コラム「人生打ち上げかけつけ」

松原裕 コラム

2005年より13年間1ヶ月も休まずに連載を続けている太陽と虎代表 松原裕のマンスリーコラム。

人生とは打ち上げのように激しく乱れて華やかに散る。
ならばかけつけイッキで酔ったもの勝ち。

そんな日々起こる不可思議で愉快な体験を綴る太陽と虎マンスリーコラムスケジュール誌に連載中のかけつけコラムWEB版。

笑いをアテに何杯でもイッキしてください。

※本コラムは本人が「がん」を理由に2016年10月を持って休載しておりますが、「絶対休む機会を探していて「がん」になって「よっしゃ!これや!」と思ったに違いない。」「連載が始まって13年間140話以上書き続けてネタ切れになったんじゃないですかね?」関係者談。
「そ、そんなわけないやん!ネタが溢れて溺れそうやわ!ただ体調が…。」本人談。

という事で2016年10月より、体調が良い時にWEB版のみ更新する不定期連載になりましたので、テレビの裏面を掃除するぐらいの頻度でこのページも覗いてくださいね。

33杯目 「ミニコラム集」

納得のいかない事が多い社会にメスを入れる大好評松原の人気コラムが始まりました。ちわッス。

しかし最近GOING KOBEと通常業務の多忙さに自業自得のイライラは絶頂。
ハッピーターンの過剰包装までイライラします。
逆に切り口の無いオツマミ袋とか経営者がキチガイとしか思無い。
SHOP99の商品がレジで103円に化けるのも腹立ちます。

カルピス飲んだ後に口の中にいるアレもムカツキます。

なので今月はそんな不平不満しか浮かばないので 1年ぶりのミニコラム集をお送りします。ではどぞ~!

 

■選ばれし者達
警視庁は5日、死体損壊の罪で無職少年(18)と無職少女(19)を逮捕した。
5日未明、少年と少女が不審な箱をそれぞれひきずりながら路上を歩いているところを不審に思った巡回中の警察官が 職務質問したところ箱の中に男女2体の死体を発見その場で逮捕した。
調べに対し少年は金がなく宿にも止まれず市内の知り合いの神父に2人を生き返らせてもらいに行く途中だったなどと話し 少女は取り調べの警官に向かって 「マホトラ!マホトラ!」と奇声を発しているという。
調べを進めていくうちに市内の民家にも無断で侵入し、タンスや壷を勝手に物色し、ちいさなメダルなど金品も窃盗していたとの事。
箱の中の遺体は激しく切り刻まれ、全体に焦げたような跡もあり身元は未だ判明していない。
2人の所持品には「国内に自生していない植物の葉」が含まれており、覚せい剤取締法違反の容疑でも取調べが進められている。
他にも「くさりがま」などの銃刀法違反の容疑も同時に進められている。
少年が話す市内の神父は「2人には会ったこともない」と話している。

■社長と課長
6時になり若い課長が帰ろうとしていると、社長がシュレッダーの前で一枚の紙を持って立っていた。
「なあ,君。これは重要なんだが秘書が帰ってしまってね。君はこれ動かせるかね?」
若い課長は答えた、
「出来ます」
そして彼は機械のスイッチを入れ、紙を挿入するとスタートボタンを押した。
「良かった良かった!」
と社長は紙が機械に飲み込まれていくのを見ながら言った。
「コピーは1部でいいぞ」

■物の気持ち 
トイレ「わかった!今回も水に流したるわ…」
階段「ワシ稲川淳二より怖いで。」
椅子「もうそろそろ腰すえたら?」
黒マジック「スベテヲ… クロク ソメテヤル… 」
切れてるチーズ「コラァァァ!!ワレ、コロスゾ!」

■なんかおかしくねぇ?
6+9=15とかは普通じゃん?
5+10=15とか4+11=15とかそのまんまじゃん?
7+8=15って少なくね? おかしくね?
7って結構でかくね? 8なんて更にでかいじゃん。
7でさえでかいのに 8って更にでかいじゃん?
確かに15って凄いけど、この二人が力を合わせたら16ぐらい行きそうな気がしね?
二人とも強豪なんだからもっといってもよさそうじゃね? なんかおかしくね?

■親心
親不孝な息子ではなくて、私は息子を持つ親なんですけど、情けない息子を持った私の話を聞いてください。

どう育て間違えたのかわかりませんが私の息子は一度も仕事をしたことがなく、1年中ブラブラしています。
もう立派な大人なのに世間で言うニートというやつですか…
一度でいいから仕事をさせて仕事の楽しさをわからせてあげたいのですが、ふがいない私では、どうしようもありません。

健康面に異常はなく、いつも朝から元気ですので時々仕事みたいなことはさせるんですがすぐにへたばってしまいます。

本当の仕事ではないからやはり辛抱できないのでしょうか?
仕事を与えない自分に責任があるのでしょうか?
息子に仕事をさせるのは、どうしたらいいのでしょうか?
息子よ・・・ 今夜も、右手で我慢してくれ、すまん。

32杯目 「松原好き好きチェック」

32杯目を迎えたこのコラムですが一体いつまで続くのか、というか自分でどういうタイミングでやめればいいのか今から不安でいっぱいです。
そんな先の事を考える前に昨年一年は本当に色々ありました。

という事で今回のコラムは趣向を変えた緊急企画!
君はいくつ知ってるかな?題して!

