コラム「人生打ち上げかけつけ」

松原裕 コラム

2005年より13年間1ヶ月も休まずに連載を続けている太陽と虎代表 松原裕のマンスリーコラム。

人生とは打ち上げのように激しく乱れて華やかに散る。
ならばかけつけイッキで酔ったもの勝ち。

そんな日々起こる不可思議で愉快な体験を綴る太陽と虎マンスリーコラムスケジュール誌に連載中のかけつけコラムWEB版。

笑いをアテに何杯でもイッキしてください。

※本コラムは本人が「がん」を理由に2016年10月を持って休載しておりますが、「絶対休む機会を探していて「がん」になって「よっしゃ!これや!」と思ったに違いない。」「連載が始まって13年間140話以上書き続けてネタ切れになったんじゃないですかね?」関係者談。
「そ、そんなわけないやん!ネタが溢れて溺れそうやわ!ただ体調が…。」本人談。

という事で2016年10月より、体調が良い時にWEB版のみ更新する不定期連載になりましたので、テレビの裏面を掃除するぐらいの頻度でこのページも覗いてくださいね。

117杯目 「便利な便器」

こんなに気がau人はDOCOMOおらへんからいつでもWILLCOM!

…という訳でsoftbankを無視した携帯メーカーダジャレで始まりました松原の痛快コラムのお時間です。
お相手はもちろん松原です。
そんな松原は先日遂にメデタク誕生日を迎えアラフォー35 歳へと成長を遂げたという事で弊社の35歳から受ける事が出来る健康診断にやっといける事になりました~!
年上の従業員は毎年楽しそうに健康診断結果を発表し合い、
奥歯を噛みしめ続けたこの数年、念願の健康診断!
しかし楽しみだったはずのこの健康診断で驚く事態に陥る…。

戦後様々な諸先輩たちが築き上げた自由の国・日本では考えられない命令が下されたのだ。

“前日の21 時から断食”

これは近代私法の三大原則に反する自由の尊厳。
酒が飲めないなんてストレスが倒れそうになる。
しかしそんな事を訴えても「じゃー健康診断来なくていいです。」
という回答が見え見えなので、仕方無く前日の20 時55 分まで飲めるだけの酒を飲んで、潰れるように睡眠。
そしてほぼ二日酔いで起床。
そしてまた命令が1つ下されている。

「検便」だ。

なんという屈辱。
自分の排泄物を紡ぎ取り、人前に提出するという破廉恥極まりないストレス行為。

…と訴えても前述の通りなのでベッドから飛び降り、リビングのトイレで用を足す。
そして立ち上がり便器の中にあるさっきまで図々しく体内に居たホカホカのブツを見下ろす。
普段から気持ち悪いので全く見ない松原は吐き気を催し、ゾっとする。
その上、コレに検便の棒を刺さないといけないのだ…。
考えられない罰ゲームである。

しかし、しょうがないので渡された検便の棒を突き刺そうとした瞬間!!!!

な、なんと!

便器が「ウイーン」と音を出して洗浄を始めたのだ…。
そ、そうなのだ…!
実は松原の家のトイレは無駄にハイテクで便座から離れて数秒後に勝手に水を流して洗浄を始めるのだ!

「わぁぁぁぁ!ちょ、待って!行かないでくれぇぇぇぇ」

自分の排泄物を呼びとめた人間が過去居ただろうか?
そんな松原の声にも振り向かずウン〇は颯爽と荷物を持って実家へ帰る嫁の如く、立ち去っていく。
不思議と涙は出ない。
むしろ苛立ち、ストレス全快。
嫁に逃げられた旦那が酒に狂う気持ちが少しわかる。

しかしこれはウン命だったのだ。
「次のウン〇を待とう!」

そう決意するも、さすがにもう便意はやってこない。
どんなに頑張ってもやってこない。
時はこちらの都合など気にせず残酷に刻んでいく。
遂に病院に行く時間になってしまう。
検便を忘れた松原にどんな仕打ちが襲ってくるのであろう。
空腹とストレスで胃が悲鳴を上げる。
それこそ体調不良でキャンセルしようかと考えるが、勇気を出して恐る恐る病院へ。
受付の看護婦さんに事情を伝える事に。

「実は僕の家は自動で洗浄される便器でして…そのアレが勝手に流れていってしまって…」

内容はフザけているが松原の深刻さに背丈を合わせて親切に答えてくれる看護婦さん。

「では検便だけ明日必ず持ってきてくださいね。」
怒られると思っていた松原にとって優しい言葉は身に染み渡る。
熱い気持ちになり「絶対明日検便を持って来ます!」と固い約束を交わす。

そして翌日、起床してトイレに駆け込む。
便座に座りながら昨日の看護婦さんとの約束を思い出し、排便を終える。
これで後は検便棒を差し込むだけである。
これを差し込めば、あの看護婦さんの喜ぶ顔が見れるのだ。
さぁ、遂に!検便棒を突き刺そうとした瞬間!

「ウイーン」

…し、しまった!!!

