117杯目 「便利な便器」

こんなに気がau人はDOCOMOおらへんからいつでもWILLCOM!

…という訳でsoftbankを無視した携帯メーカーダジャレで始まりました松原の痛快コラムのお時間です。
お相手はもちろん松原です。
そんな松原は先日遂にメデタク誕生日を迎えアラフォー35 歳へと成長を遂げたという事で弊社の35歳から受ける事が出来る健康診断にやっといける事になりました~!
年上の従業員は毎年楽しそうに健康診断結果を発表し合い、
奥歯を噛みしめ続けたこの数年、念願の健康診断!
しかし楽しみだったはずのこの健康診断で驚く事態に陥る…。

戦後様々な諸先輩たちが築き上げた自由の国・日本では考えられない命令が下されたのだ。

“前日の21 時から断食”

これは近代私法の三大原則に反する自由の尊厳。
酒が飲めないなんてストレスが倒れそうになる。
しかしそんな事を訴えても「じゃー健康診断来なくていいです。」
という回答が見え見えなので、仕方無く前日の20 時55 分まで飲めるだけの酒を飲んで、潰れるように睡眠。
そしてほぼ二日酔いで起床。
そしてまた命令が1つ下されている。

「検便」だ。

なんという屈辱。
自分の排泄物を紡ぎ取り、人前に提出するという破廉恥極まりないストレス行為。

…と訴えても前述の通りなのでベッドから飛び降り、リビングのトイレで用を足す。
そして立ち上がり便器の中にあるさっきまで図々しく体内に居たホカホカのブツを見下ろす。
普段から気持ち悪いので全く見ない松原は吐き気を催し、ゾっとする。
その上、コレに検便の棒を刺さないといけないのだ…。
考えられない罰ゲームである。

しかし、しょうがないので渡された検便の棒を突き刺そうとした瞬間!!!!

な、なんと!

便器が「ウイーン」と音を出して洗浄を始めたのだ…。
そ、そうなのだ…!
実は松原の家のトイレは無駄にハイテクで便座から離れて数秒後に勝手に水を流して洗浄を始めるのだ!

「わぁぁぁぁ!ちょ、待って!行かないでくれぇぇぇぇ」

自分の排泄物を呼びとめた人間が過去居ただろうか?
そんな松原の声にも振り向かずウン〇は颯爽と荷物を持って実家へ帰る嫁の如く、立ち去っていく。
不思議と涙は出ない。
むしろ苛立ち、ストレス全快。
嫁に逃げられた旦那が酒に狂う気持ちが少しわかる。

しかしこれはウン命だったのだ。
「次のウン〇を待とう!」

そう決意するも、さすがにもう便意はやってこない。
どんなに頑張ってもやってこない。
時はこちらの都合など気にせず残酷に刻んでいく。
遂に病院に行く時間になってしまう。
検便を忘れた松原にどんな仕打ちが襲ってくるのであろう。
空腹とストレスで胃が悲鳴を上げる。
それこそ体調不良でキャンセルしようかと考えるが、勇気を出して恐る恐る病院へ。
受付の看護婦さんに事情を伝える事に。

「実は僕の家は自動で洗浄される便器でして…そのアレが勝手に流れていってしまって…」

内容はフザけているが松原の深刻さに背丈を合わせて親切に答えてくれる看護婦さん。

「では検便だけ明日必ず持ってきてくださいね。」
怒られると思っていた松原にとって優しい言葉は身に染み渡る。
熱い気持ちになり「絶対明日検便を持って来ます!」と固い約束を交わす。

そして翌日、起床してトイレに駆け込む。
便座に座りながら昨日の看護婦さんとの約束を思い出し、排便を終える。
これで後は検便棒を差し込むだけである。
これを差し込めば、あの看護婦さんの喜ぶ顔が見れるのだ。
さぁ、遂に!検便棒を突き刺そうとした瞬間!

「ウイーン」

…し、しまった!!!

それから数分間、何も考えられず綺麗になった便器を見つめ佇む松原。
来年の健康診断の前にストレスで体を壊しそうである。

-2014/10/30 update-