134杯目 「立ち読みもほどほどに。」

こんにちは。松原の連載コラムへようこそ。

今日のコラムは先日、出張で向かった酸素の中にとんこつスープが混じっているラーメンの街・博多での出来事です。

 

仕事が早めに終わりそうなので20時からスタッフのみんなと飲みにいく事になる。

20時ギリギリに仕事が終わったのでホテルへ戻らずノートパソコンを持ったままみんなと合流し、日頃の疲れをねぎらうべく楽しい宴が始まる。1軒目、2軒目そして3軒目まで続く深い飲み会。

28時ごろにそろそろ体力の限界となりようやく解散。

最後にコンビニに寄り、片手にビール、もう片手にアイスクリームを持って気持ちよくホテルへ向かう道中で、ある事に気づく。

 

 

それは両手が自由に使えるという違和感だ。

 

 

 

1軒目に向かう道中は片手しか使えなかったはず…

「あああ!!!ノートPCが無い…」

アイス型のノートPCでは無い限り、持っていたPCはどこにも無い!

 

慌てて記憶を遡るが、鉛筆で書かれた記憶のページはアルコールという消しゴムでキレイに消されて全然読めない。

とにかく今日立ち寄った3軒のどこかである可能性が高い!

が、もう深夜5時。

 

開いている訳が無い。

 

せっかく楽しい夜が絶望に変わる。

 

諦めてホテルに戻り、明日に託す。心配と不安で眠れぬ夜を乗り越えて朝、この3店舗の情報を集める。

すると1&3店舗目はランチをやっている!

早速電話してみるが忘れ物は無いとの事。

ここで遂に2軒目の店に絞られる。

食べログでは17時オープンと記載されている。可能性は低いと思いつつ朝の10時から30分置きに電話をするが全く出る気配もない。

念のため店の前まで行ってみるがシャッターは閉まったまま。恐らく15時ぐらいには仕込みもあるし誰か来るはず。

と仕事を抜けて店前でスタンバイする。

しかし15時になっても誰も来ない。

暇すぎるので様々なサイトでこの店を検索する。そして遂に店長のfacebookまで探しあてて、松原は、この店のマニアにまで成長する。

そして個人商店なので結構適当に店を空けたり、閉めたりしている情報も得る。

店長の気分次第。もし今日が気ままに休みだったら…。いや、そんな事は無い!そう信じて待ち続ける。

時刻は16時。

さすがにもう誰か来るだろう!

…しかし全く気配は無い。

 

遂に17時になる。

が、まだシャッターは空かない。

 

18時すぎには仕事に戻らないといけない。

もう時間が無い。

しかしどうする事も出来ない。

明日は朝9時の飛行機で東京に行くので最悪博多の友達にお願いする作戦も考えるが今日仕事で使用しなければいけない。

なんとしても探し出したい。

そして時計は18時を指す。

 

もうダメだ!

諦めた瞬間、店の目の前のローソンによく知った顔が立ち読みをしている。

すぐに思い出せない…。でも脳裏に焼き付いたこの顔…。

 

 

 

 

 

 

 

「て、店長!!!」

 

そうなのだ!

この店の店長が目の前のコンビニで立ち読みをしている!Facebookで散々見まくった顔なので間違いない。飼ってる犬の顔までこっちは把握してある。

慌ててコンビ二に駆け込み、店長に声をかけて事情を説明すると

「あー、昨日パソコン忘れてたね〜。店、今から開けるけん。」

 

よっしゃー!!

ってか何で立ち読みしてんねん!

もっとまろやかな言い方で店長に問うと…

 

「夜はいつも暇やけん立ち読みして、人通りが多くなったら店、開けるんや。」

 

いや、なんちゅー気ままさ!ちゃんと店開けろや!

 

とは言えず、ただただ感謝を伝えて、無事ノートPCを受け取る。

そして無事仕事を終え、せっかくなのでお礼にまたこの店に飲みに行こうと23時にスタッフを連れていくとシャッターが閉まっているでは無いか。

 

いやいや、ほんまちゃんと店開けろよ!何て気ままさや!

 

しょうがないので別の店に移動しようとすると、目の前のローソンのガラス越しに知った顔のおっさんが週刊誌を熱心に立ち読みをしていた…。

-2016/06/30 update-