それから数分間、何も考えられず綺麗になった便器を見つめ佇む松原。
来年の健康診断の前にストレスで体を壊しそうである。

116杯目 「足下を救われる」

どうも!兵庫県忙しい奴ランキング5位(推定)松原デス!
そんな松原は始発6時の新幹線で東京出張なんてザラ。
先日も4時ぐらいまで激しい打ち上げをして、ほぼ眠らず新神戸駅から新幹線にライドーン!

二日酔い…というかまだ完全に酔ってる状態で眠りの中に腰を下す。

片道約3時間、起きたら東京というワープ状態を想定し、品川駅到着時間にiPhoneのアラームを設定する素晴らしい周到さ。

打ち合わせの時間に間に合う為には寝過ごして東京駅まで行く訳には行かない。
なんとしても品川駅で降りなければいけない。
大事な打ち合わせなのだ。
だからこそこの3時間はしっかり眠らなければいけない。
快適な睡眠を取る為に靴を座席の下に置き、ビニールを床に轢いて足を伸ばし、リクライニングには恨みは無いが親の仇の様に力強く倒す。

この環境で出来る最大限の事をやり尽くし、ようやく重い瞼を閉じる。

そして数時間後。

パっと目を覚ますと新幹線はどこかの駅に停車していた。

体感睡眠時間は1時間程度、「まだ名古屋とかかな~」とiPhoneのアラームを止めて、また眠りに着く。
少しでも眠らないと仕事に影響があるのでこちらも必死である。
品川駅に着いたらアラームが鳴るのでそれま…

え…?

あれ?…
ア、アラーム!?

ちょ、さっきアラーム鳴ってたやん!?!?

光より早く瞼を開けて外を見ると冷酷な顔で「品川駅」の看板がこちらを見ている。

うわぁぁぁ!!!やばい!!

慌てて、カバンを持って座席を飛び跳ねる。
車内は出発のブザーが鳴り響き、必死で扉が閉まる寸前の新幹線から脱出に成功する。
九死に一生とはこの事である。
東京駅まで行ってしまったら打ち合わせの時刻に遅刻してしまう所だった。

やはり松原は運に恵まれている。

すっかり目が覚めた松原は駅のホームから改札口へ向かう。

が、そこで違和感を感じる。
この違和感は足元からだ。

慌てて見下ろすと、

なんと今!

松原は靴下しか履いていないでは無いか!?

あぁ!靴は新幹線の座席に下だ!

とんでもない失態…。

靴下だけでホームに佇む松原。
すぐさま靴下原は駅員に相談する事に。

「すみません、靴を新幹線の中に忘れてしまって…」
「く、靴!?」

もし松原が靴を履いた完全な状態であれば間違いなくJR東日本のこいつを蹴っているぐらいバカにしたリアクション。
しかし靴下野郎にそんな力も権利も無い。

「そうなんです。靴が無いと大変なので取りに行きたいのですが…」
「…そうですよね。では列車に確認しますので乗車券はお持ちですか?」
「はい。」

ポケットをまさぐるが乗車券は入っていない。

あれ?そ…そうだ!乗車券は窓の所に置いてたんだ!

「すみません、乗車券も忘れました。」

遂に駅員をおちょくってると思われてもしょうがない状況が完成する。

「乗車券もですか?」
駅員の顔はスケートリンクの上に靴下でいるぐらいの冷たさである。

「は、はい。すみません。」
「はぁ…では靴下で申し訳ないですが駅員室までご足労頂けますか?」

文字通り足元を見てきた駅員に案内され、駅員室内の全員の前で再度事情を説明させられる辱めを受ける。
そして靴下野郎にスリッパを恵んでもらい東京駅で松原の靴と乗車券を確保してもらう。
そして靴下からスリッパへ成長した松原は次の新幹線で東京駅まで向かい、遂に靴を取り戻したのだ。

もちろんこの後の打合せは遅刻し、気まずい思いをしたが、靴下姿でホームに佇んでいたあの辛さと比べると足下にも及ばない。
靴の大事さを痛感すると共にJR東日本がいなかったら今頃靴下のままである。
本当に今回は彼らに足元を救われましたね!

※【足元をすくわれる】意味:意表を突かれるさまなどを意味する表現。

115杯目 「ぼくのお尻」

ライブハウスを生業としている松原は中々朝の通勤ラッシュに乗る事は少ない。
しかし先日とある学校の新入生ガイダンスをするために通勤ラッシュの電車に乗り、大阪に向かう事となった。
眠気と戦いながら神戸駅から電車に乗り込みギュウギュウの車内でストレスを分泌させまくっていた。
生徒のみなさんの前で喋るという事で小奇麗な服装に身を包み余計にストレスを増長させる。
そんな苦痛を感じている松原に突然!
…長い人生でも経験した事の無いとんでもない感触が襲ってきた。

