143杯目 「おっぱいがいっぱい」
絶賛、腎臓癌闘病中の松原です。こんにちわ。
癌の闘病は色んな過酷な試練が待っているのですが、腎臓癌が他の癌より発熱しやすいという特徴があり、松原はよく腫瘍熱を出して寝込むことが多い。
少し前も入院中に、高熱と戦っておりました。
特に今回は熱が高くて、眠れずにずっと頭が半分寝てる様な状態でかなりしんどい状況が数日続きます。
そんな全然、熱が下がらない松原を心配して、担当の看護婦さんがもの凄く親身になって看病をしてくれました。
「しんどいですよね。ホントになんでもするので言ってください。何かありませんか?」看護婦say。
熱のせいで喋るのも億劫だったが何とか声を絞り出して、
「大丈夫です。ありがとう。」
と答えれた声も恐らくギリギリ聞こえるぐらいの声量が限界。
「ほんとに遠慮しないで、なんでも言ってくださいね。」
と声を何度もかけてくれるので、もはや逆に何かお願いしないと失礼なぐらいの空気が流れる。
そんな気を使わなくていいのに世界最高級に気を使ってしまう松原は病気クラス。
そして薬を飲むタイミング時間になり、看護婦さんがペットボトルのフタを開けてくれて、薬を飲ませてくれた。本当に気が効く優しい看護婦さんだ。
そして丁度、ペットボトルの水を飲み干したので、
「あ!無くなりましたね。入れてきましょうか?」看護婦say。
この病院は食堂で飲料水を自由に入れれるので松原はいつもペットボトルに水を入れてベットの横に置いている。そしてこの熱で、ひとりで食堂まで水を入れにいくのは無理があるのでスーパー助かる。
お言葉に甘えようと思い、声を絞り出して「ありがとうございます。」と応える。
そして笑顔でペットボトルを持って「遠慮しないで言ってくださいね。何でもしますからね。」とまた優しく微笑みかけてくる看護婦さんはOVER the天使。
ホントにありがたい。そして松原は、ミカエル看護婦さんにお願いをする。
ペットボトルを指差しながら、なみなみに水を入れもらいたいという意味で「いっぱいお願いします。」と伝える。
すると!!!!!!!!
急におかしな間が生まれ…
「そ、そういうのは、ダメですよっ!」
苦笑いを浮かべた看護婦さんは、そう言い残し、ちょっとムスっとして、ペットボトルを手に病室を出ていく。
「ん?なにこの空気?」
状況が把握出来ない。
でも確実に何かの違和感が生じている。
そして程なくして部屋に戻って来た看護婦さんは、8割ぐらい水が入ったペットボトルをベットの横に置き、「じゃ、そういうの以外で何かあったら何でも言ってくださいね。」と今までより少しセーブされた笑顔で、病室を出て行った。
熱のせいもあってよくわからないけど、彼女は何を言ってるのだろうか。ひとりになった病室で考えてる。
まさか…
いや、そんなはずは無い。
そんなマンガみたいな話しが起こる訳がない。
しかし…
、、 …
、…でもやっぱそれしか考えられない。
「いっぱいお願いします。」
を
「おっぱいお願いします。」
と聞き間違いをしたのだろうか!?
もしそうなら、松原はこの熱のせいでギャグ漫画の世界にワープでもしてしまったのだろうか。
ホントによくわからない。「そういうの以外で…」って「おっぱい以外で」ってこと?
この熱で苦しんでる状況で下ネタを松原が言ったと思っているのだろうか。熱で苦しみながら看護婦さんの“おっぱい”を指差して「おっぱいお願いします!」なんて言うはずかない。
でもそう考えないと辻褄が合ってこない。
しかし高熱に死にそうな患者が、そんなことを言う訳がない。
この看護婦はバカなのか!
仮にそう聞こえても、「まさかそんな事を言う訳がない」と思って聞き返してこいよ。
で、わざわざこっちから
「あのー、すみません。さっき、おっぱいって聞こえました?」
って確認するのも何かおかしいやん。
別に怒ってる訳でも無さそうだから、熱もあって動くのもしんどいし、もうそれならそれで、めんどくさいし、誤解されたままでもいいけど何か…やっぱり、 う〜ん…。
とにかく今から熱が下がる事より、ナースステーションでこの「おっぱい」がネタにされてない事を祈るばかり。
「聞いて〜!さっきあの松原さんに“おっぱいお願いします”って言われてんけど〜。キモくない?」
「うっそ〜、あんなに熱出てるのに?性に必死やね。」
「これから高熱おっぱいってあだ名にしよっか!笑」
「それ超ウケる〜」
…想像するだけで恐ろしい。ゾッとして、いっきに熱が下がってきた。
神様!どうかネタにされてませんように。
その日は目が覚めるごとにtwitterで「松原」「おっぱい」とエゴサーチしながら高熱と戦うことになる。
そしてなんかそれ以降、看護婦さん全員が冷たい気がする。
ああ、早く退院したい。(←お陰で予定より早く退院できましたw)
-2019/01/19 update-