【2006年を振り返る。松原好き好きチェック!】

■2006年カウントダウン… 1年前に別れた彼女と過ごす事になるがドタキャン。急遽桃鉄をしながら2006年を迎える。

■2006年1月…西宮神社の福男に挑戦。 ヴィジュアルメイクで走り、各局からインタビューを 受け全国へ放送。反応を得る。が、福は得ず。

■2006年4月…昨年母と離婚した父がストーカーになり、松原家の玄関で数週間に渡るストーキング。 警察の厄介になるが年内幾度かのストーキングが続く。

■2006年5月…GOING KOBE'06開催。 打ち上げと称して行った沖縄社員旅行の行きの飛行機がまさかのエンジントラブルで飛行中に爆発音と共に故障。 1時間遅れで墜落を免れ着陸し「朝ズバ」の取材を受ける。 JALに猛烈の抗議をし、謎に6万円のおこずかいを頂き、ご機嫌になる。

■2006年5月…NHK「サタデーホットリクエスト」という杏子さんや、お笑い芸人ひろしさんの番組にゲスト出演。 GOING KOBEの宣伝でTVなどに出演しまくり、調子に乗るが、2chでゴリゴリに叩かれている事を知り、精神不安定になる。

■2006年6月…松原誕生日GIGにてMUNASEAを決行。 動員30人を記録し、年末は51人に動員を更新。これで売れようとする。

■同月…打ち上げでテンション上がりすぎて茂みにダイブ。 全治1ヶ月の負傷。人は常に死と向き合っている事を再確認。

■同月…あのLUNASEA真矢さんのドラムセミナーの司会に抜擢。 MUNASEAのVo月光としてピンの初仕事をこなす。

■2006年7月…松健aniki祭りで大分松山3都市をツアーするが、大分でベロベロに飲んで 記憶を無くし、血まみれの拳のままホテルのベットで起床。自分が怖くなる。

■2006年8月…「松原祭40連発」を開催し40日間連続打ち上げに成功。終盤に血便が出る。

■同月…GOING KOBEや松原祭で松原露出が過剰になり 2chでの叩かれがピークになり、有名税だと喜ぶが、酔っ払った時だけ凹んでる姿をスタッフに見つかる。

■同月…今まで2chで何書かかれてもへっちゃらだったが、 「松原髪切れ」の書き込みを発見。糸が切れて、その場に崩れ落ちる。

■同月…憧れのAV女優「夏目ナナ」の握手会に参加。 知人に発見され、AVファンがバレるのを恐れて知人の殺害をよぎるが、なんとか踏み留まる。

■2006年10月…M-1グランプリ出演。 笑いに順位を決めるやり方に不満を抱き、2回戦辞退。 決して1回戦敗退では無い。

■同月…あのauの全国配布パンフレットに兵庫代表で松原が掲載される。 友人から多数連絡を受け、英雄(au)気分。 が、散々ボケたコメントはauサイドでカット…。 真面目な松原を掲載するのは営業妨害だと怒り、出るトコに出ようするがKDDIと無事和解

■同月…人気雑誌JUNGLE★LIFEでコラムの連載が開始するが、ギャグで神戸市議会委員立候補を発表。 衝撃の賛否両論を集め、キチガイ扱い。笑って欲しかっただけなのにガチで避難を浴びる…

■2006年11月…中学の友人の結婚式に参加。 新郎をベロベロに潰し、感動のスピーチで噛み、笑いを生む。 2次会の幹事を任されるが、いつもの打ち上げの ノリにしてしまい新郎新婦友人に深い溝を作る事に成功。

■同月…居酒屋で暴れ、警察の厄介になり、これで出禁居酒屋を 二桁に伸ばす。神戸が住みにくい街となっていく。

■2006年12月…飲酒運転で警察に捕まる が、なんどやってもアルコール探知機の反応が出ず、おとがめ無し。 自粛の為、二日間の禁酒に挑むが震えが止まらなくなる。

■同月…今年6回目の風邪をひき、点滴を打つ。 過労と診断されるが一切打ち上げを休まず1ヶ月引きずる。

■大晦日…仕事を終え、9時に帰宅。 しかしそのまま仮眠してしまい起きたら2007年1月1日を超えていた現実を受け止められず数分呆然と立ち尽くす。

さぁ。皆さんは何個知ってましたか?BLOGやSNSなどくまなくチェックして君も全くメリットの無い松原通になろう!

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■0…お前か!2chで叩いている奴わっ!

■1~5…中途半端松原。でも松原を好きになりかけ。

■6~10…友達以上松原未満。

■11~15…惜しい!ハム原!もっと頑張れ!

■16~19…松原中毒。メルアド交換可。

■20…松原の苗字ゲット!

■21…祝★君は松原。松原家に帰宅許可。

31杯目 「リアルドロケイ」

トイレに行く事を【レコーディングに行く】と解く。
その心は?

レコーディング=音入れ(おトイレ)

はい。松原だよ。
遂に新年を迎え、めでたい今日この頃ですが年末年始忙しいのが忘年会新年会。

毎晩呑み明かす日々ですが、先日焼酎イッキしまくりで自分でも珍しく酔っ払っているのを認識した夜。
運転手を店に残し、一人で車で睡眠を取る事にして運転席に乗り込んだ。

縦列駐車をしていたのだがバス停の前だったので少し前に車を動かそうと思い発車させた瞬間、後ろで急ブレーキが鳴り響いた。
慌てて後ろを振り向くと天下のパトカー様と接触寸前である。

焦った松原は10cmほど動かした車をバックで戻し、
車から降りたその瞬間、パトカーから2人の警察が猛烈に駆け寄ってくるではないかっ!?
テンパってしまった松原は思わずコマンドの「逃げる」をクリック。
地元・新開地の土地でリアル・ドロケイが始まる。
スリル満点の数分間、警察と松原のドラマティックな香港映画顔負けの逃走劇を繰り広げ、逃げ切ったと安心して
失速した松原の両腕を後ろから警官が豪快にダイビングキャッチ…

 

警官の怒鳴り声が街の雑踏に埋もれずビルの隙間にこだます。

 

「嗚呼ぁすみません!」

 

必死で謝る松原に 警官は息を切らしながら

「コラァ!お前なんで逃げたんじゃ!」

飲酒運転を恐れた松原は言葉を詰まらせながら

 

「追いかけられたんで怖くて逃げました…」

 

と手垢の付いた答えを返す。
すると警察から意外な反応が

「お前ヤクやってるんやろ!」

 

