57杯目「中学生の告白」

最近“ゆとり教育世代”略して“ユトラー”が使う“ユトラー語”にガンはまりデス。

大まかに説明すると

■小さい文字(ぁぃぅ等)を多用
■“ってゆーか”の過剰多様
■文節で伸ばす(○○って~、××等)
■ら抜き言葉
■文を途中で止める(~なんですけど。)

などがあげられる。

新用語も多く排出しており「とりま」=「とりあえず、まぁ」の略。
とかは驚愕の新ワードである。

中でも気に入っているのは「オシャンティー」です。
(使用例)オシャンティーまじやべえ~。

いかなる時代にも対応しなくてはいけない仕事柄、柔軟にユトラー用語を使用しております。

こやつらの間違った日本語が今後自分の首を絞める事になるのだと思うと興奮さえ覚える。
早くそんな壁に直面して頂きたいものだ。
そんなことを考えている29歳松原の中学から最初のゆとり教育が始まったそうです。

しかし松原の中学時代は暗黒時代と呼ばれる期間であり大変な目にあった時期なのである。

というのもどこの学校にもいるヤンキーの先輩。

我々の中学では強さの単位が“何年生をシバけるか?”だった。
その単位で説明すると“高3までシバける”中学トップレベルの先輩がいました。

そんな先輩にも妹がいまして、簡単に風貌を説明するとシュレックの肌色版みたいな松原と同学年の女子である。

その彼女がなんと中学に入るなり松原の事を好きになってしまったのだ。
ここから暗黒期の幕開けである。

そこからというもの廊下を歩くだけでも道が開くぐらいの認知度に急成長を果て、
挙句の果てには体育の時間のバレーボール。

女子コートの試合を覗くとその彼女がサーブを打つ時に普通「ソ~レ~」と周りが声をかけるのが

「ゆ~たか~!」

になるクラスの女子連帯感支援状態。

中学生がトラウマになるには十分すぎる日々にさすがに松原は勇気を振り絞りその彼女を呼んでハッキリ断る事にした。

放課後の教室。

松原は彼女を手紙で呼び出し、その世紀の決戦に挑む事になる。

しかしその日の朝に渡した手紙がお昼休みには学校中に知れ渡り、
何がどうしてか“松原が遂に告白する!!”みたいな情報に早変わりしていたのだ!!

ヤンキーの先輩達が教室に来ては、「頑張れよ!」的な励ましをかけられる次第。
初めて心から大好きな神戸を捨ててどこか誰も知らない土地に逃げ出したくなる…

しかし時間はそんな僕の心情も察せず無常に放課後へと松原を運ぶ。
運命の教室へと向かう松原。

周囲からはまるで徴兵へと出かける戦士を勇気を讃えつつ同情を入り混じらせた表情で松原を眺める。

嗚呼ぁ…この廊下を曲がったら遂にXポイント

心臓は松原の全体を揺らそうと意気込み激しく鼓動する。
廊下を曲がった瞬間、そこには大奥の様に両サイドの壁にヤンキーが並ぶ。

エエエエエエっ!!?

その道の先にシュレックが俯いてこちらを気にしている。松原は察する。

「フったら殺される…」

しかしそのまま告白したらそれはそれで地獄の3年間に突入する事は必至…
どうしたらいい?どうしたらいい?幸せの結果にならない地獄の2択。

悩んで悩み抜いた結果、判断した答えは

「僕、女の子が好きじゃないんです…」

次の日から何を間違ったか一世を風靡したAV男優チョコボール向井氏がゲイの代表的イメージの様で、
松原のアダ名が「チョコボール」となる。

心を閉ざした松原は帰宅部になり自宅に缶詰でゲームの日々を送る暗い学生になる。
しかしお陰で家がおもちゃでいっぱいになり、周囲からチョコの家はおもちゃの缶詰と噂され暗黒時代に拍車をかけるようになる。
エンゼルマークでは無くハズレだったのにおもちゃの缶詰なんてオシャンティーだね!!

-2009/03/05 update-