コラム「人生打ち上げかけつけ」

松原裕 コラム

2005年より13年間1ヶ月も休まずに連載を続けている太陽と虎代表 松原裕のマンスリーコラム。

人生とは打ち上げのように激しく乱れて華やかに散る。
ならばかけつけイッキで酔ったもの勝ち。

そんな日々起こる不可思議で愉快な体験を綴る太陽と虎マンスリーコラムスケジュール誌に連載中のかけつけコラムWEB版。

笑いをアテに何杯でもイッキしてください。

※本コラムは本人が「がん」を理由に2016年10月を持って休載しておりますが、「絶対休む機会を探していて「がん」になって「よっしゃ!これや!」と思ったに違いない。」「連載が始まって13年間140話以上書き続けてネタ切れになったんじゃないですかね?」関係者談。
「そ、そんなわけないやん!ネタが溢れて溺れそうやわ!ただ体調が…。」本人談。

という事で2016年10月より、体調が良い時にWEB版のみ更新する不定期連載になりましたので、テレビの裏面を掃除するぐらいの頻度でこのページも覗いてくださいね。

43杯目 「ギターリスト」

はっぴー。
サラ金の「あなたが一番」的発言は小学生級の嘘をつかれている気持ちになってイライラが止まらない松原だよ。

小学生で思い出したけどホンマにうっとい奴がいっぱいおったね。
一番覚えてるのがなんかミスした奴に

「あ~ぁ~あ~ぁ~」

を連呼するから言い返したら

「ターザンの真似してるだけなので気にしないで下さい」

と言って更に

「あ~ぁ~あ~ぁ~」

と連呼する奴。 ウガァァァーー!!
これの場合は完全に意図的過ぎてイライラするパターンね。

文頭から綴っている人をイライラさせる傷つける言葉は世の中に無造作に氾濫しておりますね。

でもね、生物学でも分析されていて人間は虐殺自体が目的に敵を攻撃出来る珍しい霊長類なんです。
だがある人は言う。

人間には本当に相手を傷つける事は言えないリミッターのようなものが組み込まれているらしく、
凡人がどんなに知恵を絞っても相手の心を直撃する台詞なんて滅多に作れるものじゃない。

だが一方で病的なまでに相手の気持ちが分からないリミッターの外れた野郎が稀にだが存在し、
そういう奴が自覚も無く吐いた台詞ほど相手を深く傷つけるものは無い!と。

そんな松原も以前、自覚無く告げられた一言が深く傷ついた事あった。

神戸にはポップ好きからヒーロー的存在のNatural Punch Drunkerと言うバンドがいる。
メジャーデビューして調子のいい彼らは皆が羨む、そんな数年前に突如松原と同姓の松原というギターリストが脱退する事になった。

結成時から超仲良しで一緒に頑張っている。
そんな意識で彼らを応援していた松原は心の底から心配した。
そんな矢先、Bassである村上氏(仮名)から一本の電話が入る。

「まっちゃん!ちょっと折り入って会って話したい事があるねん。時間取ってくれへん?」

「え?ギターの件?」

「うん。そうやね。」

そんな電話を受けた松原は慌てて会いに行き、松原の車で彼を自宅まで送りながら話をする事になった…。
これは完全にギターリストで松原を迎えたい。
そんな思いが蓋をした餃子の様に周囲へ漏れまくっている。

「ごめんな。時間取らせて。」

「いやいや、ええよ!んでどうしたん?」

「いや、相談って言うのもうちの松原が脱退したやん。でね、メンバーと話ししてて取り合えずまっちゃんに頼もうって事になってん。」

ホラ!来た!俺のギターテクニックが必要になってるやん!
ま、悪い気持ちはしないが当時店長に成り立てで仕事が多忙を極める最中、実際こんな忙しいバンドが出来るのか?
そんな不安が車内に充満する。

「そっか…でも急に言われてもな…」

「そこをなんとか考えてもらって!困ってるねん。」

強烈なラブコールである。
少年隊の東に森光子がパワハラで押し切ったのもこんな強引なものだったのであろう。
悩む松原。 だが親友が困っている。
これはどんなに忙しくても頑張るしかない!