一瞬何が起こったのか理解出来ない…

その感触はお尻から遠い回り道をして脳細胞に辿り着く。

「ムギュ。むにゅむにゅ」

…程よく熱い車内で寒気が走る。

ま、まさか。

…間違いない。

いま、松原は…お尻を触られている。

何度も感覚を司る器官に確認したのだから間違いない。
絶対にお尻を触られている。

ほら、今も。

まだ「むにゅむにゅ」されている。

通常は営業時間外の脳もこの感触がミントの様に効いて眠気は冷め、
大慌てで“何故自分のお尻が触られているのか”分析を始める。

これは「痴漢」だ。

痴漢ニ今、ボクハアッテイル。

絶対痴漢だ。
脳と松原は緊急会議を始める。

「まじどうしよ。」
「めっちゃ気持ち悪いな。」
「痴漢です!って叫べば?」
「いや、それ恥ずない?だって“お前、男やん!”って思われて、それから大阪駅まで車内でどうすんの?」
「んでおっさん捕まえたらええやん。」
「あほ!次の駅までそのおっさん捕まえとかなあかんの?イヤやわ!」
「はぁ?ほなどーすんねん!ええから叫べって!」
「いやや!お前が叫べよ!」
「ちょw俺、脳やで。無理やわ」

議論は平行線をたどる。

「とりあえず誰が触ってるか、見ようよ。」
「そやな。」

ようやく次の動きが決まりゆっくりこの感触を生み出す先を横目で確認してみる。

やっぱりごっつおっさんである。

「お前、髪長いし綺麗目なかっこしてるから女と間違えられんねん!」
「今はそんな事よりこれをどうするねん!」

松原と脳はまた議論を重ねる。

「ってかどう料理したらコレ、オモシロくなるやろな?」
「やっぱ男ってバラしてから捕まえるのが面白いんちゃう。」
「そやな!とりあえず今、叫んでもハズいから大阪駅着く寸前で叫んで男ってバラして捕まえようや!」
「おっさん、どんな顔するやろなw」
「楽しみやな!」
「でも…あと5分ぐらいずっとこの感触が俺の所に来るん辛いわ~」
「我慢せーって!俺もお前から伝わってきてるから同じやねんで!」

遂に答えが見つかりこの最悪の感触と戦う覚悟が出来た頃、電車は大阪駅の前にある「尼崎駅」に到着。
よしあと5分で大阪駅!
出口が見え始め、少し気持ちが楽になったその時!

例の苦痛がスっと消えた事に気付く…。

「あれ?」

瞬間的におっさんの方を振り向くとそのおっさんは何と!
「尼崎駅」で電車を降りていくではないか!!

慌てて松原は、おっさんの後ろ姿に向かって叫んでしまう!

「ちょっと!お、おっさん!ち、痴漢っ!」

満員の車内の視線は一斉に松原に集まる!
しかしおっさんはもう電車を降りてしまう!
「追いかけなければ!」
松原は慌てておっさんを追いかけようとするが満員電車で身動きが取り辛く、しかも大事な事に気が付く…
ここで降りたらガイダンスに遅刻する…。
オモシロを取るか仕事を取るか…。
究極の選択に悩んでいる間に電車の扉は閉まっていく…。
そしてこの車内にはいきなり「おっさん!痴漢!」と叫んだ34歳のロン毛が残される。
周囲はどう思っているのだろう。
「僕が痴漢に合ったんです。」と叫ぶのもおかしいし、
大阪駅までどういう感情で過ごせばいいのか。
さ、最悪やぁぁあ!お願いです!

誰かボクの尻ぬぐいしてください。

114杯目 「おばあちゃんは悪気が無い。」

悪意の無い間違い。これは世の中で一番恐ろしい事である。

太陽と虎の事務所の隣に駄菓子の卸屋さんがある。
ここは推定70歳の本当に人の良い、腰がほぼ鋭角に曲がったおばあちゃんが1人で切り盛りしており、60年以上営業しているという老舗である。

正直控えめに伝えても大至急ガンガン入歯のおばあちゃんなので何を喋っているか3割ぐらいしか解らない。
でもいつも優しい大好きなおばあちゃん。

そんな先日、太陽と虎にやってきたイベンターさんがこの卸屋を発見し、思いつきで駄菓子をイベントで売る事にした。
そして段ボール3箱にも及ぶ駄菓子を購入。総額37504円。
駄菓子でこの金額はもはや業者。
おばあちゃんは“こっちビューでは象形文字に見える数字”を裏紙に走らせ素早く計算してくれた。
そして重い段ボールを車まで運ぶ。
しかし車まで運ぶ道中、37504円という金額に疑問を抱く様になる。

「なんか、ちょっと高くないすか?」

勇気を出して発言した松原の言葉に皆は反応する。

うまい棒1箱、ガムの箱4ケース、ベビーラーメン2ケースなど体感で感じる金額よりちょっと高い気がする。
しかし再度金額を確認するのはおばあちゃんを疑っているようで気が引ける…。
悩んだ我々は再度駄菓子屋に赴き、追加でお菓子を買いながら1つ1つ金額を聞き出す作戦に出る。

「おばあちゃん、これなんぼやっけ?」
「これは2000円や」

これぐらいのセンテンスであれば何とか聞き取れ、松原はこっそりメモをしていく。
そして3000円分ぐらいの駄菓子を追加で購入し、車に戻る。
聞き出した金額を元に総額を計算するとなんと31530円では無いか!
ここから我々の感情は葛藤の方向へと走り出していた。
葛藤に長い時間滞在し、そのままある決断をする。

