コラム「人生打ち上げかけつけ」

松原裕 コラム

2005年より13年間1ヶ月も休まずに連載を続けている太陽と虎代表 松原裕のマンスリーコラム。

人生とは打ち上げのように激しく乱れて華やかに散る。
ならばかけつけイッキで酔ったもの勝ち。

そんな日々起こる不可思議で愉快な体験を綴る太陽と虎マンスリーコラムスケジュール誌に連載中のかけつけコラムWEB版。

笑いをアテに何杯でもイッキしてください。

※本コラムは本人が「がん」を理由に2016年10月を持って休載しておりますが、「絶対休む機会を探していて「がん」になって「よっしゃ!これや!」と思ったに違いない。」「連載が始まって13年間140話以上書き続けてネタ切れになったんじゃないですかね?」関係者談。
「そ、そんなわけないやん!ネタが溢れて溺れそうやわ!ただ体調が…。」本人談。

という事で2016年10月より、体調が良い時にWEB版のみ更新する不定期連載になりましたので、テレビの裏面を掃除するぐらいの頻度でこのページも覗いてくださいね。

89杯目「神の伝説」

学生のころマックでアルバイトしてたときの事。
松原はドライブスルー担当で、その日は日曜。

次から次へとやってくる客の対応に追われ、目の回る忙しさだった。
あまりの忙しさにあせってしまって、

「いらっしゃいませコンニチハ。マイクに向かってご注文をどうぞ!」

って言うとこを、

「いらっしゃいませコンニチハ。マイクに向かってコンニチハ!!」say。

全身から汗がふきでた。
モニターの向こうのドライバーも、

「こ、こんにちは…」
とか言ってるし…

それ以来、客でドライブスルーに行ってもトラウマが蘇り、上手く注文をする事が出来ない。
誰しもが抱えるアルバイト時代の悪しき思い出はユーカリを登るコアラの様に強くしがみついてくる。

もう1つ松原を苦しめる思い出。

それはダイエー○○店で行っていたアルバイトの時。
2年ぐらい働き、マネージャーにも気に入られていてアルバイトなのに発注まで任されるクラスに昇格。
発注と言ってもストックのない商品をチェックして発注するレベルだったが、
それでもやはりやりがいを感じ、高校2年の冬休みは全てダイエーのアルバイトに費やした程だ。

そんな矢先に重大なミスを起こす。

明日から特売予定のネピアトイレットペーパーの在庫が少なくなっていた。

もちろんいち早くそれに気づいた松原は普段は20個ぐらいの発注なのだが
特売という事もあって100個発注する事にした。

しかし!

前日夜更かしをしてしまい睡魔と綱引き状態だった松原はうっかりなんと!
間違って1000個発注してしまう。

翌日、ストックに届く、見た事の無い数のトイレットペーパー。
背筋が凍る。マネージャーも驚愕。
しかし今日はたまたまフロア主任が休みの日。
マネージャーが落ち込む松原を励ます。

「くよくよしてもしょうがないじゃないか!頑張って1000個売ろうよ!」

驚愕のボジティブシンキングであり、考えた事も無かった1000個のトイレットペーパー。
常識的に考えて、今日たまたまわが町の住民全てが快便だとは考え難い。
しかし売るしかないので必死に朝の開店から閉店までフルに働き(確かMAXで働く時間が定められていて、その時間からは時給の発生しない労働)奇跡の800個近いトイレットペーパーを販売した。
もちろんあの手、この手を使って販売した。最後は泣き落としもしまくった。
配送代は松原負担で交渉してケースで買ってくれた心優しいおばさんまで登場した。
この販売個数はダイエー史上記録した事の無い数字の様でマネージャーも大喜びしていた。
そして翌日フロア主任が出勤して来て、この数字を目にする。

驚きのあまりマネージャーに問い合わせる。

するとマネージャーは松原の為だと思い、
「この発注は松原が行ったんですが、彼は鋭い販売の嗅覚があるようです。まさか800個も販売するとは…」
と言い放ったのだ。

もちろん松原の株は上がり、次に売れる商品は何か?と聞かれるようになった。

「違うんです!間違えて発注したんです!」とは言えず、
主任に次の特売商品を選ぶ相談を受ける様になる。

それが何故かある程度当たってしまう。
というか最初の1000個の発注がミスだとバレるのが怖くて自分で決めた数の特売商品を必死に売り続けただけである。
しかしこの記録的な販売は嘘の上塗りの様に続き、遂に最初にトイレットペーパーを当てた事から松原は
ペーパーレジェンド(神の伝説)いうあだ名まで付くぐらいチヤホヤされる存在となる。

そしてその付けられたアダ名が文字通りアダとなる日がやってくる。
明日は遂に恐れていた例のネピアトイレットペーパーが特売商品。
発注数を聞かれ「300ぐらいですね!」と答えると主任が
「前回800売ったのに気が小さい事、言うなよ」とけしかけられる。

気の大きくなっていた神の子・松原は
「そうっすね!900はいけますね!」
と答えてしまう。

でもその時は売れる気がしたのだ。

しかし案の定、今日の我が町の住民は全員見事に便秘だった様で大量に売れ残り、
主任から大目玉を喰らう。

ストックに大量に積まれたいつぞやの光景。

トイレットペーパーなのに水に流してもらえなかったトラウマは今も便所に入る度、
フラッシュバックして松原を苦しめる…。

88杯目「振込詐欺」

な、なんと子供に大人気ドラゴンボール悟空とジョジョの奇妙な冒険のジョジョが詐欺を行った!

新聞の見出しはもちろん「オラオラ詐欺」

はい!ちょっとクスっとしたね。
悲惨な掴みネタから始まった大人気松原コラムですが、これに訳があるの。
みなさんはもう経験済でしょうか?