数分の沈黙の末、OKの答えを発しようとした瞬間、彼が口を開く。

「まっちゃんしかおらへんねん!誰かいいギター探して!」

少し寒い夜。時間から取り残され永遠に夜でいるかの様な暗い公園で一人夜空を見上げると涙が邪魔して綺麗な星が滲んで見えた。

42杯目 「まともじゃないバンド」

オッス!今回も勇ましく始まるこの人気コラムですが、本当に皆様に読まれていて光栄極まりないです。
この皆様という不特定多数を味方につけて人気をアピールしてしまいましたが、本当に色んな人に

「楽しみにしてるで~」なんて言われます。エヘ。

例えば音楽業界以外の方にも読まれている訳で最近GOING KOBEというイベントなどで行政の方々や警察の方とお付き合いが増え、
そんな一般のカタギな方にまで松原コラムの波紋は広がり、結構ヤバい事を書いては臭い飯を食う結果を招く事態まで懸念し出しております。

段々と見えない制約の中で筆を綴るストレスを隠せない秋の空。

先日GOING KOBEと言うイベントのエキストライベントとしてGROWING KOBEというミニマムなイベントを開催したの。

野外ステージで総勢20組の出演者でお送りするこのイベント。
行政の皆様や県警の皆様の監視下の元にロックイベントを行うというのは本来の「ロック」と言う言葉の定義から離れるのではと心配しつつ大勢の観客に見守られ開催。
しかし警察の皆様からは厳しく指導を受けており“ダイブは絶対禁止”の硬い約束。
もしダイブが起こったら速攻中止と言う分厚いコートの条件を羽織り許可を得れました。

そして始まった1組目はメガマサヒデという一人フォークのアーティスト。
弾き語りなので危険な行為は無いと踏んでいたので安心しきっていたら最後の曲終わりで彼は

「このイベントはダイブ禁止ですが僕のライブはOKデス!!」

と言い放ち客席にダイブ… ゴラァァァ!!!!何しとんじゃ~!!
即効ギロギロ睨む警察官に話しかけに行き、ステージから目を離させ誤魔化す事に成功!あぶない。
あぶない。 一安心でイベントを見守る中、四国の四星球というバンドから数々の質問が投げかけられる。

「ここの台は上っていいか?」

「ここから登場してもいいか?」

すぐに神戸市のお世話になっている方に相談すると
「ここは上らないで下さい」
とひとつのNGだけで寛大な許可を得る。

その瞬間… 神戸のワタナベフラワーというバンドの登場でいきなりヴォーカルの熊谷(仮名)が唯一禁止された場所から何の許可なく登場してくる…

エエエエエエ~~!!!ちょwww!あかんて!

そんな止める間も与えないぐらいのテンションで禁止されている台(コンテナ)の上を飛び跳ねる。ゴラァ!!

そして間髪入れず先ほどの四星球というバンドがステージに登場したと思いきやメンバー全員完全にブリーフ一丁での登場。
警察の皆さんが慌てて松原に駆け寄り

「オマエ!あれブリーフやんけ!あんな非常識な格好でライブしたらあかんぞ!軽犯罪法違反や!逮捕するぞ!!!」

えええ!!そ、そんな~… 慌ててカンペをステージに投げて事を説明し、曲中断でズボンを履かせる…
警察の皆さんはカンカンで怒っている顔の後に映る彼らのブリーフ姿。
笑けてしまうと