「やっぱ、これは言いに行かない?」

この言葉を出す勇敢さは百年戦争で活躍したジャンヌダルクに匹敵する。

おばあちゃんは悪気が無い。
それは分かっている。

でも…5000円の差額はちょっとデカ過ぎるよねぇ~…。

という事でまた車から再び段ボールを持って駄菓子屋に向かう。

「おばあちゃんゴメン。さっき聞いた金額でちょっと売値決める為にね、たまたま計算したら…その、ちょっと支払った37504円より安かったから… なんか計算間違ったかな~と思って…」

細心の注意を払いおばあちゃんに再計算をお願いする。
もちろんおばあちゃんが傷つかないように笑顔を表情に塗りたくる。

「わたしはそんなまだボケてないよ~」

おばあちゃんの自虐的ツッコミは僕の心を締め付ける。
しかし再度計算をし直すと31930円。

なんでまた新しい金額出てくるねーん。

詳しく調べるとさっき聞いた金額と違う商品が続出。
おばあちゃんも伝えミスを認めず、こっちが聞き間違いだと言い張ってくる。

確かにそうかもしれない。

でも確率で言うとおばあちゃんの言い間違いが高くない?
そんな言葉を飲み込みつつ、駄菓子屋の中は沈黙が続く。
計算ミスを認めないおばあちゃん。
お金を返してもらいたい我々。
いや、もはやお金は返してもらわなくても良いのでスッキリだけしたい我々。

「ほんまに買った商品、全部持ってきてくれた?」

遂に我々は疑われてしまう。

「いや、全部ですよ!」
おばあちゃんはもう6回目の再計算をし始める。
そしてまた生まれた沈黙のあと渋々差額の5574円をポケットから取り出しテーブルの上に置く。

気まずい空気が流れる。

お金をすぐ回収するのもやらしいので段ボールを先に片付け、そしてようやくお金を受け取ろうと
テーブルに目をやると何気なくその5千円札をポケットにしまうおばあちゃん。

テーブルに残された574円。

そして松原の目には5千円札の代わりに悪意が置かれた様に見えた。

113杯目 「車内大パニック」

いつもあざます。太陽と虎/松原です。(挨拶!)
今回も痛快コラムが幕を開けましたが、先日博多出張に出かけた時の事です。
朝、目覚めると「あれ、今日冷凍庫で寝てたっけ?」と勘違いする程の寒波日。
布団の方が松原の体温を欲するぐらいの寒さだが気合で新神戸駅へ向かう。
道路も雪まみれでタクシーも遅れ、朝8時発の新幹線にギリギリ間に合う。

が、新神戸駅は大混雑。
いつもと違う景色に違和感を感じ、電光掲示板を見上げると(90分遅れ)の文字が目に飛び込んでくる。

うわ!!!大雪の為にダイアが乱れ狂ってるのだ!
11時までに博多に辿り着かないといけない松原は寒いのに冷や汗という汗をかく。

とりあえずホームに上がるが電光掲示板の遅延時間はますます成長を辿る。
これは万事休す。
すると本来松原が乗る列車の2時間前の列車がようやくホームに到着する。
自由席であれば乗車出来るぐらいの知識がある松原は悩むより先にその2時間前の列車の自由席車両に飛び乗る!

が、同じ発想をする人間はもちろん沢山いる訳で自由席は想像を絶する満席…
ってどころか通路までギュウギュウ。
こんなギュウギュウの新幹線は見た事が無い!
松原はなんとか列車にもぐり込み、喫煙所やトイレがある通路にギリギリ立つ位置を確保する。
しかし本当にトイレさえいけない程のギュウギュウ具合でこんな状態で2時間半…。
これなら自転車で博多を目指した方が楽じゃね?的な苦痛。
隣のおっさんの息遣いが松原の頬を温め、酸素は曇り、快適なはず新幹線は劣悪な環境へと成り下がる。
絶望が松原を支配したその瞬間!

通路の奥で「キャーー!」という叫び声がこだます!

な、なにごと!?

「誰か倒れた!?」という声が聞こえる。
狭い通路に飽和した人々が声の聞こえた方を一斉に振り向くがギュウギュウの為、全然何が起こってるか把握できない…。
松原も猛烈に気になるが身動きが取れない。
この状況では音のみの情報に頼るしかない。
周囲がザワザワと騒ぐが聞こえ、松原の周囲も「誰かが倒れたらしい」「え?倒れたの?」「大丈夫なのか?」
と狭い通路の中はパニックに陥る。
続いて奥の方から「非常ボタンはありませんか!?」と鬼気迫る声が聞こえる。

そ、そんなにヤバいの?