遂に我が家にも「振り込め詐欺」がかかってきました~。
松原もようやく一人前だと認めてもらったようで本当に嬉しい限り。

しかもこのコラムの締切前日にかかってきたこの電話。
普段、なんの信仰も無いのに「神様ありがとう!」状態デス。

そんなとある昼下がり。

息子君が風邪で学校を休んでいて、リビングでお昼ご飯を食べている時でした。
家の電話が鳴り、息子が電話に出た。

すると「パパがいる… うん。お母さんはいない。なんて?…いまはパパだけ。…いや、そう。」
などと細切れに答えている。

さすがに疑問に思い、そばに寄ると不安げな顔のまま無言で受話器を渡す息子。
少し緊張しながら「お電話変わりました」と告げるなり、
受話器から言葉がこぼれ落ちる声量でとんでもなく訛った女性がまくし立ててくる。

「あんた、○○さん(女性のフルネーム)の借りてた家の事で話し聞いとる?」
(実際は訛っていたのでこんな言葉では無いが松原が多分こう言ってるだろうと通訳した言葉でお送りします。)

「え?なんのことですか?」

いきなりの訛り言葉と意味不明な内容にドキドキしながら反射的に問い返す。

「いや、だから、あんた○○さんの親戚だろ?奥さんから聞いてないか?」
「いや、ボクは結婚していませんが…」
「あー、なんだ。これはあんたのお母さんなんか?家にいるか?」
「いや、今はいませんけど。。で、母が何か?」
「なら、あんたでええわ!お母さんには話とったんだが,今日までに振り込んでもらうお金がまだ入ってないだ。」

少しだけだが訛りに慣れ、話の輪郭が浮かび上がってくる。

そして半信半疑だが“振込み”というキーワードに少し興奮する。

こ、これは!
どうやら夢にまで見た振り込め詐欺では無いのか?

胸の高鳴りを押さえつつ、問いかける。

「どういう事ですか?」

きっとここまでの松原は振り込め詐欺師(仮定)の絵図通りの模範回答に違いない。

「私、あんたの親戚の○○さんの大屋なんや。で、先月死体で発見されて家賃が数ヶ月滞納しとるんや。
んで滞納分とその死体処理とかのお金の振込が無くて、数日前から市の人間があんたのお母さんに電話しとったんや。」

“死”と“市”が話の信憑性に一役を買う。

“ホンマやったらヤバいな”vs“んな訳あるかい!”の脳内バトル。

確実に“んな訳あるかい!”がリードしているが勝者が決まるにはまだ時間がかかりそうである。

とりあえず質問を続ける。

「そ、そうなんですか?でも何も聞いてなくて…で、今日払わないとどうなるんですか?」

この質問はどうやら振り込め詐欺(仮定)が待ち望んでいた右ストレートパンチだったようで、
喰い気味にカウンターパンチが出る。

「どーなるんちゃうわ!アホ!」
アニメであれば確実に立体文字で表現される程の怒鳴り声でキレてくる。

「今日、金が入ってなかったら告発する事になっとんや!市からも連絡行ってるやろが!裁判所から差し押さ行くぞ!」

実際の電話のテンションは凄まじく、信じてしまう気持ちも良くわかる。

というか現に“んな訳あるかい!”の足元がグラつき、ここで思わず
「すみません!すぐ振り込みます!おいくらですか?」と答えてしまう。

「100万円や!今すぐ振り込んでこい!」

100万円キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

この小学生がよく使うスゴイ金額代表の“100万円”に我に返り、
ここからおちょくる事に軌道修正する。

「解りました。すぐに振り込みます。ちなみにお宅さんはどこの出身なんですか?」
「宮崎や!」

最初から用意していた設定なのか素直に答えてくれたのですぐさまボケる。

「あー、東北の?」
「あ?それは宮城やろ!」

振り込め詐欺(仮定)からツッコミキターーー!!
大興奮。

訛ってるから余計面白い!

続いては「100万円は利子とかついてないんですか?」
「今日振り込まんと利子も発生するんや!」
「という事は今日払えば宮崎だけに“そのまんま”100万円ですね?」

強引だが“そのまんま東”のイントネーションで笑いを誘うが…

「ゴタゴタ言うとらんと,はよ振り込め!」

振り込め詐欺(仮定)にスベったーーー!!

そんなやりとりを繰り返し、猛烈にキレる振り込め詐欺(仮定)。

「じゃー、母から電話させますね。」
「オマエ,えー加減せんと家に乗り込むぞ!」
「ホンマですか?是非!お待ちしております。お寿司かピザどっちがいいですか?」

悪ふざけが過ぎたのかここで電話が突然切れる。
少しドキドキしつつも、凄い体験に興奮。

それから待てど暮らせど電話はもちろん、家には誰も来ません。
お寿司とピザどっちがいいんですか?
このコラムを読まれたら連絡ください。
ビデオカメラを用意して待ってます…。
早く来てください。コラムのオチが無くって困ってます。
100万円振り込むのでオチを買わせてください…。
(新聞の見出しはオチオチ詐欺)

87杯目「パウダーの夜」

こないだニュース見てたらバファリン製造工場が爆発したんだってね。
優しさも半径数㎞に渡り飛び散ったら怖いね。ハハハ。
痛快つかみネタから始まりました大人気コラム!
半分は優しさで出来ている松原ですが先日出張に出かけた時の事です。
ホテルを探しキャリーバックを転がしながら東京の夜を歩いていると呼び込みのお兄ちゃんが突然、声をかけてきた。
警戒心全開で振り向くと「どこから旅行ですか?」兄ちゃんsay。
「いや、神戸から出張で…」答え終わる前に
「ええ!神戸なんですか!ボクも神戸に住んでたんですよ!うわー!うれしいな~!」
興奮した兄ちゃんが松原に飛びついてきた。

神戸という言葉に嬉しくなる。

「どこに住んでたんですか?」
「えっと、なんだっけ?海から近いところ…えっと…」
「神戸駅?」
「そう!!神戸駅の周辺に住んでたんですよ!」
「へー!ぼくも近いですよ」

ますます親近感が湧く。

「神戸はきれいで好きなんです~」
神戸好きに悪い奴はいない!
「そうですよね~!でもなんで東京に?」
「いや、仕事を探して東京に来てマッサージの呼び込みをしてるんですが今日、全くお客さんが来てくれなくてクビになりそうなんです。。」

それは可愛そうである。

「どんなマッサージ?」

「これが新しいマッサージでうんだらこうたら…」
「へー。いくら?」
「3000円です!」
「意外と安いね。じゃ~行こうかな。。」
「まじですか!ありがとうございます!ホント神戸の人は優しくて大好きです!」

人助けだと思い流れでマッサージへ。
案内されたビルのエレベーターの中で3000円を兄ちゃんに渡し、至極の表情で感謝される。
そして4Fで降りると無茶苦茶怪しい暗い部屋が目の前に広がる。
そこはカーテンで仕切られたベットが4つぐらい並ぶ空間。

「え?ここ?」

不安に駆られて兄ちゃんに聞くとどうぞ中へとベットに案内され
「ごゆっくり」と言葉を落として戻って行った。

すぐさまオバサンがやってきた。

「じゃーこのパンツに着替えて服は全部脱いでこの籠に入れてください。」say。

えええ!なんで訳わからん青いブリーフを履かなあかんの!?まじで?

