いを1つにする。

「…いや、でも、あんたら結婚2回目やん!」