99杯目 「期待は浮かばれず…」

先日銀行の窓口に並んでると隣の若いヤンキーカップルが通帳を見ながら悩んでいた。

「あれ?なんか“としこ”って人から振り込みがある…。なんか怖いな。」
それは“利子”って読むんだよと喋りかけられない内気な松原の爽快コラムが始まりました!

という事で遂に99話目を迎えます今回のお話しは北海道出張の飛行機での出来事です。
早めについてちょっと観光でもと思い朝一番の便の座席に着く。
ほぼ満席の機内。

睡眠不足の松原は颯爽と椅子にもたれ身体を預けた。
次はすぐに訪れた睡魔に身体を預けると一瞬で眠りにつく。
このまま目覚めたら到着という最高の状況に期待していたら、周囲のザワザワに鼻風船を割られる。。

「騒がしいな…」

機内に舞う光の粒子と戦いながら瞼を開けると何人もの乗客がスチュワーデスの指示に従って席の移動を繰り返しているでは無いか…
事態を把握できないまま時計を見ると、なんと出発の時間から30分も過ぎているでは無いか!
こっちは早めに北海道に到着して色々と観光を計画している訳で、
この30分がどれだけ大切なのかきっと彼らは理解していない。

すると松原の気持ちを察したかの様に
「ただ今、搭乗人数が合わないので調査中です。」
と何度も機内アナウンスが流れる。

どうやら端末のミスで二重発券があったようだ!
細胞の隅々から怒りを搾り出しスッチーにクレームを言おうとした瞬間!
松原の席の横のおっさんが急にスッチーに怒鳴りつけ出した。

「何分待たせるんや!」
「申し訳ございません。」
「なぜ俺は待たされないといけないんだ!」

スッチーは音に反応するオモチャの様におっさんのワンセンテンスごとに
「申し訳ありません」を連呼する。
「ちゃんと説明無いと告訴するぞ!」「機長連れて来い!」「責任者を出せ!」
など怒号を飛ばして機内は騒然。

しかも松原の隣なので周囲はジロジロとこちらを見てくる。

松原もどういう顔でいる事が正解か解らず、この一方的なバトルを見守る。
この最中も他のスッチーが沢山の人を大移動させている。
そして横のおっさんはまだスッチーに怒鳴っている。
スッチーも遂に反撃とばかりに
「ここでお話しをしておりますと解決にまた時間がかかりますので一度戻らせて頂きます。」
確実に今日彼氏とのディナーでこのおっさんの悪口をアテに酒を飲むことは初対面の松原でも容易に推測できる表情でスッチーは戻っていく。おっさんはそれから10分以上、通り過ぎる様々なスッチーに同じことを幾度も怒鳴りつけている。
その中のあるスッチーがこのおっさんに突然近づいてくる。
するとそのスッチーは「お客様、恐縮ですが座席表をお見せ頂けますでしょうか?」say。
おっさんは怒りながらスッチーに座席表を見せるとなんとそこには全く違う席番が書かれているではないか!
するとそのおっさんは俺を指刺し、
「こいつがここに座らせたんだ!」

待てコラ!おっさん!なんで俺やねん

…確かに松原が座ろうとしたら横に近づいてきたので
「あ、どうぞ。」とは言ったけど…

って松原の言い分、聞かずに席移動するなぁ!
んで移動しながら「俺は座らされたんや!」ってキレるな!
完全に松原が原因みたいやんけ!
乗客のお前らもこっち見るな!違うねん!
誰か俺の話、聞いてくれー!

こうして1時間に及ぶ座席パズルは完成し離陸する当機。

残念ながら機体が上空に浮かんでしまった為、
みなさんがオチで期待してたジョークは浮かびませんでした。

-2013/02/01 update-