「な、なんでですか、コレ?」

抗議に似たテンションで訴えようと顔をあげるともうカーテンは閉まっていてオバサンの姿は見えない。

「まじでか…」

憂鬱になりながら裸に青いブリーフを履いてオバサンを待つ事に。。
ものの数分でオバハンがやってきて松原を寝転ぶように指示する。
横たわり恐怖で震えそうな体を意識的に固定し、緊張のままうつ伏せになるとオバサンが桶に入った白い粉を松原の全身に塗りだしてきた。。

「ちょ!!な、なにしてるんですか!?」

熱湯をかけられたお笑い芸人バリに飛び起きてババアに問う!

「え?パウダーですよ。」

なんや、パウダーか~

…ってなるかーアホ!
だから何のパウダーやねん!
この謎な空間への恐怖がこのパウダーで爆発してしまい一刻も早く脱出したくなる。

するとババアは「6000円のパウダーになります。」say。

ちょっと待てゴラァ!さっき兄ちゃんに3000円払ったわ!

「え?どの兄ちゃん?」
「呼び込みの兄ちゃんや!」
「あー。あの人はうちの店と関係ないよ」

キャーーー||||||||||||||(* ̄ロ ̄)||||||||||||||||

ま、まさか!だ、騙された!?

「とにかく6000円払ってくれないと服返さないよ」

うわああああ!まじで最悪の状況である。
信じた兄ちゃんに裏切られ、訳わからんババアに粉まみれにされた上に青いブリーフの男が今、お金をボラれている。
人間の想像力は無限大と誰かが言っていたが、この状況を想像出来る人間が一体世界に何人いるだろうか?

「とにかく服を返せ!」

ブチギレた松原が怒鳴りつけると、ババアが壁についているボタンを押そうとした。
ちょ!!イヤイヤイヤイヤ!!!
は、払う!払う!でも何?そのボタン。こわ。。
泣きながら6000円で自分の服を取り返し、慌ててこの空間から脱出する。

エレベーターから降りたった瞬間、さっきの兄ちゃんが100mぐらい離れた所からこっちに気づき走って逃げ出す。

「グラァァァァ!!」

叫びながら兄ちゃんを追いかける。
逃げる兄ちゃん。
追いかける松原。
走る兄ちゃん。
パウダーでカサカサする松原。
見えなくなる兄ちゃん。
服の間から白い粉を撒きながら失速する松原。
もう何も考える気力を失い、ホテルに泊まるお金も無くなり、
大衆サウナに泊まる事にする。
どうにか気分を変えたくて風呂に入ろうとすると脱衣所で4,5人組の若い男達が松原を見て笑い出す!

「ゴアー!何見とんねん!」

もう頭に来て怒鳴りつける。
すぐに我に返り周囲を見渡すと上半身が真っ白な男が鏡に映っていた。
9000円の白い粉を泣きながらシャワーで流すと“優しさ”も一緒に流れ落ちた。
モウダレモシンジナイ…。

86杯目「隣人」

月末のクソ忙しい時に限ってATMを20分くらい使ってるババァってなんなの?
俺が知らないだけでYouTubeとかみれんの?

ほんとに迷惑なババアが世の中に溢れている訳ですが、
数年前に松原が今の家に引っ越ししたすぐの事。

仕事が急遽キャンセルになり、お昼過ぎに家に帰る事となった。
その日は日曜日なので家では子供が留守番をしている。
急遽訪れたお休みで驚かせようと思い、連絡せずに玄関のドアを開けてリビングに入ると…

全く見た事の無い婆さんがご飯を食べているでは無いか!

驚きの余り声を出して驚く!

「うわっ!な、なにしてはるんすか?」

不審を服にして来ている様な婆さんは振り返り「どうも。」と優しく微笑んでくる。

ちょwwどーゆーこと??
するとソファーに座っている松原ベイベーが「あ、パパ!おかえり!!仕事は??」と微笑んでくる。

この2種類の微笑みは漢字は一緒でも全く種類の異なる笑みであり、困惑を隠せない松原は見失った答えを宙に探す。

「い、いや。急にお休みになってん。」
「やったー!じゃー遊ぼー!」
「う、うん。…で。その前にこの人…だれ?」
「友達!」

あー、なんや!友達なんか!ビックリした~… 

…って待て待てぇ!と、友達!?ウソつけ~!!

「友達ってそんな訳ないやろ!どーゆーことやねん!」

ようやく声に変わった怒りで子供に詰め寄る。

「さっき友達になってんな~?」
「そうなのよね。友達だもんね~」

肩が壊れるのを覚悟で全力で放ったボールをトスバッティングで軽々と打ち返した来た様にババアと子供がサラっと言い放つ。

いやいや、ちょっと待ってくれよ。
友達って年齢関係無いとか言うけど、こんな年齢差ある?
っていうかその前になんで勝手にメシ食ってるん?
俺んちやで!

「あなた、友達ってオカしくないですか?まだ7歳ですよ。この子。んでなに食べてるんですか?」

もう血が上った松原は戦闘態勢完了。
怒涛の質問の応酬!
するとババアは
「はぁ、翔ちゃんとはさっきお友達になったの。」

「え?今日初めて会ったんですか?」

「そうよ。」

「友達っておかしいでしょ!」

「こんな老いぼれと仲良くなってくれてほんとにいい子なの。」

「はぁ…でもなんで勝手に家に入ってるんですか?」

「ご飯をご馳走してくれるっていうから…」

「だから何食べてるんですか?」

「焼き魚よ。」

「ちゃうちゃう!その魚どーしたんやって聞いとんねん!

」「焼かせてもらいましたよ。」

「だから!!あああああああ!勝手に食べてるんおかしいでしょ?うちの冷蔵庫から出したんでしょ?」

「いや、翔ちゃんが食べていいよっていうから。」

「もー、いいです。とにかく出て行ってください。」

「そんなこと言わないで…わたしは身内のおらんくて一人暮らしで…そんなわたしに優しくしてくれる翔ちゃんともっとお話しをしたいだけなの」

じゃーせめてメシ食ってから来いよぉ!とは言えず段々可哀そうに見えてくるから不思議である。
ちょっとキツくいい過ぎたかな?と反省してしまうぐらい自分の心に変化が生まれる。

でも…やっぱりアヤシイ!!