松原の周りではその声に反応し、全員が一斉に壁を見回す。
よりパニック状態に。
松原も心拍数が上がり、緊張感が走る。
しかし非常ボタンは見当たらない。

「非常ボタンはありません!」
「非常ボタンないって!」
「車掌を呼べ!」
「おばあさんは大丈夫なの?」
「誰か医者はいませんか?」
「若い女の人が倒れたんじゃないの?」
「みんな落ち着け!」
「水はないのか!?」
「一体どうなってるんだ!」
「誰が倒れたんだ!」

それぞれが様々に叫び、通路はカオスと化す。
もう何が正しいのか?何が起きているのか?
そんなやりとりが数分繰り返され、ようやく静寂がゆっくりとその場を制する。
通路の全員が状況を把握する為に沈黙を選び、回答を待つ。
しかし一向に状況を伝える人は現れない。
最初の声が聞こえた方に行きたいが身動きが取れない。
一体何がどうなっているのか知りたくて気が狂いそうになった瞬間、

「すみません。勘違いでした。」

とどこからか女性の声が聞こえる。

そっか、勘違いなんかー!…って何を勘違いしたん?
えー、それで終わり?みんなそれでエエの?
うわぁぁぁ気になる!!頭がおかしくなる!教えてー!
何と勘違いしたん?
このままじゃこの話も松原もオチつかないよ…涙

112杯目 「ミュージシャン松原」

先日弊社所属バンドのツアーに同行した時の事である。
前日から移動したので夜になり1人でこの街の個人経営な雰囲気のいい飲み屋を探していた。
これは松原としては出張の醍醐味で過去にも普通に生きてたら一生出会う事が無かったであろう土地の居酒屋の大将と熱い抱擁まで辿り着いた事もある。

今日も新しい出会いに期待し彷徨う事数十分。

遂に外観だけではあるが松原の嗅覚を刺激する飲み屋を発見する。
この扉を開いてしまうともう逃げれない。
こういうお店は常連客だけで成り立っている事が多数で悲惨な身内のりグルーヴに溺れるケースがあるからだ。
勇気を出して中に入ると理想の温かい木目の内装にカウンターの中の上品な女将さんと大将が笑顔で「いらっしゃいませー」

もはや声まで温もりがある。

心は湧踊り、カウンター席に腰を据える。
カウンターに並んだ一品料理まで松原を歓迎してくれている。
美味しそうな料理とオススメを聞き出し注文する。
付出までバファリン以上の優しさだ。

するとカウンターから女将さんが喋りかけてくる。
「出張か何かですか?」

キターー!!ドンドン喋りかけてー!
今宵もこの街と繋がり、最高の時間になる事をほぼ確信する。

しかしあまり興奮しない様に冷静に答えなければならない。

「あ、まーそうですね。そんなところですねー」

意味深そうな言い回しで包装する。
すると「もしかしてミュージシャンの方ですか?」

あ、そうくる?

髪も長いのでそう思ったのかな?
でも違うから否定しようと思った瞬間!
奥から料理を持って来た大将が
「え!ミュージシャンの方ですか!凄いなー!」
とモノサシでは測れないメジャー級の高いテンションで喋りかけてきたでは無いか!
なんか否定するのも悪い気がしてしまい「ま、そんな所ですね(笑)」と答えてしまう。

すると夫婦で凄い盛り上がってしまい色々質問を投げかけてくる。
松原ももう後には引けない。
心が痛みながらも彼らの純粋無垢な質問に期待通りの回答を用意する。

「そうですね。曲って僕の場合は朝目覚めた時にメロディーが降りてくるんですよ。」
「ツアーばかりしているとこういう出会いが僕の感性を刺激してくれるんです。」
「いや、モテませんよ。多くのファンの前でライブしますが終わってホテルに帰るとふと孤独を感じます。」

などなどリアクションが想像以上なのでこっちもドンドンとテンションがあがってしまい歓談の花を咲かせた。
そして2時間程経過し、すっかりミュージシャンの松原はキャラも出来上がりそろそろお愛想タイミングである。
名前は“松原”って言います。でも敢えてアーティスト名は伏せさせてくださいと言い残し、再会を約束して店を後にする。
ちょっと嘘をついてしまったがいい出会いであり、また必ずこの店に帰る事を心に決め、その夜は床につく。
寝る前に気持ち良くなりすぎてこの幸せさを誰かに伝えたくなり、居酒屋の写真をfacebookにUPして瞼を閉じる。

翌朝最高の気分で目が覚め、iPhoneを見るとfacebookでメールが届いていた。
眠気眼で開封してみると

「松原さん!昨日私の両親がやってる居酒屋に来てくれましたよね?松原さんですよね?お母さんとお父さんは松原さんがライブハウスの人って知ってちょっと驚いてましたがお話も面白い人で大好きと言ってました!またお待ちしておりますね!
追伸:facebookで宣伝もしてくれてありがとうございます!」

 

うわぁぁぁ!超絶恥ずかしいやんけぇぇぇ!!!最悪や!こんだけミュージシャントークしといてどのツラさげて行けるねん!二度と行けるか、アホーーーーーーー!
メロディーが降りてくるんですって言ってもたやんけぇー!恥ずかしすぎる!くそー!

