103杯目 「COMIN’ RUNNER」

まず最初に本コラムは2013年4月末日に執筆しております。

この時期は今年で9年目になる3万人来場の無料チャリティーイベントCOMIN’KOBE13(以下CK)の準備に忙殺され、足かせに繋がれ自由を失い、
48時間軸で1日を過ごしている松原な訳でして…(ガンバレー!)(ありがとう!)
そんな中、今回のCK13では新たな企画を立ち上げました。

まずはその企画の説明には欠かせない前章がございます。

遡ること2011年2月、盛岡に呼んで頂き阪神淡路震災の講演を行わせて頂いたその翌月東日本大震災が起こりました。
このつながりをとても大事に思い、その年のCKでは盛岡市内に大型スクリーンを設置してCKの生中継を配信しCOMIN’MORIOKAというタイトルでイベントを行った縁の深い盛岡。
それから物産展を行ったりと毎年色々な取り組みを行いそして今年!この企画が実現!

「ツナグ!ヒサイチ&ヒサイチ東北発→神戸行COMIN’ RUNNER」
岩手県盛岡市~CK会場へ総移動距離1000kmを自転車のみ使い移動して人とふれあい、汗と涙を流しながら曲を作り、
CK当日に間に合うように帰ってくる(間に合わなければ出演はなし)

【期間】
■出発式ライブ4/15盛岡CLUBCHANGE ⇒ (約1000km)14日間 ⇒ ■GOAL LIVE 4/29 CK13

この企画に挑戦したのは過去CKに遊びに来て感動し、泣きながらその足で楽器屋に行きギターを買って仕事をやめて音楽活動を始めた神戸在住のシンガーソングライター寺山リウジ。
彼にこの企画を提案し、CKの今年の一番の目玉企画なんだと伝えると簡単に瞳の中で興奮という衣装を着た踊り子がくるくると回りだした。
そんな出発日に太陽と虎の園長こと風次が盛岡の出発式に参加すると言い盛岡に飛びたった。
このCKのクソ忙しい時に2日間も出張するなんてと細胞の隅々から怒りを搾り出したが渋々了承し盛岡に向かわせる。
旅立つ彼の背中を見送る松原は今晩恐怖と怒りが二人三脚で襲ってくる事をまだ知らない…。

その夜、出口の見えない業務に迷い込んだ深夜3時。
一般教養を受けた人間であれば試みない時間に松原の携帯が震える。
出てみると盛岡にいる風次。
もうすでにベロベロ状態で電話からもアルコールの匂いが溢れてくる。
しかし酔ってるというより歯に何か詰まった様な口調でモゴモゴしながら

「実は盛岡から帰る新幹線代で自転車を買ってしまった。もう帰れないから寺山リウジと一緒に自転車で神戸に帰る。すまん。」

衝撃のあまり生まれてから学んだ全ての言語が空いた口から全てこぼれ落ちてしまった。
やっと言葉を掻き集めて叫ぶ。

「お、おまえ!太陽と虎はどうするねん!」

CKに専念する為に4月の末はほぼ風次が主催のイベントばっかり!
「いつもバンドに『ヤレ!』と言ってけど俺こそ何もやってなかった。だから14日間頑張る。毎日太陽と虎を思ってます。この道が神戸まで続いている事を信じて…」

そこまで言うと突然松原の耳に聞こえていた彼の声は「プープー」という渇いた電子音に変わった。
その瞬間、過酷な2週間が始まる。
Twitterを見る限り野宿したり、ラーメン屋に泊めてもらったり…
一方風次の仕事が乗っかった松原の睡眠時間を激しい業務が押しつぶす。
まるで漕ぎ続けないと倒れてしまう自転車の様にCKに向かう松原。
どちらが先にパンクするか?
誰も幸せになっていないその答えはCKのHPまで!乞うご期待!

(※風次はイベントの日に無事筋肉をつけて帰ってきました。寺山に関しては2日前に着きそうだったので尼崎らへんの健康ランドに泊まって時間を調整した噂もあり。)

-2013/07/20 update-