「ま~、わかりましたからそれ食べて出て行って頂けますか?この後、子供と出かけますので。」
無言で俯く婆さん。

「やった!どっかいく?」
子供の最大の武器である“空気、読まない”を使いながら問いかけてくる我が息子。

「そうだよ。だから出かける準備して。」
「うん。おばあちゃんがご飯終わるの待ってから?」
「そ、そうだね。」
「じゃ~おばあちゃん早く食べて!終わってからパパと一緒にどっか行こ~」

って待て待て待てー!!

無邪気な笑顔の息子に突っ込むよりも早く、
「うれしいな~どこいこうか?」ババアsay 

ゴラァァ!!!!いかん!いかんでー!3人でどっか行かんでー!絶対行かんでー!
ホンマ何考えとんねん。

「と、とにかく一緒にはいきませんから帰ってください!」

「はぁ…わかったから翔ちゃんには怒らないでやってね。やさしい子やから。」

ってなんで訳わからんババアに自分の息子をプレゼンされなあかんねん!知っとるわボケ!
そしてようやく追い出す事に成功し、
「知らない人を絶対に家に入れたらアカンで!誘拐されるかもしれへんねんで!」
とキツく息子に注意をし二度と無い様に散々怖がらせる。
しかし本当に恐ろしい事である。

そして翌日、「誘拐される!!入ってくるな!」と、玄関から近所に丸聞こえの大声で宅急便のおじさんを追い返す息子の叫び声で目覚める。
近所から白い眼で見られつつリビングに戻ると息子曰く“昨日から知ってる”ババアが今日はお茶を飲んでいた。
そのまた数日後、今度は別の子供とババアが歩いている姿を目撃…。
一刻も早く引っ越すべきだろうか…

85杯目「幻のボツネタ」

【こんなスターウォーズは嫌だ!!ベスト3】
3位 敵のレーザーがビシビシ命中
2位 最後にNG集
1位 監督・脚本:三谷幸喜

は~い!今回も始まりました松原コラム。
知る人は知ってると思いますが先日松原 裕ワンマンライブを行った訳で一人でピンネタを3つ書き上げた訳です。
もうピン芸人を尊敬しまくれる機会を貰った訳で当日リハーサルで3つのピンネタをスタッフの前でやった所、
「絶対これ伝わらないしシュールすぎるから辞めた方がいいよ!」って言われたネタがあります。

実際本番でもやらなかったのですが勿体無いので今日はそのお蔵入りのネタを短縮編で披露させて頂きます。

飽きたら途中で破いてね。
それではどうぞ~!

松原「よし!今日は人生カスタマーセンターの初出勤日だ!色々な人生の問合せに頑張って答えていくぞ!」
トルゥルゥルゥ~!おっ!早速電話がなったぞ!
ガチャ。

「はい、オハヨウからオヤスミまで貴方の人生を見つめる人生カスタマーセンターです。どういったお問合せでしょうか?」

電話の相手(録音して声を再生)「じ…実は長年、会社5.0を愛用していたのですが突然画面に「解雇」が表示され、人生画面がブラックになり強制終了してしまいました。
家族2.5へこのプログラムを読み込ませるのが怖くて…今、ビルから飛び降りて人生をクラッシュさせようと思っているのですが…」

「お、お客様!早まらないでください。まずは一度暖かいお風呂41.0に入り、頭の電源を落として一度冷めさせてからもう一度電源を入れてみてください。きっと新しいプログラムが起動するはずです!」

「…そうですか。一度試してみます。ありがとう。」
ガチャ。

ふぅ~。いきなり重い問い合わせだったな。
おっ!早速2件目の電話だ!出てみよう。ガチャ。

「すみません。人生ソフトのことで尋ねたいんだけど…」
「はい!どうされましたか?」
「実は昨年、ガールフレンド7.0からワイフ1.0にアップグレードしたところ、思いがけない症状が起こり、困ってるんです。」
「どういった症状でしょうか?」
「ワイフ1.0にアップグレードして間もなく、チャイルドという名前のプログラムがいくつもでき、容量をすごくとるので、
お金をつぎこんで環境を変えざるを得なくなりました。さらにワイフ1.0は、他のプログラムに勝手に自分をインストールし、全プログラムの監視をしてるんです…」

「それは困りましたね。たとえば?」

「ゴルフ3.1や飲み会5.0といったアプリケーションは、動きが悪くなっています。キャバクラ6.2に至っては、全く動きません。選択するだけでクラッシュします。」
「なるほど。」
「なのでもうワイフ1.0をガールフレンド7.0に戻したいんですが、このワイフ1.0のアンインストールがうまくできないんです。
強引にアンインストールしようとすると、人生システム全体を巻き込んでしまいそうです。どうしたらアンインストールできるんですか?」

「そうですね…、実際こういったワイフ1.0に関するトラブルケースは頻繁にあり、同様のご質問をよくいただきます。たいていの場合、原因は大きな誤解にあります。
まずガールフレンド7.0からワイフ1.0にアップグレードするとき、
単なるユーティリティソフトと考えて何となくアップグレードする方が多くいらっしゃいます。
しかし、ワイフ1.0はユーティリティではなく、OSです。ガールフレンド7.0とは根本的に異なると考えて頂ければ解り易いかと思います。」

「はぁ…で?どうすれば?」

「ここで無理に、ワイフ2.0やガールフレンド8.0をインストールするようなことがあれば、問題が一層大きくなり、回復不可能になります。
このあたりのことは、トラブルシューティングファイル「養育費」「財産分与」に詳しく書かれていますのでご一読ください。
なのでワイフ1.0はそのままさわらずに、周りの環境をワイフ1.0に合わせていくべきです。何度もクラッシュしたり、
他のプログラムへの影響が大きいときは、 C:\gomen_ne と土下座をしながら打ち込んでみてください。
もしそれで何の効果も出ない様であれば修復は不可能になりますので今回の人生は諦めて次の人生でインストールをしっかり考えてご対応ください。」

「なるほど…わかりました。ありがとうございます。」

「お役に立てましたでしょうか?また人生に悩まれましたらいつでもお問合せください。御利用ありがとうございました。」
ガチャ。

暗転(ナレーション:当センターは皆様のご契約人生の相談・変更など24時間で受付けております。是非お気軽にお問合せください)

は~い。1箇所ぐらいクスっとしただけだったね。
本コラム85話中、もっとも微妙なお話しでしたね。

それでは懲りずにまた来月!