 

 

エエエエっ!?オレが??まじで?
パトカーに連れて行かれ薬物チェックと全身の持ち物チェック…。

当然薬物など持っていない。

 
次は車の中を見られる事に。

助手席のカバンの中に入っていた打ち上げ用のハリセンや金髪のカツラを手に取られ「お前、何やってるやつなん?」と当然の疑問を投げかけられる。
真顔の警官が持つハリセンは想像以上の面白さで通行人が笑いを漏らす。

他に車内にあった「M-1グランプリ」の応募用紙も見つかり、完全に芸人と勘違いされる。

そしてどんどん車の中を物色されているとトランクに、
先日sophiaのコピーバンド“マフィア”のライブで使用したおもちゃのピストルと砂糖を入れたビニール袋(ギャグで作ったコカインのダミー)が街頭の灯りに照らされる!
うわ!最悪や!衝撃の出来過ぎたシナリオ…
予想通り、完璧に勘違いした警官が

「おいっ!!!お前!コレなんやねん!!!!」

「いや、偽物です!!ホンマです。これは砂糖です!ホンマですっ!」

「みんなそう言うねん。なんで砂糖が袋に入ってるねん。舐めたらわかるねんぞ!」

 

ってホンマに砂糖やし!

「いや、今、舐めてみてください!」と促すが、
「みんなそういうんじゃ!とりあえず署に来てもらう!」に一点張り。

何度も訴えるが、聞く耳持たずで、松原は甘い砂糖が詰められたビニール袋と共に連行される。

 

このあと連行された警察署で、ただ甘いだけの砂糖を警察が舐めて、変な空気になる事は間違いない。
「あれ?砂糖やん」
「はい、砂糖です。」
「お前舐めてるやろ?」
「いや、先に舐めたのはそっちじゃないですか?」

 

「お!君、うまいね〜!」

ってなるかー!

30杯目 「幼馴染の道田という男」

はい!どーも~!

免許の講習の時に心臓マッサージの人形が僕と同じユニクロの服を着ていて、きまずかった松原だよ。
そうあのauのパンフレットの陣内の下に載っている奴だよ。
まだ見てない人は大至急auショップへ急げ!(2006年12月時点)

嗚呼…また自慢話から始まってしまった全国でも大人気のこのコラム。
今回は「人生をネタにした自慢の友人」のお話です。。

小学生からの幼馴染・道田(仮名)という人間の昼ドラ級のお話です。
まず小学生時代・彼の父は年中無職でプーなんですが、ある日

「松原!ファミコン買ったるからおいでや!」

って言われて近所のダイエーに行く事になる。
早速ファミコン売り場の前で何が欲しい?
と言われその時代に流行っていた【ツインファミコン】と僕が答えると、
店員の居ない瞬間にレジに入って行き【ツインファミコン】を棚から取って

「松原!ダッシュ!」の一言。

泣きながらダイエーの階段を下りた記憶があります。
高校時代になると道田(仮名)は私学の高校に入学。
当然親父が無職なので金がなく【奨学金】を貰っていた。

ある日その奨学金が振り込まれないので、年金のみの収入で家族6人を支えている祖母が学校に電話してみると 校長が

「あれ?先月お父様が取りにこられましたよ。数か月分…」

奨学金はとっくに夜の街へ親父の手によって消えていった…。
彼は高校を辞める事になる。

仕方なく現場の仕事を始めた彼はある日、親方の車を借りて帰って来たが、近所の駐車場がいっぱいで近くに路駐をしていた。
そして朝になり出勤しようと車を見るとその道に停めてあった車、全てがパンクしている。
親方に借りた車なので急いで修理したがその日は遅刻。
激怒され仕事をクビになった。

そして後になってわかった事だが道田の親父が道田の車と知らずに停まっている車全てをイタズラでパンクさせていた事が発覚。
だが時は既に遅し… そんな悲惨な出来事続きの彼に転機が!

なんと20歳の時に彼は結婚をする事になる。
しかし親父のせいで道田という名前では色々ブラックリストに載っているので養子を選択。
道田(仮名)から森藤(仮名)へと第2の人生を歩む事になる。

そのまま数ヶ月アパートで暮らし、遂にローンでマンションを購入。
幸せな生活が続くと信じた矢先に、新居に警察が踏み込んでくる…!?

「奥さんを詐欺の容疑で逮捕します!」

えええ? どうやら会社ぐるみで詐欺行為を行っていたようでそのままお縄に…
彼も疑われ天王寺警察で拘束される。
結局彼は離婚とゆう選択をし、道田(仮名)は新居のローンと奥さんが勝手に使っていたカードのローンだけが残った。

どうしようも無く実家に帰るとまた警察が実家に踏み込んでくる!
食卓の横を手錠で縛られた父が通っていく。

「菅原文太みたいでカッコイイやろ?」

という親父の捨て台詞。
警察に連行されるなんて普通は大騒ぎだが、慣れっこの道田家の食卓は、冷静に食事が続けられていた。
そんな前科4犯執行猶予中の父や詐欺で捕まった嫁を持つ、彼はマンションのローン数千万を抱えながらスタクラでアルバイトをしているのだが、
電車代が往復1000円と高いので、弟からバイクを借りて通勤する事にした。

しかし先日打ち上げに参加して気持ちよく帰ろうとした明け方5時。

『ぬぉ~~~!』

彼の叫び声が早朝の三宮に木霊す…。
なんと停めていたバイクが盗まれてしまったのだ。

しょうがないので今度は兄からバイクを借りて通勤したのだがその2日後に嘘のようだがまた窃盗に合う…

この数日で2台のバイクを盗まれ兄弟に弁償合計額20万円をまた背負う事になった彼は最近徒歩2時間かけて通勤をしている。

これは実話である。
最近は彼のBlogを見てお弁当やお土産の差し入れをくれる心優しい方が増えている模様。

ここで道田(仮名)救済支援団体を発足させ彼を昼ドラの様な出来すぎた不幸ドラマから現実の世界に戻してあげようと思う。
幸せとは何か?
普通とは何か?
この話を読んで「うそ~」って思えた貴方は多分幸せ者である。

この現実には本当に起こっている。
ここでは書けない事も有り、まろやかな内容になったが、興味がある人は直接彼に喋りかけてみてください。不幸が移るかもしれませんよ、、

(*この物語は一切真実であり道田正樹(仮名)本人監修である。)

29杯目 「M-1に挑戦」

僕は太陽と虎というライブハウスの松原といいます。
そんな僕はライブハウス以外にも色々な顔を持ってる。

昼は社会に紛れ、夜はライブハウス。真矢の顔は…
って誰が真矢(LUNASEA)の顔やねんっ!