今日の目覚めは「怒りのメロディー」が舞降りてきてます。

111杯目 「無感情」

どうも!20世紀最後の置き土産・松原の大人気コラム111杯目がやってまいりました。
このコラムで使用している「杯目」という単位は当初打ち上げで起こったお酒に纏わる面白話を中心に展開する予定でしたが、大半は全然お酒と関係無い話ばっかりw。
原点に戻り今回は打ち上げの話デス。

先日太陽と虎の近くの激安居酒屋にバンドマンを引き連れて乗り込んだのですが、
飲み放題という事もあり焼酎ロックイッキ大会から“フジ○ックに肩を並べる”イッキフェスへと進化。
もう全員ベロベロで呂律は回らない所か直立不動状態。
松原も悪原へと駒を進め“イケイケ状態”に。
ふと気がつくと隣の席に移動したあるバンドマンがスタンディングゲロゲーロを実行。
全員で一斉に「やめろー!」と叫んだが時すでに遅し。
その声に反応した店長(らしき奴)が飛んで来て、“喉がカラカラで急いでストローで飲んだオレンジジュースのグラスの如く”顔の赤みが引いていく。
「ちょっと!これは困ります!全員で掃除してください!」
言い方にトゲがあり、完全に自業自得の我々はムっとしてしまう。

『そんな言い方せんでもいいっすやん!』

血の気の多いバンドマンが噛み付く。
「周りのお客様にもご迷惑がかかりますので!」
言い返す店長も強気である。

急いで周りの席を見渡すとヨボヨボのおっさんが一人で酒を飲んでるだけでは無いか。
松原もこの戦いに参戦すべくそのおじさんに喋りかける。

『ここにゲロがあっても別に迷惑じゃないですよねー?』

しかしおじさんは感情を家に忘れて来たかの様な無表情で松原を見て頷く。
曇りなき怪しさだが、肯定してくれたので店長に『ほら!ね?』と応戦。
すると店長は「ちょっと!関係無いお客様に話かけられては困ります。」say。
『関係無くないよ!知り合いだもんねー?』とおじさんに喋りかけるとまた感情無く頷く…。

こいつなんかヤバい。

そう五感が松原に耳打つが余計興味が湧き、店長を追い払い、隣に座って少し話を聞いてみる事にする。
しかし全然リアクションが無いので瞬間で飽きてしまい皆の席に戻り、また盛大な打ち上げに勤しむ。
そんなおじさんの事を忘れるぐらい盛り上がり飲み放題の2時間も終わり、そろそろ帰ろうとレジに向かう瞬間!入口から警察官がゾロゾロと突入してきた。

うわー!!酒臭い驚きと恐怖が溢れると同時に警察官がさっきのおっさんの所に集まり囲みだした!な、なにごと!?
我々はイッキに酔いも覚め、さっきまでの“盛況”は“静寂”に場所を譲っていた。
そして警察官は怒号を飛ばす!

「おっさん!またあんたか!何度目や!無銭飲食!」

えーーー!じ、自分、金持ってない人やったん!?まじかよー!
「店長さん、この方は何時に来て、何を食べましたか?最初から詳しく聞かせてください。」
どうやら店長の通報で警察は駆けつけたようでおっさんの入店から今までの経緯の説明を求めている。
店長は怒りをあらわに説明し、その中で松原を指差し「彼は知り合いのようです。」

いやいや~ちゃうやーん!知ってるやん。
ごめんってーーー!仕返しせんといてってー!

必死で謝り、バンドマンのみんなにも弁護に入ってもらい何とか知り合いという誤解を解き、開放され居酒屋の外へ。
危なく知らんおっさんを奢らされる所だった。
外ではパトカー数台と留守番の警察官数名。
完全に袋の鼠のあのおっさん。
五感が告げた怪しさは的中だったのだ。

そしてあの無表情には感情どころか勘定さえ無かったのだ…。

110杯目 「最高の賞状」

毎年命懸けで行っているCOMIN’KOBE(カミングコウベ)というイベントが平成25年度神戸市文化奨励賞という賞を受賞しましたのです。

なにそれ、おいしいの?
うううん。
これは食べれないのよ。
これは凄い賞なんだよ。

ある日、突然神戸市の方からの電話でこの受賞を聞く。
「なにそれ?おいしいの?」
そう口から溢れるのを我慢し、とりあえず過剰な喜びを伝え、急いで検索する。
すると“文化活動において新進気鋭で特に将来において期待される個人及び団体を奨励するため贈呈される賞”という事。
結局ピンとこないがなんかすごそうである。

しかもその授賞式があるという事を知る。
日々面白を考えている松原としては

「行かないで辞退する」と「行ってボケる」

の狭間を右往左往し、
最終的に「行ってボケる」のレールを走ってみる事にする。

バンドマンからも「何かやらかしてくれるんでしょ?」と期待され、
ロック代表として何か傷跡を残さないといけない謎の使命感が湧き出てくる。

そしてその授賞式の日を迎える。

指定された場所に行くと神戸にこんな所あったの?
と驚く立派な建物で窓は一面ガラス張りな上に日本庭園が視界を覆い尽くす絶景。
案内された席に座ると前方は金張り舞台で後ろは沢山の報道記者とカメラ。
そして周りの席には袴姿や着物姿のいかにもすごそうな受賞者たち。
一方松原はノーネクタイでロン毛。
松原を見る全ての人の「誰これ?」が毛穴から粒子となり会場の空気に溶け込む。
注目されてなんかおいしいw。
もっと目立ちたい松原は“ネクタイ”もフザけた“うんこ柄ネクタイ”を持参。
タイミングを見計らって装着するつもりだ!
他にも色々ボケグッズはカバンに仕込んでいる。

そしていよいよ開始のアナウンスが流れる。
初っ端はなんか凄い肩書きのマリンバ奏者が登場。
15分ほどお祝いの演奏を見させられる。
ボケを考えながら退屈とにらめっこをしていると当然!