*このコラムへのお問合せはお受け致しません。

84杯目「ツッコミ症候群」

先日、駅のトイレで用を足そうとしていると完全に酔っぱらったオッサンが隣りに来て、

チャックを開けてゴソゴソしながら

「アレェ!?ねぇぞォ?」

 

『…って、そんな訳あるか、アホ!
よく探してみろ!!!!!!!』

 

は~い。今日も始まりました社会の相方・ツッコミ担当松原の痛快コラムな訳ですが、
商業病なのか日常で起こる様々な事にツッコミを入れてしまう癖がございます。
ホントに怖いですが一種の病気の様なもので治せないのです。

という事で今回は最近身の回りでツッコんでしまった出来事をバババっとご紹介いたしましょう~!

【コンビニにて】
真夜中の打ち上げ帰りに家の近くのコンビニでお弁当を買ったら新人の女の子の店員が明らかに眠たそうにしながら
「あたためますな?」
と松原に問いてきた。
多分眠気で言い間違えたんだと思うけど関西人の血が騒ぎ、
「さようでござる。」
と回答してあげた。

 

『ってオマエは何時代の奴やね~ん!』
…しまった。コンビニ店員にツッコんでしまった…

 

【マクドナルドにて】
ツアー先で待ち時間がありネット環境の整ったマックで休憩していたら隣りの席の大学生男二人の会話が聞こえてきた。
大学生A「あれ、『まさき』ってさぁ、どういう字書くんだっけ?」
大学生B まさき「んぁ、俺ぇ?えっとね、田村正和の『正』に、樹木希林の『き』」
思わず隣りの席に向かって

 

『ってオマエ、樹木希林の『き』ってどの『き』やね~ん!』

 

…しまった。知らない学生にツッコんでしまった…

 
【不動産屋のチラシ】
新聞折り込みの不動産屋のチラシを見るのが大好きな松原ですが、
先日すごい間違いのチラシを発見した。
中古一軒屋○○万円・築五分・駅から五年。

 

『ってオマエ、どこの国の駅から歩かせるね~ん!』

 

…しまった。新聞折り込みにツッコんでしまった…

 

【母のメール】
母と待ち合わせして外食をする事になった。
しかし待ち合わせの時間になっても母は来ない。
イラちの松原はすぐ母に「後、何分で着く?」とメールをすると
母から「あと5分位どつくよ」と返信。

 

『ってオマエ、どんだけドツくね~んっ!』
…しまった。駅前で携帯にツッコんでしまった…

【息子】
なかなか休みの無いシングルファザーの松原は息子とコミュニケーション不足。
少し心配になり「パパとおばあちゃんどっちが好き?」とドキドキの質問をした。
するとチビ松原はお饅頭を食べようとしていたのだが少し考えてから
お饅頭を2つに割って「どっちが美味しい?」って聞いてきた!

 

『って、オマエは一休さんか~いっ!トンチすな!』
…しまった。自分の息子にツッコんでしまった…

 

【本屋さん】
何かオモシロい小説が無いか本屋さんに入ったらヨボヨボのお爺さんが
“ボケ対策の本“を2冊持ってレジに並んでいたよ。

 

『ってオマエ、もうボケとんか~い!』
…しまった。ヨボヨボのお爺さんにツッコんでしまった…

 

【居酒屋のトイレにて】
出張先で1人でご飯屋を探していたら急にトイレに行きたくなった。
すると目の前に個人でやられているちょっと小奇麗な居酒屋があったので慌てて入ってみた。
すると誰もいなくて「どこか買い物にでも行ってるのかな?」と思い、
とにかくトイレに行きたかったのでトイレに駆け込むとドアノブが回らない。
あれ?と思い、ノックをしてみると男の声で

 

「あ!は、はい!どうぞ~!」

『ってなんでオマエと一緒にトイレ入らなあかんね~んっ!その前にオマエ誰やね~んっ!』
…しまった。店の大将にツッコんでしまった…

【松屋にて】
松屋でご飯を食べてるとトンでもなく太った人が入ってきた。
とにかく凄いのでそのデブを見ていると食券を買って
松原の向かいのカウンター席に座った。
カウンターの中を駆け寄ってきた店員の背中が松原の目の前に広がり、
クルっと厨房に振り向いて叫んだ。
「ブタ一丁ぉ!!」

『ってオマエ、それ絶対ワザとや~ん!ブタ生姜焼き定食って面倒やけど言うたれや~!』
…しまった。松屋の店員にツッコんでしまった…

【高速道路】
アーティストの車でツアーを同行していたら横の車線を走っていた車が割り込んできた!
ビックリして急ブレーキをかけたら、その割り込んできた車の後ろに

“急ブレーキ体験車”

って書いてあった。

 

『ってオマエ、そうやって体験させるんちゃうやろ~い!』
…しまった。時速80kmで車にツッコんでしまった…
だ、だけど突っ込まなかったよ!!!!


やった!ツッコミ病が治り、お後もよろしいようで。また来月。

83杯目「この世はでっかい宝島」

先日TSUTAYAでビデオを借りようと並んでいたら前のおじさんがアドルトビデオを三本借りようとしていた。

店員「返却はいつになさいますか?」
おじさん「当日で」 
店員「はい、当日ですね… 当日!?と、当日ですか?」

マジで店員が一瞬“素”になっていたよ。
チュース!松原デス。
世の中にはホントに凄い人はいるもんですね。
このおじさんの表情は一点の曇りなく凛として佇んでいた。
もはや松原の中でTSUTAYAに光臨したヒーローに見えたのです。
やはりいつの時代にもヒーローというのは必要なものであって、こんな時代だからこそ自分の中のヒーローを追い求めて欲しいと思う訳です。

そんなヒーローで思い出した小学生の頃のお話を今日は少々。

このコラムに何度か出てきた事のあるO島君(本名を前回出して書いてたら本人から10年ぶりに苦情の電話がお店にかかってきたのでイニシャルで表記させていただきます。)の有名な話である。
やはり小学生の高学年ごろになってくるとどこの学校でもそうだと思うが運動神経のいい人間ももちろんだが、
男前よりもやっぱり男女問わずクラスのヒーローになるのは“無茶をする奴”だった。