「何笑ってんのや!!」

とギャグマンガクラスのストーリー展開…
めっちゃ怒られてもたやん…

県警の偉い方からも松原携帯に入電。

「おまえ!ブリーフでライブさせたんか?中止にさせるぞ! セックスマシーンってバンドはいつもブリーフでライブするんか?」

ってセックスマシーンというバンドも出演したのだが 完全にそれっぽいバンド名なので先入観で、思いっきり間違っているw

松原も面白いので否定せずに謝罪の一点張りで、何とか許してもらいセックスマシーンのみが悪者になる。

「なんとか乗り切った!」

と、思いきや、忘れていたが、そのセックスマシーンもジーパンびりびりの衣装でトランクス丸見えで登場。

「オマエらの出演者どないなっとんじゃ!!」
当然怒る警察。
もうどうしたらいいかわからなくなる…
言い訳不可能のお手上げ状態。
彼らはまるで恐怖の種子。いつ芽が飛び出すか分からない…
「こんなバンドやめさせろ!まともな奴おらんのか!」
強烈な怒号が飛んで来る。

怒っている理由が正しすぎて、何も言い訳は出来ない。
でも1つだけ言いたい事がある。

彼らはご覧の通り、まともじゃないからバンドやってるので
もしバンドを辞めさせるのであれば、国から何かの補助をお願いします。

41杯目 「人生初の海外旅行」

はっぴー。 「地下鉄にどうやって電車を入れたのか」気になって眠れない松原デス。
「魚とみのもんたはいつ寝ているのか?」も気になり始めている矢先、遂に松原は先日生まれて初めての海外旅行に出かける事になりました。

 

行き先は職場の仲間と3日間のグアム旅行。
なんせ初めての事ばかりで何もわからないまま飛行機の乗り込み辿り着いた米国領土。初海外のグアム珍道中はBIGな笑いが無い為、今回は趣向を変えて皆様にダイジェストでお伝え致します。

 

2007/10/23

2:30 入国前に入国審査の紙の記入を迫られ全部日本語で記入して英語で怒られる。もう旅行が嫌になる。

2:35 「麻薬など薬物を所持している」の質問の欄にチェックを入れてしまい人間不信になる程、英語で怒られる。

2:40 ワイン片手に入国して英語でめっちゃ怒られる。が、横に居たおばちゃんの「隠せ」のジェスチャーで鞄にしまい一難を去る。 隠したらOKの入国基準に一抹の葛藤を感じる。

2:45 審査官みたいな奴の自信満々ギャグ「マイドオオキニ」に無理やり相好を崩す。しかしこちらの「モウカッテマッカ?」には鋭いぐらいの無視を繰り出される

2:50 やっと入国完了。そこはグアム…茫洋たるコバルトブルーの海。もうそれは子供の様に興味津々。好奇の触覚を縦横無尽に振り回す。

3:30 近くのコンビニでお酒を買おうとすると2:00までの販売と止められ、強行購入を迫るが英語で怒られる。しぶしぶ就寝。

8:00 予約したマリンスポーツの会社の指令でおっちゃんのアメリカ人が我々を迎えに来る。が、英語でバリ喋りかけて来て真剣にウザくなり何言っても全部「ナチス!」で答えるがまだ楽しそうで空気全く読んでくれない。
しかし我々が酒を飲もうとすると飲酒状態でマリンスポーツは禁止らしく止められるが、8$チップ払うんやったら呑んでええよって缶のフタを開けた後に請求される。

9:30 マリンスポーツを堪能。

15:00 ビーチで海水浴中にチラチラ見てくる日本人ギャル2人がどう考えてもナンパ待ちにしか思えなくなるが、勇気出ず目を合わさない様に寝たフリをしてしまう。

19:00 夕食で頼んだハンバーガーが常識を逸した大きさで完全に人をバカにしているとしか考えられない。

21:00 ブラブラ歩いているとミクロネシア系の外人に突然話かけられ「タノシイトコツレテイッテアゲル」の甘い声にこのコラムのネタ作りの為、乗り込んだ車はドンドン人気の無い所へ向かって行く。
もうココからはこのコラムに記載出来なくなる想像を絶した状況から逃げ出す…