「ハックション!」

静寂に広がるマリンバの音をかき消すクシャミがこだましたのだ!

一斉に会場のみんなが松原の斜め向かいのおじさんを玉視。
悪びれる事の無いその袴のおじさんは鼻をすすりながらマリンバの演奏を聴いている。
脳内は焦りでいっぱいのはずだ。
注目をおじさんに集められてしまい何か目立つ事をしたい松原は悔しい思いでいっぱいになる。
もっと目立つ事は…
「そうだ!マリンバの演奏が終わったら勢いよくスタンディングオベーションだ!」
名案に心躍らせマリンバが終わるタイミングを待つ。

そして時が来た。

ようやく演奏が終わり、松原が席を立とうと思った瞬間…

「ハックション!」

またもやおじさんに邪魔されてしまう。
もうわざととしか思えない。
不機嫌な顔のマリンバ奏者よりイラつく松原を尻目に場面は一人づつ前に呼び出されて賞状をもらうコーナーに突入。
松原は仕込んでいた“うんこネクタイ”をポケットにしまう。
前に出た瞬間に用意した言葉をつぶやき装着し、ボケを連発する段取りだ。
しかしその間も定期的にくしゃみおじさんは「ハックション!」を放流する。
もう邪魔されたくないと意気込む松原を遂に司会者が呼び出す。
前にゆっくりと歩を進める。くしゃみは来ない。
よし!今だ!

「すみません!さすがにネクタイ無いとダメですよね?持って来たのでつけますね!」
と取り出そうとした瞬間!
司会者が松原の手を抑えて
「いや、このままの方が新進気鋭なプロデューサーっぽくて良いですよ!」say。

イヤーー!!ボケ潰さんといいてー!
慌てて言い返そうとした瞬間、「ハックション!」
おじさんの援護射撃が松原を襲う。
その後もクシャミに邪魔され他のボケグッズも使えず、
どうする事も出来無いまま普通に受賞してしまう。

チキショーー!全然おいしくない…。
おい!じじい!ここにあるのは最高の賞状やけど、
お前だけは最悪の症状じゃ!

109杯目 「松原 裕の30分間」

駅の売店にて。
売店員が「お茶はこの“おーい!お茶”でいいですか?」
っておばあちゃんに聞いたら
「え。いや、ワタシは少ない方でいいです!」
って慌てて答えてたよ!

絶好調松原のコラムが痛快に始まりましたが今回は先日、
超リスペクトしているBBQ CHICKENS(※1)というバンドのライブに松原をブッキングされた悪夢を振り返りたいと思います。

とある日に一本の電話が鳴る。

「10/24って何してる?」

意味が分からず空いてると伝えると
「梅田クアトロでライブするからその日に30分あげるからピンで出演してー。しかも2マン(※2)で!」
喉仏が裏返るぐらい「え?」と叫ぶ。
これは完全に悪意のある嫌がらせである。
だってご存知、松原は「曲」を持っていない。
先方ももちろんそれを認識している。

ここで生まれる疑問。

そう。

“30分何するねん”である。

もちろん当事者である松原はみなさんより前ノメリで思う訳で…それを尋ねると
「何してもいいよ。」との事。
でもそれは選択肢があるようで無い、まるで塀の中の自由。
“喋る”以外無いのだ!

しかし松原は今まで様々な修羅場をくぐって来た。
自信しか無い!ビビってると思われたら終わりだ。
「やってやろうやないか!」と余裕でOKを出す。
が、一向に何をしたらいいか解らず現実逃避を続ける3週間。
しかしこちらの都合など無視して時間は勝手に進む。

遂に開催1週間前と迫った時、松原の精神は追い込まれる。
不安で1時間置きに目覚め寝れず、しゃべるネタも思いつかない。
先方は悪ふざけ大好きなイダズラっ子。
スマートな笑いは求めてないはず。
でも楽屋ウケだけを狙う奇抜なボケだと観客は置いてけぼり。
松原は一体誰に向かって笑いと取りにいけばいいのか解らない“不のループ”に陥る。
正解の見えない持ち時間30分を探し、樹海に迷い込む日々。
精神は崩壊し、電車に乗ると全員がこっちを見ている錯覚に陥る。
尊敬し、憧れて、バンドを始めるきっかけのロックレジェンドの前で松原は何かを喋る。
しかしこれ…スベってしまったらせっかくゆっくり登っている音楽業界の坂から一気にスベり落ちるという事になる。

なんというリスク。

あの時、OKした自分をボコボコにしたい。
しかも700人収容の会場は即完売の後で、松原の出演が発表される。
チケット購入者からは「誰だよ!こいつ!」状態である。
そして体重も落ち、迎えた恐怖の当日。
欝状態だが元気よく楽屋に入って挨拶する。