所謂バンド業界用語で言う「パンチのある奴」である。

例えば給食でスイカが出ると、限界まで食う挑戦が始まり白い部分まで食ってた奴がヒーローとなるが、
その後に皮まで食った奴が登場!
前者は僅か数秒でヒーローの座を奪われる事になる 。

そんな風に誰が一番“パンチ”があるかの勝負が毎回給食の時間に行われていた。

そんなある日、給食に「ゆで卵」が出た。これはパンチを出しやすい回である。
カレーの日などは最悪だが、このゆで卵なら松原にもチャンスがある!
そんな名声欲が人一倍長けている松原は今日こそヒーローになろうと「殻ごと喰ってやる!」と言い放ち、
殻ごとバリバリと食してやった。

やはりクラスのみんなは栄光を讃える。

しかし、そんなことは他のクラスメートも楽々クリアーして次のステップに進んでしまったのだ!!
コレはヤバい!!何か一気呵成のマンモスパンチが必要だ…!
そしてひらめいたのは禁断の技である。

「俺は噛まないで飲み込むぜ!」と言って丸ごと飲み込んでやったのだ。

これは誰も真似出来まい!クラスの視線は松原に集中し、今日のヒーローもはや松原で間違いない!
そんな空気が教室を充満し始めたその瞬間!
ここで登場するのがO島君である!
彼も虎視眈々と狙っていたのであろう。

「俺も出来るで!」

そう口を開くと同時にゆで卵をそのまま丸呑みしたのだ。

先程の松原の栄光はまるで全盛期にはチヤホヤされていたビデオデッキの様に過去産物と風化し、
次の再生機を我先にと開発するメーカーの如くクラスの男子がゆで卵を見つめ研究する。
しかしゆで卵ではもはや限界がある。

誰もがそう気付き、今日のヒーローは不在で終わろうとしたその世紀末の瞬間!

O島君が黒板の前の机に用意されていたゆで卵に付けるアジシオの瓶を優勝カップの様に掲げ、

「俺なんて、このアジシオを一気しちゃうもんね!」

と叫び、内蓋を外し、アジシオを一気に飲み込んだのだ!
後日談だが「焼けるように喉が熱かった」とO島君が、松原だけに涙目で教えてくれた。

そんなO島くんは顔を真っ赤にしながらアジシオをほぼ飲み干し、
慌てて牛乳で流し込む苦しそうな姿と勇気にクラスメート全員はスタンディングで賛辞を送ったのだった。

そして今日のヒーローになれたO島くんの涙はダイヤモンドの様に教室の床に零れ落ちる。

そんなO島君の余韻に浸る5時間目の授業中。

隣りの席のO島君が様子がおかしい。
急に体が震えだしている。どうやら具合が悪るそうだ。

「大丈夫?保健室行く?」
そう問いかけると

「ヒーローが保健室に行くのはまずい」
と呟き、我慢をして椅子に座り続けるのであった。

しかし確実に顔色が悪い。
これは友人としてと助けなければ!

「先生、O島君が…」

席を立ち先生に訴えかけたその瞬間。

なんと!

隣りのO島君が机の上に吐き出したのだ!

「キャーーーーー!!!!!」

女子の悲鳴が廊下を反響してより深みを増してこだます。
「最悪や!!!」慌ててO島君をトイレに連れて行こうと肩を抱え、立たせた瞬間!

みんなの前で先程丸呑みしたばかりのゆで卵がネバネバとした胃液と共に丸ごとゴロンと飛び出してきたのだ!!

ほんと数秒前までのヒーローは一瞬にして地に落ち、それから卒業まで彼はヒーローとは無縁のまま、
あだ名が「ピッコロ大魔王」になったのであった。

82杯目「友情の西証し」

先日三宮の献血センターで献血をしに行った時の事。
パテーション越しの隣で1、2歳の子供を連れた若い夫婦が険悪な空気だった。
旦那が血を抜かれながら看護婦に確認してた。
「あいませんよね!血液型!」子供を抱いた若い奥さんはうつむきながら看護婦をにらんでたよ。

はーい。産婆さんで生まれたので未だに自分の血液型を知らない松原だよー(本当)

世の中には知らない方が幸せな事があるよね。
そんな松原は先日京都で行われた京都大作戦というフェスに参戦。
2DAYSだったので京都に一泊するか悩んだあげく、経費削減という事で神戸に帰る事に。
なんせリハーサルの時間から行ってたのでほぼ始発で神戸を発った松原は至極睡眠不足。
そして終電ギリギリまで打ち上げに参加して飛び乗った最終列車。
京都から神戸まで乗り換えなしの快適な時間。
睡眠不足とお酒が背中を押して一瞬で夢の世界にワープ。
気が付くと心地よい電車の揺れが激しくなってくる。
むしろちょっと痛い。

「あれ?これ揺らされてる?」

と、同時に目の前に広がる駅員さんの顔。

「ちょっとお客さん終点ですよ。」

この言葉は人生で試したどんな目覚まし時計より強力に松原を現実に誘う。

「ええええ?!?!どこですか!ここ!!」
「西明石駅、終点です。」

再び目の前が真っ暗になる。慌ててホームに飛び出て周囲を見渡すがやっぱり西明石駅である。
そして改札を通り、西明石という土地に始めて足をつける
。まず伝えたいのは西明石の方に失礼承知で一言!

“マジなんもない!”

真っ暗な世界が広がる。

そして西明石駅の電気が消えると同時に今から絶望だけが所持品でたったひとりの西明石大作戦、開幕… 
先程の夢の世界が嘘の様である。
今なら蜘蛛の糸の犍陀多の気持ちが解る気がする。
しかし落ち込んでいてもしょうがないのでまず考えるのはタクシーでの帰還!
しかし神戸まで値段を聞くと「9000円は行くね~」運転手say。

これだと京都の宿泊を諦めた事が悔しくてたまらないし、財布を覗くと5000円札が1枚しか入っていない。
もちろんビジネスホテルも考えたが結局同様の理由で諦める。
こうなったらなんとかして始発まで時間を凌ぐ事にシフトチェンジ。
周囲を散策するとコストパフォーマンスが最大の武器「鳥貴族」発見!
ここなら軽く食べても2000円も行かない!ここで朝まで凌いでやる!
勢いよく店内に入ると

「何名様ですか?」店員say。

「あ、1人」

「…あいにくラストオーダーが過ぎてまして…」

ええええ!?ほんとかよっ!?今人数聞いてきてたやん!!!