 

…見事な掴みをご覧頂いた訳ですが、そんな松原はこの度、あの笑いの頂上決定戦「M-1グランプリ2006」にエントリーしてきました〜!

「何でライブハウスの人がM-1に出るの?」って?
逆に君は何で出ないの?
そこに山があったら、登る。
ただそれだけ。

松原の前にM-1があった。
だから出る。

という事でまずは1回戦!
その前日まで余裕をかまして何もネタを作っていなかったので慌てて相方の当店園長の風次とネタを作り、ライブハウスの1番目で披露する。
しかし死にたいぐらいのスベる…。
当日出演してたバンドに会いたくないので全員殺しそうになる。

だが、このままではヤバいので急いで修正して、終演後に再度披露。
まーまー、受ける。

だがこんなもので優勝できる訳がない。
心配するバンドマンが「明日1回戦ですが勝てますか?」などとほざく。

「俺を誰だと思ってる!松原さんだぞ!1回戦ぐらい楽勝で、優勝を狙う!」

一円にもならない見栄を切る。

そして不安はMAXな状態のまま当日11時に【よしもと∞ホール(NGKホール)】に到着。
しかし風次は来ない…。
焦って電話すると

「もう行きたくないです。」

コラァーー!お前小学生かっ!
なんとか説得してこちらに向かわせる。
とりあえず相方の到着まで会場の偵察に入るが、そこは想像を絶する世界。
50人ぐらいの観客は確実に1回戦の我々を見下して「笑ろたるかい!」みたいな空気。

凄い独特のアウェー感。
総勢200組の漫才師達のネタのクォリティーに衝撃!
1年ほどかけてネタを作ってこの日に照準をしぼった彼らと比べ前日にネタを作った松原たちなんて大至急ミジンコである。

そうこうしてると風次が到着し、ネタ合わせの為に近隣の人気のない場所を探すが、さすがM-1会場の周辺!あちこちで先客のコンビが並んでネタ合わせをしている。 これまた凄い光景である。

時間が迫り、我々は舞台裏に呼ばれるが、そこはディズニーランドの様な光景。
コント用レオタードとか柔道着とかパンダの衣装の奴らが、所狭しとウヨウヨいて、しかもめちゃくちゃ緊張した顔。着ぐるの衣装で顔マジは、人に一番見られたくない姿であろう。
でもこっちは遊び半分で参加している立場。こういっちゃ失礼かもしれませんが、超面白い光景。

そんな松原も遊び半分のくせに、出番が近づくにつれ緊張が襲う。
今までCOMIN'KOBEの舞台やTVなどに出る機会はあったが、そんなの比べられない程の緊張感。風次は己を見失い、ずっとウィスキー片手に現実逃避。気持ちは解る。

 

そして時は満ちた。

 

「松風さん出番です」

 

青ざめたまま、出ばやしが流れ登場する我々。

「はいっ!ど~も~松風で~す!」

遂に始まった我々のネタ。
「ウケる!」と思ってたのがスベって、とりあえず入れたボケがウケる。
… ホントに笑いは生き物。“間”一つ。

という事であっと言う間にネタを終えた我々。

え?どうなったかって?
当然、審査委員から「もう優勝!」と絶賛され、会場は盛り上がり、 関係者が駆け寄ってくる始末。
松原はツッコミなので、会場のボケの奴が「是非一緒にコンビを!」と引き抜きの嵐!

しかーーーーーーーし!!!

松原たちの後のコンビが「今年で結成10年目なので俺たちはこれが最後の挑戦なんです。」(*M-1は結成10年目までしか参加できないルール)
そういって舞台に挑むが無念の敗退。そして松原たちの前で泣き崩れている。

心優しい松原はそのコンビに近づき、声をかける。

「俺たちの2回戦の切符をやるよ。俺たちは来年もあるけど、君たちは最後の挑戦なんだろ!」

俺たちは遊び半分。ここで彼らの涙を見て見ぬ振りをして勝ち進む勝利に何の価値があるのだろう。
例え優勝しても、人間が腐るなんてまっぴらだ。

そう言い残し去る我々。
俺たちには未来がある。
という事で一回戦で、自らM-1に背を向け、会場を後にする。
もちろん帰る場所は、音楽が鳴り止まないライブハウス。
俺たちには音楽がある。
M-1の優勝より、ライブハウスで笑ってくれるあなたの為に今日も頑張りたい。

*注意)「優勝するわ!」って意気込んでM-1に出たのに1回戦敗退したのが恥かしくて、作り話をでっち上げて、言い訳をしてる訳ではありません。全然ウケてました。

28杯目 「人生がドラマ」

僕は松原と言います。おはよう。

今日は松原の過去の面白話から1つPICKUPして君に届けようと思います。

松原の人生は自分で言うのも何ですか結構、波乱万丈で「人生昼ドラ」をモットーに生きています。
きっとこの世界自体が作り物で松原の人生を隠し撮りしてどこかの星の番組でオンエアされてると思い込んでいます。

 

そんな主人公・松原が20歳になった時の出来事です。

 

 

仕事に行くために家を出た瞬間!
黒スーツの男の人が2人松原に近づいてきた。

「松原裕さんですよね?」

 

 

え?こわ。何この人。
戸惑う松原の手を強引に引き、声を上げる暇さえ与えずに黒スーツたちの車に連れ込まる。

 

 

「ちょっと!あんたたち、何者ですか?」

「乱暴にすみません。実は貴方を探している人がいます。」

 

 

 
そういって車はおもむろに発進し、地元の駅前にある喫茶店へと連れていかれた。
喫茶店は2フロアの作りになっていて、黒スーツは松原を2階へと案内する。
事態を飲み込めない松原はなすがまま。

すると、70歳ぐらいの女性と50歳以上の男性が松原の顔を見るなり立ち上がり、泣き出して飛びついてきた。

 

 

な、なにこれ!?

