12杯目 「完全にビンゴ!」
俺「薔薇には刺があるけど、君と言う美しい花にはそんなもの見当たらないね」
女「またそんなこと…」
俺「まぁ、思い切り抱き締めて君の刺で傷つくのも悪くないけど…花弁が落ちないようにそっと君を抱き寄せるのも好きなんだ。君の甘い香りが消えないように閉じ込めてしまいたくなる。」
女「くすぐったいわ」
俺「…好きだよ。だからいいだろ?」
女「…うん。でも後で…だって今コラム中でしょ?」
俺「…じゃー早めに終わらせるから待っててね。」
はいっ!と言う事で元気よく始まりました大人気コラム12話目!松原のプライベートも見え隠れするこのコラム。
諸事情で、あまり時間が無いから大至急本題に入ります。好評の当店周辺にあるおもしろお店シリーズ!
先日「かずちゃん」と言うお好み焼き屋を発見。
確実に怪しい雰囲気に惹かれスタッフを連れて入ることに…
まずお決まりのおばあちゃん一人で切り盛りスタイル。
確実に「かずこ」か「かずえ」と言う名前が予想される。
何を頼もうかと壁のメニューを見渡すと大至急意味のわからない品名の数々。
「ライスだもん」
なにこれ。「ライスもだん」の間違いじゃなくて?
『これなんですか?』
って聞いても「コレは、ライスだもん」と言う返答。
なんで接客の応対で、体言止めやねん!
「です。」とか付けろよ!
こいつ客商売やる気あんのかい?
んで壁に【串カツ一本100円】って張り紙を発見。
『じゃー串カツ下さい。』 「そんなん無いで。」『ええっ!アレ書いてますやん!』
「あ~アレ?アレは私がこの店やる前が串カツ屋やってその時のヤツやねん。」
じゃー外さんかいっ!ボケ!まぎらわしい!
紙、めちゃめちゃ年期入ってるやん!何年前やねん! しょうがないのでベタな物を注文し、小話でもしようと喋りかける。
『この店は長いんですか?』
「 … 」
えええっ!?無視?
「お兄ちゃん達は水商売の子達か?」
って松原のさっきの質問ドコ行ってん!
キャッチボールが豪速球なおばちゃんと適当に会話を進めながら店内を見渡すと、冷蔵庫の上に油まみれのゴリラの人形が散乱。
えっ!?何なんコレ?
って言うか掃除しろよ!
で、お前!コラッ!一品作る度に椅子座って休憩すんなっ!
こっち腹へってんねん! しんどいんやったらバイト入れろよ!
そんな酷い仕打ちを受けながら食事をしているとイキナリおばあちゃんが叫びだした…
「いきなりビンゴォ~!」
えええええっ!!??全員ズッコけるわ!
するとビンゴカードを全員に配り出しきた。
んでお前、このカード確実に使いまわしやん。
一回折ってる折れ目、自分で戻さなあかんのかいっ!
で、お前、コラ!なんでそんなビンゴの機械持ってるねん!
自動でピコピコ動く電光掲示の奴やん!コレ!
んでなんでワシら見ず知らずの隣りのおじさんと楽しくビンゴやらなあかんねんっ!
すると訳わからんおばちゃんがまた喋り出した。
「そーやな。10年ぐらいやってるねん。」
イキナリなんの話しやねん!
…って、最初に松原がした質問の答えやん!それ!
遅すぎるわっ! どういう事ぉ?なんなんこの店?
変な店大好きやから、もう“ビンゴ”やわ!
(05'6月号マンスリー掲載)
-2005/06/03 update-