西明石は松原という新参者を受け入れてくれない。
しょうがないので隣の「魚民」に入るが店内は閑散。

「え…まじひとり?」

そんなエアーが席まで案内する店員から零れ落ちる。

「もう片付けが終わってますのでカウンターでお願いします。」そう言い放ち、
厨房から丸見えのカウンター席へ。

なかなかの気まずさが店内に敷き詰められ
「もう、この店の客はお前だけやで」と言わんばかり。
居た堪れなくなりビールと小鉢を食すと逃げるように魚民を出る。

入り口のネオンはあてつけの様に光を忘れている。
「魚民」のロゴが「難民」に見えてくるぐらい心がすさんでくる。
そしてまた夜空の下でひとりになる。

コンビニを発見したが立ち読み出来ないスタイルのローソンでは滞在出来ても15分。
菓子パンのカロリーと原材料全てをチェックし、また暗闇へ。
路頭に迷うが足は自然と出発点であった駅へ向かう。
もうまるで世界から必要とされていないような錯覚に陥り、欝発生寸前のその時!
駅の裏側の階段の下に死角となったスペースらしきものを発見する。

こ!ここで一晩過ごせる!松原はそのオアシスへ足を運ばせると… 
なんとそこには先着というかもはや住んでる?的な所謂ベッドオンザストリートピープル(和訳:浮浪者)が2名松原の登場に驚いた表情でこちらを向いていた。

しかし孤独で心が乾ききっていた松原は思わず喋り掛けてしまう。

「実は始発までの時間を凌げる場所を探していてまして…」

そんな怪しい奴を快く受け入れてくれる2人。
なんとダンボールまで分けてくれて一緒に眠ることになる。弾む会話。
さっきまでの孤独から開放され、「何故浮浪者になったかのHOW TOトーク」から「浮浪者として生きるQ&A」など明け方まで僕たち3人は語り明かす。

知らぬ土地で生まれる友情。
これこそが旅の醍醐味。

もうこのまま朝まで喋りたいが松原の疲労に気を使ってくれて眠る事に。
熟睡を経て、携帯のアラームが鳴り朝を迎える。世界がまるで生まれ変わった様に周囲を照らす太陽の光。
照らされた周囲にはさっきまで居た友人達の姿は無い。
残念だが、松原も時間が無く断腸の思いで別れを告げれないまま、電車に乗りまた京都へ向かう。
案の定また京都を乗り過ごし、滋賀を経由してようやく京都に着いたのは昼前。
小腹が空いた事に気がつきコンビニでおにぎりを買うためにレジへ。
財布を出してみるとお札が見当たらない。
しかし松原は財布をもう一度確認する事は無くATMへ向かう。

世の中には知らなくていい事、気付かなくていい事ばかり。

“きっと違う、勘違い”

あの一夜の友情は未だに美しく胸に刻まれたまま。頬を伝う涙こそが友情の証し。

81杯目「ひとりLONDON HEARTS」

先日、大阪での会食会を経て、そのまま最終夜行バスで東京に出張する予定だった。

が、会食会が盛り上がりなんとバスを逃してしまった…
もう始発の新幹線しか無く困り果てていると偶然、同業者の女性の友達と遭遇。
事情を説明すると

「じゃーうち泊まりなよ」say。

な、なんて優しいんだ!という事で遠慮なく始発の時間までお願いする。
女性の1人暮らしにしては十分すぎる広い部屋。
ソファーを借りて早速仮眠を取る事にする。
幸い会食会でのお酒が手伝ってすぐに夢の世界まで辿り着く。
睡眠不足続きのここ数日、ようやく眠れる安らぎの時間。

ふわふわといい気持ちの松原を正反対の世界に誘う出発ベルが突然鳴り響く。

“ドンドンド!!ドンドン!”

飛び起きる松原。
洗面所に居た友達も慌てて扉を開ける。

「え?なにごと?」

すると玄関の外から

「おい!○○!おるんやろ?開けてや!」

玄関をノックする音と共に男性の声が飛び込んでくる…

「やば!彼氏や!!」

小声で松原に説明してくれる彼女の顔は先程の見慣れた表情から深刻な表情に変わっている。

「うちの彼氏、ヤキモチ焼きやから説明しても信じてくれへんからヤバい!どうしよ…」
ってうぉおぉぉーい!!
ほんなら泊めるなよぉ!!
まじで言うてんの?この状況どうしたらええねん(怒)
しかしそんな口論と考える時間を積み上げている余裕は全く無い。

どんどん彼氏の口調は荒くなり、扉を叩く音が強くなる。

「ちょっと待ってー開けるわー」

これ以上エスカレートしない様に彼女が答える。

「早く開けろや!誰かおるんちゃんか?」

全身に電気が走る鋭利な言葉が部屋の中の2人を襲うと同時に松原はとっさに玄関から靴を取り、
鞄を抱え彼女がその隙に開けてくれたベランダへとトラベリング!
ひんやりとしたコンクリートの感触を足の裏から感じると同時にベランダの窓は静かにしまりカーテンが先程の安らぎの空間と現実を光と共に遮る。

「まじで…」

もう頭は真っ白。これは完全にリアルロンドンハーツ…。

本当にこんな事が自分の身に起こるとは…。

「想像できることは、全て現実なのだ。」
今ならパブロ・ピカソのこの言葉の意味が解る気がする。

そして松原がしなければならない事は限りなく存在を消し、体を細く縮め、壁に同化せねばならない。
携帯が鳴らない様にバイブ設定にし、
財布についたチェーンの音が鳴らないようにベランダにあったタオルに包んで足元置く。

用意は周到。

そうこうしていると男女の口論が耳に入る。

「じゃーなんで開けるのに時間かかってん!」
「洗面所におったからしゃーないやん!」
「じゃーなんでソファーがあったかいねん!」

きっと今、彼氏は松原が作った温もりについて彼女にキレているのだろう。
お陰で松原はソファーに全ての温もりを置いてきてしまい今は冷たいコンクリートの壁にどんどん体温を奪われている。

しかしこのままでは容易にベランダなど探されるに決まっている。
その時はもう言い訳は皆無。
一度隠れたなら確実に隠れきらないといけない。
それは親切で泊めてくれた彼女の為でもある。

そう思うと同時にベランダから見下ろす。

と、ここは2階。地上から約9mほどの高さである。

「うわ~、飛び降りれない事は無い微妙な高さや~ん…」

PCが入った鞄に加え、地面には植木が安全な着地を防御している。
怪我のリスクは確実である。
しかしビビっている暇など無い。

飛ぶか?飛ばないか?