 

 

松原の身体を抱きしめながら彼らは泣きながらこう叫んだ。
「裕!本当のおばあちゃんとお父さんやで~」

 

 

 

実は松原の母は父と離婚していて、物心がついた時には松原と妹の3人暮らし。
なので松原は本当のお父さんの顔を知らない。

 

なので松原にとって本当のお父さんはパンダみたいな存在で

「死ぬまでに一回見ときたいな」

ぐらいの感じだった。

 

 

 

 

 

だから、いきなりの展開に、戸惑いながらも「この人か〜」と冷静になる。

すると喫茶店にいるお客さんはオーディエンスに変わり、感動の再会をしている我々に拍手が送られる。
あとはここに徳光さんを配置するだけで立派なテレビ番組になりそうな勢いである。

 

 

 

 

そこからしばらく会話をし、少しづつ打ち解ける。

そして後日、その父に呼び出され姫路にある父の家に行く事になる。
歓迎され、豪華な食事が振舞われる。
食事を終えると、程なくして祖母が連れて行きたい所があると言い、松原を乗せた車は変な大きな屋敷に到着した。

 

屋敷の門をくぐると、玄関からうじゃうじゃおばさんがいっぱい出てきて松原に抱きついてくる。
まるでホラー映画のゾンビに襲われている感覚である。

 

 

 

エエエエッーー!?誰?で、何ココ?
パニくる松原をみんながベタベタ触り、感動に酔いしれている…。

 

 

「裕ちゃん!裕ちゃん!」

 

 

 

 

全く初対面の彼女達が松原の周りをとり巻き名前を連呼する。
この複数のおばちゃんは一体何なのか?
全員エプロンをしているのでココの家政婦的な人なのか?にしては多すぎる。
疑問符が浮かんでいる松原をその中でも位の高そうなおばちゃんが大広間に誘導する。

 

 

 

 

大広間に着くと真ん中にポツンと座らされ、その部屋の両サイドにさっきのおばちゃんズが綺麗に列を作って座る。
まるで大奥。もしくは何かの儀式が始まりそうだ…。
数分待たされた後に奥のふすまが開き、両サイドのおばちゃんズがお辞儀をしだした。
するとそのふすまの先におばちゃんのボスみたいなデッカイおばちゃんが現れる。
ボスキャラの登場に臨戦態勢に入った松原。するとそのボスキャラが小走りで近づいてきて、松原に抱きついてきた…

 

 

「嗚呼ぁやっと会えた!」

 

 

 

ってまた!!

ってかこのボスキャラ誰やね~んっ!なんで泣いてんねんっ!
で、気がついたら両サイドのおばちゃんズも、みんな泣いてるぅ~!松原の祖母まで泣いてる〜

 

 

泣いてないのは松原だけ〜〜〜

 

すると祖母が口を開く。

 

 

「アンタの名前を決めてくれた人やで~」

 

 

 

うそ~!!!!俺、誰に名前決められてんねん!
ってかその前に誰やねんコイツ!説明せーや!

 

 

「懐かしいやろ?」

 

 

って懐かしないわ!

で、さっきから気になってたけど、この煙なんやねん?部屋の隅で葉っぱ燃やしてるやん。
なんやねんココ!?一体何者やねん?

 

 

混乱しているとボスキャラが松原の赤子時代の話しをしだしたけど、大体覚えてる訳無いし、松原の表情見て!
温度差!何で感じないの?君たちと僕の温度差すごいよ。感じてよ。何なんここ。

 

 

「よかったな。裕!やっと会えて!」

 

 

って言われても誰か知らんし、お土産にこんなに林檎とかキャベツとかいらんし、

「また来るねんで!」

って言われても道解らんし、その前にあんたら何者やねん。
帰りの車も祖母泣いてるから

「あれ誰なん?」

って聞きにくっ!この映像、 どこの星の誰が見てんねん!
絶対今、笑われてるやん!

 

 

どこでCM跨ぐん?
こんなめちゃくちゃな展開で視聴率取れるの?

番組を面白くする為に今度会ったらおもいっきりドツいたろか?
ホンマさっきの場所、何やってん…? 怖い怖い怖い。

 

次回ここからどんな話しになるねん!
確かに次回の放送が気になるけど、怖いからここで打ち切り!

(このドラマに出てくる団体名・個人名などは一切フィクションではありません。)

27杯目 「笑いのツボと割れたツボ」

現在、トチ狂って自分の名前を起用した周年イベント「松原祭40連発」が開催中だが、毎日毎日打ち上げの日々の中で曜日感覚を失い、今日がいつかもわからず「起きる→出勤→打ち上げ→寝る→起きる。」の繰り返し。

 

そんな日々の中で唯一の苦痛であり、楽しみであるこの「打ち上げ」。
全国的に悪い評判から好評までクッキリ差が出る激しい打ち上げは年間300日ほどはある。
本当に色々な思い出がある打ち上げ。
そしてその打ち上げで酔っ払い我がを見失った奴は色々な事件を起す。

 