が、そっちが呼んだくせに何故かウエルカムな空気が無い。

そして夜のホステス嬢の香水ばりに悪意が臭う「今日は期待してるで!」の言葉が松原をまた追い込む。もうこの世には敵しかいない。
楽屋もシャワー室の前の1畳の脱衣所を与えられる。
そして本番を迎え、人生で初めて足が震えてまっすぐ歩けない緊張状態。
つかみのオープニング映像(その為に2万円のプロジェクターをレンタルw)は何とか盛り上がり、勇気を振り絞り登場!
30分間しゃべりまくる!
ピンネタを披露し、最後は客席に赤白帽を投げ込んで騎馬戦!
なんか思てたんとちゃう感じになりながらも、結果オーライでなんとか盛り上がって終了。
これでようやく開放され安堵を噛み締めたが、彼らは人の仮面を被った悪魔。
BBQ CHICKENSのライブを見ているといきなり笑ってはいけないの「ジャジャーン、松原アウト」が流れてステージに上げられタイキック数回。
松原帰れコールなど様々な嫌がらせが続行され衰弱。
イベント後も激しく打ち上げ。ようやく泣きながら朝方、帰宅。
ここまで来たら誰も嫌がらせはしてこない!
遂に掴んだ安心感。
布団に入り、一応今日のお礼をつぶやこうと思いtwitterを見たら
BBQ関係者が松原のスベったピンネタ台本をこっそり撮影していてその台本を投稿&拡散の辱め攻撃。気の小さい松原はその投稿に対する反応を5分置きにチェックせざる得ない精神状態に陥る。
もう地球上で松原の休息は存在しない…

(※1)憧れのHI-STANDARD横山健さん率いるバンド

108杯目 「音楽業界で働きたい人へ」

早いもので2013年の本年で太陽と虎が出来て3周年が経ち、松原祭40連発ぐらいも大成功で幕を閉じました!
沢山の思い出が太陽と虎に詰まっていっている訳で、これからもどんどんこの箱に出会いや感動や笑いを染み込ませていきたいと思っている今日この頃。
そんな今日このごろよく頂く問い合わせが「太陽と虎で働きたいのですがアルバイト募集してませんか?」です。

弊社レーベルの方にも沢山履歴書が届きますがそんな音楽業界に就職したいと思っているみなさんに再度現実を知って頂く為に
今回は音楽業界最末端で勤務16年目の松原が筆を走らさせて頂きます。

まず志望動機は「音楽が好きだから」「かっこいいから」とかあると思うのですが
決してそんな夢だけの業界ではありませんw

過酷な事が待ってます。

ふと弱音やグチをこぼすと世間からは
「好きな仕事だからしょうがないね」
「遊びみたいな仕事じゃん」
で解決されるのです。

なのでいまから松原がこの業界の過酷さを書き綴るのでそれでもやっぱり働きたいと思った人は是非音楽業界の扉をノックして頂ければと思います。
題して!【ここが辛いよ!音楽業界】

まず最初に出会う壁。

■休みがない。(多少職種によると思いますが、土日なんて基本休める事なんて無いし、下っ端時代は休み希望なんて打首獄門の刑です)
■勤務時間が長い(ひどいときは9時会場入りで24時退館。んで打ち上げ行って帰れるのは4時なんてことも…松原の場合はレーベルとライブハウスなんで10時出社で最後は打ち上げなので家に帰ると久々の実家に帰省した懐かしさが襲ってきます。)
■打ち上げは最後まで。(下っ端時代は先輩より先に帰るなんて言語道断。「コレがアレなんで先にドロンします」なんて言い訳で帰れるには10年ぐらいかかりますw ドラクエ序盤で覚えれるリレミトとは訳が違うのです!)
■とりあえず太る。(これは音楽業界の80%は経験しているはず。イベンターさんなんて突然アーティストが「今から飲みにいきたい」と言われた瞬間にその人の好みとその場の人数から素早く店を選び出さないといけないので仕事の為に外食が増える人も。何より不規則で夜中に食べる御飯が今日何食目かも解らない状態になる。)
■友達が減る。(これは切実。夜はライブなのでサラリーマンの友達と飲みにいくなんて皆無。もちろん土日は仕事なので遊べない。すると段々友達から遊びに誘われなくなってきて気づくと孤独に独り飲み。もう独りで映画に行くのに抵抗がなくなった瞬間、映画の内容関係無く涙が目蓋を乗り越える。)
■彼女彼氏が出来にくい。(こちらも前述の理由に則り、出会いも少ないし音楽業界は狭いので中途半端なノリで恋愛なんて出来ないのだ!)
■音楽が恋人錯覚病にかかる。(恋人が出来ないまま25~27歳ぐらいになると自分に対する言い訳で「音楽があるからもう結婚しなくてもいいや!」みたいな変な病気にかかる。これが長引いたら致命傷。38歳ぐらいで治ってしまったら地獄。
■家に帰れない。(バンドのマネージャーあるあるで長いツアーになってくると全く家に帰れないので家賃の無駄さに腹たってくる。そんなに売れてない頃はまるで機材車に住み込みで働いている錯覚に陥る。)
などなど氷山の一角でありココに書ききれない大変な事だらけ!それでもアナタは音楽業界で働きますか?