107杯目 「鳥インフルエンザ」
実は今まで隠してましたが、信号の青がどうしても緑色に見える松原デス。
正直に話せてスッキリしたついでにまた1つ時の洗礼を受け、長年言い出せなかった事をここで1つ暴露させてください。
数年前に爆発的に鳥インフルエンザがニュースになったのは皆様は記憶に残ってますでしょうか?
日夜ニュースでは鳥インフルの危険さを説くキャスターで溢れ、
じゃーどう対処すればいいのかという不安が世の中を包んでいた。
松原ももちろんその中の1人であるが丁度テレビをつけた時にニュースキャスターが感染予防について話し出した。
こちらの不安を見越した様に無味乾燥な声でこう言い放つ。
「とにかく鳥の排泄物などに直接触れないようにしてください。」
なるほど!という言葉を凄い勢いでツッコミが追い抜いて 行く。
「って、逆にどうやったら鳥のクソに触れる機会があるねんっ!」
松原は完全に馬鹿にしていた。
そんなこんなで鳥インフルに怯えながら数日経った出勤途中。
松原はいつもの様に自転車に跨り、颯爽と通勤する。
秋は荷造りを終え、冬がゆっくりと季節に腰掛けだした肌寒い午後。
まもなく三宮という所で松原の肩に何かがフト止まった。
「うわ!虫や!」
虫嫌いの松原は反射的に右手で肩を振り払った。
せっかく気持ちよく風になっている所を邪魔され苛立ちながら虫をつぶした自分の手を見てみると白くそして少し黒が混ざるとろとろの液体が…。
これが何なのか脳裏では理解してても受け付けたくない。
しかしゆっくりとこれが「うんこ」という認識が身体に染み込んでくる。
ウワァァァァァア!!!!!!!
大声で叫ぶ松原の頭上を数羽の鳥が追い抜いていく…。
「う、うんこ…鳥のうんこ触ってもた…」
そこからどうやって会社までたどり着いたか記憶には無い。
この驚天動地の出来事に仕事さえ集中出来ないまま翌日松原は数年ぶりに発熱した。
しかし熱があるからと言って休む発想の無い松原は太陽と虎に出勤するがスタッフみんなが心配げに声をかけてくる。
「顔が真っ赤ですよ。凄い熱じゃないですか!」
「もしかしてインフル?」
松原も気づいている。
これが鳥インフルエンザという事を。
ニュースで散々見た、鳥インフの恐怖に半泣きで告白する。
「ごめん。実は俺、鳥インフルみたいやねん。」
驚いたスタッフはみんなでシフトを調整して松原に1週間の休暇を用意してくれた。
「熱が下がっても1週間は安静にしてください。」
スタッフの気持ちに感動し、自宅に帰りベットに身体を預けた。
それから1週間、スタッフのみんなは松原がインフルエンザと戦っているとバンドに伝えてくれ、バンドから沢山の心配のメールが届く。
松原も不在のお詫びメールを2日後から毎日元気ピンピンでゲームをしながら送り続ける事となる。
…え?元気?そうなんです。。。元気ピンピンで…。
実は…翌日医者に駆け込み、鳥のフンを触った事実を告げ、鳥インフルを告白すると医者からは
「え?カラスのフンとかでは感染しないよ。ってかキミ、普通の風邪だよ。」
「え…?まじ?」
その翌日、病は気からという事で完全に熱の下がった松原はこの事を誰にも言い出せず、
外に出る訳にも行かず残りの5日間を桃鉄(TVゲーム)三昧で過ごす事になる。
今まで隠しててごめんなさい。
周囲に怯えながら家にこもる1週間は鳥が関係無かっただけに全然羽を伸ばせませんでした。(鳥かえしのつかない懺悔)
-2013/10/18 update-