今日はそのインパクトがあった打ち上げ後のアザーストーリーを紹介しよう。

とある日、打ち上げが終わり、打ち上げに参加してたバンドマンと彼女のカップルがラブホテルへ宿泊しに行った。

打ち上げでベロベロに酔った我々は、悪ノリと悔しさで「僕らはラブホテルに泊まるので」と言って去る二人の後を着けて行く事にする。もちろん尾行には気づかれず、ついにホテルに到着。ここで普通は帰るのだが酔っ払った打ち上げスタッフ風次(仮名)はホフク前進でロビーをくぐり抜け、何故か室内への侵入する事に成功したのだ。
どんだけこのカップルもベロベロやねん。とにかく奇跡的に気付かれずに侵入し、クローゼットの中から一部始終を我々に携帯電話を使って、報告してきた。

 

酔っ払ってる我々は笑いのツボにハマり、大爆笑。その報告を受けながら全員でコンビニ前でヤンキー飲みをすることにした。

缶ビールとスルメを駐車場の車輪止めの上に座り、飲んでいたら一人の泥酔した某バンドVoがフラフラと小便する場所を探す旅に出かけた。我々はラブホテルの実況中継に夢中になっていたのであまり気にも止めなかったが、そのバンドのギターリストが「あいつ酔っ払うと何するか解らないので」と不安がり、後を付いて行った。

 

彼らの姿が見えなくなり、気にせず飲み続ける事、数十分。
松原の携帯にさっき追いかけていったギターの奴から着信が入る。

 

「松原さん!大変や!Voがヤクザの組の前で立ち小便をしようとして玄関の壷を割ってしまって事務所に連れて行かれた!!!!」

 

 

あまりにもギャクマンガみたいな出来すぎた展開に松原はもう一度書き直すが、やはり内容は同じ。ヤクザに連れて行かれたとのこと。

 

「どうしたらいいでしょうか?たいへ… プープープー」

 

 

えええええ!

 

 

言葉の途中で電波が途絶えた。

 

 

 

「もしもし!おい!もしもし!!」

 

 

 

 

松原の声は相手の居ない携帯電話に虚しくこだます… とにかく大変な事態だ。
コールバックするが、圏外。感情の無い自動音声の声が答える。
急いで近隣をみんなで走り回り探すが見つからない。残された手がかりは玄関で割れた壷のみ。手がかり薄っ!!

 

住宅地の中でコレを探すのは広いプールに落ちた指輪を探すのと等しい。

 

途方にくれ警察に電話をかける。数分後サイレンと共に赤いランプが酔いの覚めた松原たちの顔を照らす。
事情を説明したあと、パトカーに乗り込み、警察官の知るヤクザの組を回る。
組長の射殺が報道を騒がした記憶に新しいヤクザの町・神戸だけに警察官は効率よく組を回る。
しかし中々見つからず諦めかけた瞬間、陶器の破片が散らばる1件の建物がフロントガラス越しに目に入る。

 

 

「ここだ!」

 

 

慌てて、車を停め、警察官は動じず防犯カメラが忙しく監視する玄関のチャイムを鳴らす。
丸狩りに等しいヘアースタイルの数人が眉間にシワを寄せ扉を開ける。
すかさず警察官が

「ここに20代前後の男の子が来たと思うのだが知らへんか?」

と問うと

「おー!壷割った子やろ?免許書預かって明日弁償しに来い言うて帰らしたわ。」

先頭に居た、まるで派手な衣服を着ているような上半身裸の男が答える。

「ホンマに帰らしたんか?」

「帰らしたで。」

同じ様な質問が警察とヤクザの間で繰り返すが、 話合いに負けたのは警察の方だった…・

「なんで踏み込まないんですか?絶対居ますよ!」

少しきついイントネーションで松原は警察に問うが

「実際証拠が無いと家宅侵入は出来んのや。」

「僕には解るんです!絶対居ますよ!僕、勘はいいんです!」

 

 

しかし訴えも空しく、我々は遠くなるパトカーを後目に日が昇るまで周辺を探す。
が、見つからず絶望の気持ちでライブハウスの事務所に戻る。するとすると驚愕の結幕を知らせる電話が鳴る。

 

まさかの消息を絶ったギターの奴からだ!
慌てて電話に出ると、
なんと彼は充電が切れて機材車に戻り、充電しながら寝てしまったのだ…!

 

 

エエエエエエエーーーーーーーーー!!!!!!

そして横にボーカルの奴も寝ている事を聞かされた。
コラーーー!どんだけ我ら探し回っとたんじゃ!あほー!

「あのあと大変やってんぞ!」松原は安心した分だけ怒りがこみ上げ、彼らに怒鳴りつける。

「え!?あのあとですか?どうなったんですか?」ギターの奴が興味津々で返答してくるので呆れて物も言えない。「早く教えてくださいよ!あの後、ラブホテルの風次さんは、どうなったんですか?」

 

 
あ、それ忘れてた。

26杯目 「風次という男」

今月は「松原祭40連発」が開催されていますね。当然40日間休み無く呑み続ける松原な訳で…

しかしそんな打ち上げに松原の相棒が存在します。
知る人ぞ知る「風次」という人間が…
今回はそんな彼の生態について紐解いていこうと思う。

高校を中退してそのまま「ゴミ収集車」で働き、「ソーセージ工場」を経て打ち上げで松原と出会い、そのまま太陽と虎に引き吊り込まれた彼…

名前を聞いただけで身震いする人も多い彼だが、基本的に所謂「汚れ芸」を武器とし、嫌われたバンドは数知れず。

その分、気に入られたら凄いパイプで繋がる。
名前を知らない人は大体彼の事を「泡の人」とか「気持ち悪い人」と覚える。
この「泡の人」とは彼の得意とする洗剤を口に含み泡だてて“しゃぼん玉”を作ったり、
唾の粘液を使ってカニの様な泡を綺麗に作り出し周囲を怖がらせる一種の護衛行為である。