3:00 泣きながら就寝。言葉の壁について考える。

7:00 起床

9:00 初の銃を撃ちまくるがこっちは遊びやのに真剣に指導されて英語で怒られる。&筋肉痛に襲われる。

14:00 ビーチで遊ぶ。仲良くなったバーテンに「ベリーモストストロングアルコール プリーズ」と話しかけ信じられない度数の酒を一気させられる。そのまま海水浴決行で同行した1名はビーチでゲロまみれになる。

17:00 海が綺麗過ぎるので全部呑みほす。が、瞬間で断念する。

19:00 夕食、買い物、観光を満喫する。

25:00 帰りの飛行機に向かう。

26:00 パスポートを鞄に入れたまま出国してしまい殺されるぐらい英語で怒鳴られる。

6:50 母国日本に降り立つ。嬉しくて涙が溢れ出す…
以上、海外の怖さを実感した3日間。
そして地下鉄の電車も、みのもんたの睡眠も、凄く小さな悩みだと教えてくれた海外に感謝。今日はぐっすり寝れそう。

【グアム旅行の報告】
怪我 0人
事故 0人
怒られた回数7回
ボラレタ金額 250$
人気の無い所に連れて行かれボラれた恐怖の思い出はプライスレス

40杯目 「財布と相談する」

はっぴー。先日ちょっと仲良くなった女の子に酔っ払ってたので調子乗って

「こんにちワクワクメール」

ってタイトルでメールを送ったら 件名が

「Re:こんにちワクワクメール」

ってそのまま返信されて、その場で心臓をエグリ出したい衝動が襲ってきます…

 

他にも友人から来たメールのタイトルが

「Re:あけましておめでとう!」

…っていつのメール引用返信してんねんっ!

 

 

大体件名に[Re:]ってなんやねん!
でもメール続けてて
[Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:]
ってなった時に発生する“どっちが先に消すかの駆け引き”は白熱するね。

 

 

そんなメール社会に生き抜く松原ですが、たまにはブランド物の財布を買ってみようと思い立ち寄った百貨店SOGO。
我が街・三宮に聳える全国に誇る有名百貨店。

 

お目当てはたまたまネットで見て、一目惚れしたCOACHの長財布。
販売店の綺麗な女性が僕に気付き近づいて来る。

完全に獲物として認識した松原に近づき、綺麗な瞳で見つめられながら接客をされる。

「何かお探しの商品はございますでしょうか?」

「は、はい!長財布を探してて…」

「そうですね。こちらの商品などどうでしょうか?」

 

次々にいい値の付いた高級財布が視界に広がる。
まるでボディーガードの付いた金持ちの御令嬢の様に自信に満ちたフテこい表情に見える財布達。「財布だけどアンタより身分は上よ。」と言わんばかり。高級キャバクラ嬢をナンパしている感覚で、彼女達を吟味する。

「お色などのお好みはお分かりですか?」

先ほどの販売員が優しく微笑んでくる。

 

「は、はい。そうですね。黒が好きなんですが…」

「黒でしたらこちらもお勧めですが?」

 

ドンドン出てくる高級財布。

「この財布、凄くいいんですが、カード入れが少ないですね~」

簡単にお前の言う事を聞いて買う程、俺は甘くないアピールを忘れない松原。

 

「あと小銭の取りやすさも大事なんですよね~。」
とにかく何か言いたくて適当な事を言いながらその気に入った財布をポケットに入れ、鏡の前でコーディネートをチェックした瞬間…

販売員が慌てて松原に問いかける。

「あれ!?これ、プレゼントか何かでは無いんですか?」

「いや、僕のんですが…」

「嗚呼!も、申し訳ありません!当店女性物しか置いてないんですよ。」

うぉぉぉぉ~!!!なんやってん、この15分間っ!
めちゃくちゃ恥ずかしいやんけ!
なんやねん。さっきの俺の「甘くないアピール」ってなんやねん。

 