高所恐怖症の松原は人生でコレほどまでに羽が欲しいと思った事は無い。
“金”など無意味。
今は“羽”が欲しい。
神様!全財産を払ってもいいのでどうか僕に羽をつけて“自由”をください。

そんな神頼みをしている間に彼らは仲直りをして普通に喋っているでは無いか!?

ホっと安心したその瞬間からもっと地味な地獄の3時間が始まる。
素足で冷たいコンクリの上で少しでも物音を立てる事が出来ないこの状況で3時間ほど、
とあるカップルの日常をカーテン越しに傍聴しなければならない…

そして讃えるのは彼女である。

「え?俺おる事、忘れてる?」
なぐらいのナチュラルトーク。

しかしその感服はものの数分で気持ちは消え、
2階なので大した夜景も無く、退屈な景色がますます孤独を感じるのに一役を買う。
この3時間は人生でもっとも退屈で、しかし気の抜くことが出来ない矛盾した時間。
この時の中で様々な事に懺悔し人として成長をしていく。

そして僅かに木漏れていた部屋の明かりさえも消える。

そうである。

“寝た”

のである。

うらぁぁ!!!寝るんかーイ!
ってか泊まるんかぁーーい!

おそらく彼らが起きるのは昼過ぎ。
ベランダの松原は一瞬で悟る。
「飛び降りるしかない」

ぐぉぉぉ!こ、怖い!怖い!いや、やっぱ怖い!神様ぁ!体が震える。
ぶるぶる。この振動にあわせて携帯も震える。

携帯を取り出すとなんと彼女からメールで
「いまコンビニに来てるから今のうちに出て!」

っしゃーーー!
good job!!

急いでベランダの窓を開け、ドキドキMAXで部屋から飛び出る。

見かねた神様がくれた“自由”。

嗚呼、俺は自由。もうどこへでも飛び立てる。
そして松原は手にした自由の羽を広げ、新大阪駅にタクシーで飛びだす。

そう。自由の代償…

あのベランダに財布を置いたまま。

80杯目「ショートネタ」

さぁ!今回のコラムは久しぶりの大好評ショートネタ特集でござる。
お暇つぶしにどうぞ~!!
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【母の肩叩き券】

学生時代、友人が自分の母親の財布から金パクろうと思って開けたら、
10年前の母の日にあげた肩たたき券が大事そうに入っていた。
彼は泣きながら2千円を抜き取った。

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【おかしくね?】
6+9=15とかは普通じゃん?5+10=15とか4+11=15とかそのまんまじゃん?
7+8=15って少なくね? おかしくね?
7って結構でかくね?8なんて更にでかいじゃん。
7でさえでかいのに8って更にでかいじゃん?
確かに15って凄いけど、この二人が力を合わせたら16ぐらい行きそうな気がしね?
二人とも強豪なんだからもっといってもよさそうじゃね?
なんかおかしくね?

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【車に轢かれそうな時の対処法】

(一般人) 全力で走って逃げる
(ストⅡオタク) 車を壊してボーナスをもらう
(ストⅡマスター)  ひきつけて昇竜拳

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【こんな○○はイヤだ!シリーズ】

・こんなホラー映画はイヤだ!
 ⇒最後にNG集

・ こんなロボットはイヤだ!
 ⇒中の人がいる
 ⇒自分に自信がない
 ⇒仕様書を隠したがる

・こんな保母さんはイヤだ!
 ⇒だんご三兄弟だけで乗り切ろうとする
 ⇒色んな事情を乗り越えて今この街で働いている
 ⇒影を踏むと本気で怒る
 ⇒園児が帰る頃にエンジンがかかる
 ⇒人前だと冷たい

・こんな映画ドラえもんはイヤだ!
 ⇒ドラえもん のび太の公正証書原本等不実記載

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【オブラートに包んでるけどケナされている表現】

・○○ちゃんは性格美人
・貫禄でてきたね
・やればできる子
・フレッシュさを失ってない

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【人生すごろくゲーム】
・これが出たら○○

■半年間欠かさず見ていたドラマが夢オチで終わる⇒サイコロをもう一度振れる 
■名前欄と住所欄を間違える⇒一回休み 
■「V.A.」の意味がわからずバンド名だと思っていた⇒ふりだしに戻る

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【あったらイヤだ!こんな近隣関係の悩み】

でっかいくしゃみをすると隣の部屋から「♪大魔王~」と合いの手が入る

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【オレオレ詐欺】

A「めっちゃ怖い話し聞いたの」
B「何?」
A「一人暮らしのうちのおばあちゃんに電話がかかてってきて出てみたら『お母さん?俺やけど・・・・』って言っておばあちゃんが『ヨシカズか?』って聞いたら『うん』って・・・  でも、ヨシカズおじさんって去年、交通事故で死んでるねん」
B「えぇ~!!怖いーーー!!!それで?」
A「『・・・俺、事故起こして・・・・』って言うから、おばあちゃん泣いてしもて『もう、事故の事は気にせんでいいから、成仏して・・・・』言ったんやて」
B「うっわー、怖い~」「せつないーーー」「ほんまにあるんやなぁー、そんな話」

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【問:次の語句を使って文章を作りなさい 】

1.「どんより」
 私はうどんよりソバが好きだ

2.「うってかわって」
 彼は麻薬をうってかわってしまった

3.「あたかも」
 冷蔵庫に牛乳があたかもしれない

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【”~でよろしかったでしょうか”って日本語がもっと嫌いになる使われ方】

 +--------------------------------------+
 | ファイルに変更がありますが        |
 | 保存してよろしかったでしょうか?   |
 |        [はい]  [いいえ]            |
 +--------------------------------------+

 って保存しちゃったのかよっ?!!!!

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【CUIとは何の略?】

 C = 右
 U = 上
 I= 分かりません

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はい!2箇所ぐらいクスっとしたね。
では次回こそご期待ください。
ちなみに「青森←→赤木」って全然別の言葉だけど何気に反対語っぽいよね。
あばよ。