しかし基本的に身の危険が降りかからなくても簡単に行うので松原は一種のコミュニケーションツールだと捉えている。
この不思議な生き物「風次」は一応太陽と虎に勤務しており生態は不明。
名刺には「打ち上げスタッフ」と記載している。
よく名刺交換時に笑いが起こるが我々にとって自然な事なので理解し難い。
そんな彼は数え切れない珍事件を起こす。

最近では「電車宿泊事件」が記憶に新しい。
始発まで打ち上げで呑み、電車で帰った生息地・尼崎の彼。
ついつい寝てしまい起きたら尼崎を通りすぎて“京都”!
行き過ぎたのでまた下りの電車に乗り込み、また起きたらまた尼崎を通り過ぎて“明石”。
あわてて上りに乗り込み起きたら“大阪”
…そのまま数度の乗り過ごしを繰り返し出勤時刻の13時になり“三宮”で下車し出勤。
という新手の電車の使い方を提示。
また駅のホームで電車待ちのまま寝てしまい宿泊して出勤も多々ある。

 

主食・好物は主にお菓子の「ハッピーターン」を食し、鬼の対人恐怖症。

アルコールが入らないと人の目を見れないぐらい臆病なのだが、一旦酒が入ると凄い事件を起こす。
打ち上げ会場で寝てしまい居酒屋に閉じ込められた事も数度あり、人は環境に左右されず睡眠出来る事を実証。

その他にも
「ゲイを喜ばして5000円貰った事件」や
「ヤクザに間違えて絡んで土下座事件」や
「蝉を素足で踏んだ事件」や、
「西宮神社で福男を走りに行って勝手に福男を仕切り出して怒られた事件」(過去コラム参照)
など無限とある。

もう生きている事が事件である。
三宮から電車で30分ほどの「尼崎」に生息している彼だがなんといっても、その家が凄い。
とあるビルのテナントに住んでおり、ビルの裏にある非常口の螺旋階段から入る。
そのまま3階まで上り、窓ガラスを明けてビル内に入る。これは帰宅ではなく侵入である。

本当に自分の家なのか再度確認してしまう程、怪しい…
そして真っ暗な廊下を歩きベニヤ板で入り口を塞いでいるテナントの前に立ち止まり、
そのベニヤ板を手前に折り曲げてその隙間からテナントに体を捩じらせて入る風次…

「えっ!?ココ?」

思わず出した声が誰もいない廊下に響く…。
中はまるでドンキホーテ未満フリーマーケット売り場以上の物がごちゃごちゃと散乱する15坪ほどの敷地。
日常とあまりにもかけ離れた空間に呆然とした松原に「座れや。」と不自然にひかれた畳数畳の空間。
どこで拾ってきたか解らないマネキンやスーパーのセールの紙、ポール、備品の数々が松原の座る空間を圧迫させる。

日本の居住環境にはまだこんなに階級の差があることに驚愕し、逃げ出す様に自宅へ車を走らせた…

 

明治時代に身分解放令が執行され、士農工商穢多非人の無いこの世の中に、この劣悪な居住環境を目の当たりにした今、松原は少しぐらいのつらいことやしんどいことぐらい簡単に乗り越えれる強さを手に入れた。

25杯目 「架空の友人」

最近は糖尿病を恐れ脱ビール&めっきり焼酎にドップリ。
呑み方はもちろんロックで!
だっていつまでもお前と

「水いらず」

太陽と虎松原です。おはよ。

遂に始まった民間の駐禁制度。
これには路駐愛好家としては大変迷惑な話である。(←お前の存在が国家の迷惑)
大体路駐愛好家を伊達に語っていない松原は国家権力ポリスメンとのバトルが尽きない…
まず深夜、松原の路駐スポットがある。
「ここ別に停めてても絶対邪魔ならんやん!」
という場所なのだが過去3回レッカーをされている。

神戸三宮でレッカーされるとまず、駐禁センターに向かうのだが、実は抜け道がある。

「すみません。レッカーされたんですけど。」

と受付を訪ねる。

「車種は?」

などと質問されていくのだが、

「この車は僕のなんですが停めたのは友達なんですよ。」

と言うと

「じゃーレッカー代だけ払って、後は友達に出頭させて~」

と言われる。

要するに駐禁の切符は切られないのだ!!!


これは以前、松原の親父が車を三宮に停めて、松原が取りに行くという流れの時に車がレッカーされて、説明するとそういう流れになったのだ。

これは使える!と思った松原は過去2回この手(1回は本当)で逃げ切った。

そして先日もレッカーをされてしまい、楽勝な気持ちで駐禁センターにむかう。
例のパターンで手続きを済まして帰ろうとした瞬間…

「ちょっと待って!松原君?」

自動扉の開く音と共に呼び止められる。

「君、この前もこの前も友達やんね?これおかしくない?」

バレてもてるっ!!!!!!!


テンパった松原は過去2回の友達の関係を説明するが

「あ。じゃー違う友達だからOKやね。」

とかなる訳も無く個室に呼ばれ尋問の嵐。

じゃーその友達の名前は?と聞かれ、とっさに「金田くんと大橋くん」という仮想と友達を作る。

金田くんの場合、中学からの友人でバンドをやっていて先日デビューを果たし、ツアー中なので連絡が今、取れないという設定にした。
一方、大橋くんは金田くんのバンドメンバーで松原は一回遊んだ事があるぐらいで携帯は解らない設定。

バンド名も聞かれるがヴィジュアル系のややこしい名前なので覚えられないと答える。するとまた新しい警官が入って来て、

「君、1年前も駐禁取られてるけどその時は友達ではなくお父さんになってるね。」

…ますます事態は悪化する。

「お父さんに今、電話してみて!」

と言われるが実は今年の頭に両親は離婚しており、親父は出て行ってしまっている。説明をするが確実に怪しんでいる。
松原が逆の立場やったら100%信じんわ。
と思いつつまだ質問は続く

