118杯目 「ネーミングセンス」

関西人の90%は「ホテルニューアワジ」を普通の発音で発声出来ないよね?
「ホテル」まではいけても「ニュゥ~♪アーワージィ~♪」になってしまうよね。

そんな関西人あるあるから始まりました今回の松原コラム。

こういうリズムとメロディーにハマった商品名や店名は皆様の脳内にこびり付き、末永く覚えてもらえる訳です。
そんな弊社の店名も「太陽と虎」「とらうま製作所」「どんぐり山」「UMI」などコンセプトとクセを大事にしているのですが、
ネーミングセンスがズバ抜けている企業が1社、日本にあるのはご存じでよね?

そうです!
その通り!みんな大好き!

小林製薬ですね。

最高峰の作品はやっぱりなんといっても【ブルーレットおくだけ】です!

冒頭でもあった通り、
「ブルーレットおくだけ♪」
はあのCMのメロディーがこびり付いて98%の日本人は普通に発音出来ないはず。
絶対「ブルー」あたりからメロディーに乗ってしまい「おくだけ」にはスタッカートが入るはず。

そしてもう1つの最高傑作!

それは【熱さまシート】ですね。
一瞬で商品の内容が分かるバツグンのセンス。
使った事ない人いるの?ぐらいの教科書レベルの知名度!

他にも【トイレその後に】【チン!してふくだけ 】など分かり易いし、語呂もいい。

改めてこのシンプルかつ明解度は高く評価すべきですね。

個人的に好きなのは【キズアワワ】  。
泡で傷口を消毒する画期的かつ、その先進的アイデアを敢えて!
ワザと、かき消すチープなネーミング。
商品史上最高の恥ずかしがり屋である。

この控えめな思いはユーザーの胸に届き、評価されているに違いない。

…しかし大好きだった小林製薬はこの才能を徐々に良くない方向へと移していく。

上記で紹介した商品は今まで恐らく会議室で役員や社員全員が「こうでもない」「こうした方が分かり易い」などと議論してきたのであろう。
しかしこのヒット商品で売り上げた莫大な資金を使いきれずネーミング会議を恐らく!
居酒屋か料亭でで宴会しながら決めていったとしか考えられない商品名がここから登場していく。

お腹のガスたまりを解消する商品として【ガスピタン】。
確実に酒の席で誰かの悪ノリネーミングに爆笑して決められたとしか思えないネーミング。

【電気ケトル洗浄中 】なんて語呂絶対悪いし!
朝方までネーミングが決まらなく、誰かが
「【ポット洗浄中】があるんだからもう【電気ケトル洗浄中 】で良くないすか?」

みんな眠たいし、面倒臭くなって「ほんまやな」とかになったに違いない!
なんと安直な…

あのセンスはどうした!小林製薬!
これだってそうだ!肩こりの内服薬【コリホグス】。
もう考えた形跡がどこにも見当たらない。
真冬に朝起きて窓を開けて見える雪景色と同じく足跡の無い真っ白さである。

そして極め付けは扁桃周囲炎の薬【のどぬ〜るガラゴック】。

分かり易いけど、もうネーミングセンスはギャグ漫画の世界にまで足を踏み入れている。
これを買いに行くが、薬局で見つからず、レジで問い合わせる消費者の気持ちなど無為無策である。
しかしもっと膝から崩れ落ちた商品がある。

店頭で発見した時は、まるで裏切られたかの様な気持ちになってしまった商品名。

それはスマートフォン画面の汚れをスッキリ落とす専用クリーナー
【スマートフォンふきふき】 。

完全にフザけているのか、それとも社長が孫に相談したのか?
大企業がここまで消費者をバカにするとは誰が予想出来たであろう。
もうこの発想でいいのなら極論、小林製薬がライブハウスを作ったら「ライブ見る見る」にするのか?
一体小林製薬に何があったのだろう。
こんな商品名ではスマホの汚れどころか、このコラムさえオチそうにない…。

-2014/11/10 update-