47杯目「自演イジメ」

はっぴー!!なんと47杯目を迎えた本コラム。

某人気番組「すべらない話」に出演しても47連続サイコロの目が出ても安心なので後はオファーを待つばかり。
ですが、世の中はそんなに上手く話が進まない事を実感した高校生時代の苦い思い出に今回はお付き合い下さい。

そう。あれは高校1年生の時。中学の仲良し4人組の一人が別の高校に進学してしまった。
その名も坪井(仮名)。
超マニアックな奴だが気が合いいつも一緒に遊んでいた。
その彼とバンドを組み活動していたのだが高校が違うせいで練習もままならず高校が違う為、
もちろん校内学園祭も出演出来ずバンドの温度が悪くなり始めていた。

そんな状況の中、松原は閃く。

「え?ほんならうちの高校に転校してきたらエエやん」

その一言で壮絶な人を巻き込んだ一大物語が始まった。
「坪井転校への物語」である。
脚本&演出:松原/主演:坪井。
劇団ひまわり発注一歩手前クラスの壮大な物語である。

まずどうやって同じ学区内で転校が出来るのか?
色々調べると「イジメ」で転校の事例を発見。
ここに目をつけた松原は坪井がイジメられているシナリオを綴る。

坪井はその翌日からワザと校内生活中、先生にアピールする形で一人で居る所を見せつけ、
友達に理由を告げず「話かけないで」と意味不明なお願いをする。

この地味な作業が後のドラマの舞台骨組となる事を我々は想定し数週間の時を積み重ねる。
ひとつの糸のほころびが物語を台無しにする事も懸念し、
我々2人とバンドメンバー以外には口外しない徹底さも忘れない。

そしてここから物語のページはスピードを上げて進む。

まず登校拒否。そして先生にイジメられている事を告白。

自作自演の机や上靴に「死ね」的落書きを施し、
松原は坪井の教科書やノートを破いたり、落書きの嵐を巻き起こす。
そうやって駒を揃え、神戸市教育委員会への挑戦状を叩きつける。

地道な活動で出来た硬い舞台の上で上手に転がる駒達のお陰で坪井自らの [イジメ告白]は校長クラスまで進み、
学校を上げての大問題へと発展。

全校集会で議題にあがる熱の上がり様。
だが事実は存在しないので「金」に返らない「歩」はマスを進めても身動き取れない状態。

そして事を重大視した校長など学校関係者は坪井と両親を呼び出し会議。
そこで坪井のプラスチックの涙が光り、転校の話へ。
坪井はすかさず松原の話を切り出し、こいつなら守ってくれると訴える。

その翌日、松原は坪井の学校の校長と自校の校長に放課後呼び出される。

松原もそこで彼の転校を勧め遂に終幕のエンドロールはもうそこ!
感触はガチ!!全ての駒が進み、王手飛車取り!!
ここで安心せず「角」までも取りにかかる完璧主義松原は最後に「坪井へのイジメ手紙」を繰り出す。

各校長に見せると事の深刻さが伝わり過ぎ、なんと他区域の高校に転校するしかないと判断される。

エエエッ!

ちょww大丈夫ですって!
うちの高校で大丈夫ですって!
事の大きさは拍車をかけ両親まで引越しを検討。
このままじゃバンド活動はより悪化する事態。だがもう我々のレベルを超えた問題に大発展。
結果坪井はこの高校で頑張る意思を伝え、事態は収拾。

ただイジメられていたと言う偽りだけを世に生み出し彼は3年間の高校生活を送るはめに…

最後に取りに行った「角」の駒が「核」となりこの物語である将棋盤は見事に爆破する事となる。
彼の高校生活は将棋倒しの様に崩れていった…

-2008/05/05 update-