「携帯は?」

「親父は持ってないんです。(実話)」

「じゃー家は?」

「いや、そんなん携帯に登録していないんです。」

「じゃーどーやって連絡するの?」

「親父はカラオケ喫茶をやっているので名刺はあるんですが家なんです。(実話)」

もう益々取り返しの付かない状況…
この様なしょうもないやりとりを小1時間続け、なんとか条件付で帰らせてもらう。

それは明日中にかならず「金田くんと大橋くん」を連れてくるという条件だ…


架空の彼らをどうやって連れてくるか?これはもうドラえもん的な存在がいないと成立しない条件。
帰り道に携帯に入っている全友人にメールで「金田という人間」を全力で探してもらうが都合よくいる訳もなく、実際いてもそんなんで来てくれる訳がない…

最終的に松原がとった手は「金田くん」では無く、本当の幼馴染である「道田くん(実名)」を翌日連れて行って警察の聞き間違いを装うが、大至急バレる。

ブチ切れられた松原は最終的にイッキに3点&3万円を警察に支払い、始末書的なものを書かされ、鬼の嫌味を言われて警察を後にする。

 

「じゃ~金田くんのバンド名わかったらまた教えてな。」

キャーーーーー!!!!!!腹立つぅぅぅぅ~~~!!!!!!!


絶対金田探したんねん!全国の金田くんと大橋くん連絡求む!
国家権力に今こそ牙をむく時!奮い立て!金田と大橋!(←全員無視)

*このコラムはフィクションです。

24杯目 「恐怖の飛行機」

飛行機にて…

乗客が飛行機に乗り込み1時間ほど飛行せず待たされていた。
すると機内アナウンスが流れた。
機長「誠に申し訳ありません。エンジントラブルが発見されたので離陸を中止致します。」

 

 

それを聞いた乗客は待たされたイライラもあり
「ふざけるな!」「早く飛べ!!」と口々に怒り叫んだ。
するとまた機内アナウンスが流れた。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃぁ、飛びます。」

 

 

 

機内は大パニック。

 

 

 

 

 

 

 

 

はい。全国のマツバラーのみなさん!お待たせしました。大人気コラムです。

な~んて事があったら怖いですね~。
そんな事を一人考えているのには訳があります。
そうです!先日、弊社15人の社員旅行in沖縄が開催されました。

常夏の沖縄は梅雨まっさかりなのに飛び込みます。
そんな話題豊富な我々チームタイトラは神戸空港から沖縄に向う。
まさか命からがらの事態が待っているとは知らずに…

 

 

5/17、13:00神戸空港に集合。
手続きをこなし15人一行(うち初フライト2人含む)は順調に飛行機に乗り込んだ。命乞いをする者、バーボンをボトルごとイッキして恐怖心を殺す者、スチュワーデスを口説く者、もう酒に潰れている者など様々な模様が機内で展開されている中、出発して1時間程経ったぐらいだろうか?

急に破裂音が機内にこだます…

「ボンッ!!!」

すぐさま嫌な振動が機内を揺らす。

「ガタガタガタガタガ…」

 

 

 

 

 

ええええっ~~~~~!!
なに?今の音!大丈夫なん?

 

 

 

 
人一倍恐怖心旺盛の松原はすぐさま事の追及に急ぐがスッチーは「大丈夫です」の一点張り。確実にウロウロしてるしコソコソ話し満載の演出は100%何 かあったやん!を隠せない。

「え?やっぱ何かあったんでしょ?」

「いえ、問題無く飛行しております。」

 

ってお~~いっ!

今、聞いた奴の後ろのスッチーめちゃくちゃ外見てるやんっ!うそつけ!

奥から走ってきた奴と今、コソコソ話ししとるやんけ!
お前、何 マニュアル通りの返答でやり過ごそうとしとんねん。
こっちもそれぐらいのエアー読めるねんぞ!

おい!お前!今、パラシュートんトコ確認しとったやろっ!?
何、有無の確認しとんねん。嗚呼ぁ…最悪や~ 絶対エンジン故障とかやん!

30分程、変な振動が続く。

うちのスタッフは遂に遺言を書く者まで出る始末。
全く関係なくまだスッチーを口説いている奴もいるが完全無視のスッチーの態度にもこの事態の悪さが伺える。そうこうしていると機内アナウンスが流れる。

 

 

「機長の○○です。ただ今の振動ですが飛行には全く問題はありません。原因が解明されましたので御心配無く。」

 

 

我々はホっと胸を撫で下ろす。

 

 

 

「この振動は2つあるうちの左のエンジンが故障してしまった為ですが1つのエンジンでも問題なく飛行可能です。御心配なく」

 

 

… なんや~、エンジンか~!良かった良かった …

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ってコラ~~っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

エンジンやろ?エンジン?
2つあるかしらんけど対極にある左右のエンジンやろ?
絶対あかんやんっ!バカにしてんのか?コラッ!1個で飛べるんやったらハナから1個でええやんけっ!
右と左に1個ずつあるねんからマストなんやろ?絶対おかしい!おかしい!

機内はパニックに陥る。
しかも左の翼の下のエンジンって事はホンキで俺の真下やんけ!すぐ下!したー!

沖縄まで揺れまくり状態で、「死」を覚悟しながら1つのエンジンだけで沖縄になんとか1時間押しで到着。
発狂した松原は荷物引渡しの所で切れて暴れまくったらJALの人間が駆けつけて来た。

するとヤヤコシイ奴と思われたのか、5万円が入った封筒を差し出すJALスタッフ。簡単に気分を良くし空港を出た。
しかし空港から出ると大勢の報道のカメラが我々に駆け寄り、インタビューを全国ネットで受けてしまい事のデカさを実感。
そしてまた翌日の朝のニュースにTV出演を果たした松原一行の沖縄旅行は幕開けから珍道中を匂わせてくる。

さぁ、どうなるチーム松原…
リアルに生きて帰れるのか?次号に続く…
(*この飛行機事故は新聞や各インターネットNEWSで大きく取り上げられています。実話)