恥ずかしすぎて1秒でもここに居たくない!
80年代のアニメキャラクターが急いで移動する時に両足が宙で空回りするあの技法で、百貨店を脱出。
夕日の日差しが松原をあざ笑うかのように突き刺してくる。
こんな醜態を晒して、もうあの百貨店には入れない…

悔しい気持ちを一杯に事務所に戻ると店の電話が待ち構えていた様に鳴り出す。

「松原裕様でしょうか?こちらCOACH販売店○○と申しますが、先ほど当店で財布をご覧になられておられました方でいらっしゃいますよね?」

 

えええっ!事務所にまで電話して辱めを??どんだけ“S”やねんっ!
言葉が零れず唖然としていると

 

「あの~、先ほどお客様自身の財布を忘れて帰られたみたいで…」

 

うぉ!確かに購入予定の財布との相性を確認する為に自分の財布を取り出しショーケースの上に置いてた…

 

「こちら当店で今、預かっておりますが如何致しましょう?」

 

うわ、、取りに行くの恥ずかしい…
でも取りに行かないと… 嗚呼、どうしよう。。。

「…財布と相談します。」

 
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今日の件名:[おでかけですかRe:Re:Re:Re:Re:Re:]

39杯目 「レーベルの名前」

いきなりですが、松原は2007年、車の運転免許書が無くなりました。

 

それは不便か不便で無いかの文脈で言えば大至急“不便”である。
これはグローブの無い硬式野球に匹敵するクラスである。
しかし自業自得の松原は以前のコラムで書いた通り、違反の連続で点数が無くなり、国に返却命令が下されました。
それはまるでエロビデを返すのを忘れていて、レンタル店の女性店員から

「松原裕さんですか?今月の18日にお借りになった“悶絶○○ナースの雄叫び”がまだ返却されていないようなのですが…」

と電話越しに告げられる様な残酷さだ。

 

そんな免許返却ですが、中々警察は考えていて、ラストチャンスを与えてくれる。

 

それは免許が無くなりますの通知と同時に聴聞会という“言い訳”を聞いてくれる集会を開いてくれるのだ。
そこで理由を説明すると極まれに情状酌量で免許取消しを免除してくれるというシステムらしい。これは素晴らしい。HEY YO。
言い訳や相手の懐に入り込むのが三度のメシより得意の松原としては大至急その聴聞会に向かう。

 

到着した兵庫県警の一室には50人余りの免許取消者が集っていて、驚く。
神戸市でこの数ヶ月に取消処分を喰らった人、こんなにいるの?!ビックリ!

この確率は例えるなら、小学生のクラスに“一人称が「オラ」or「オイラ」”がいる確率と同じぐらい。もしくは“修学旅行で好きな人を絶対言わない奴”のパーセンテージと同じぐらいだと感じる程、多い。

 

そんな事を考えている間に始まった当イベント。
驚きのスケジュールはなんと50人余りの人間を一室に集め、一番前に座っている審査員みたいな奴に一人ずつ名前を呼ばれて、みんなの前で免許証が失くなったら困る理由を説明をするというシステムなのだ。

丁度真ん中ぐらいの席の松原は好都合と判断し、前までの人間の理由などを分析し、より審査員の心に響くワードをロジカルにチョイスして紡ぎ集める事にする。
様々な処分者の言い訳がその緊張した会場の沈黙を満たしていく。

そして遂に松原の出番がやって来る。

今までのヒアリングした経験を生かし、車の免許が無くなる事によって病気の母の通院(うそ)や子供の保育園の送り迎えの困難さをアピールし、相当いい感触で警官の心を捕らえる。
勝利の女神とアイコンタクトをした松原は誇らしげに説明を終えると、警察官から「事情は解りました。とりあえず今、持っている免許書を一度お預かりしますので提出いただけますか?」と声をかけられる。

財布から運転免許証を取り出して机の上にそっと置くや否や、さっきまで穏やかな表情だった警察官が山の天候ごとく怒りの表情へと瞬間的に変化する。

「コレァ!!お前これなんやっ!何を考えてんのや!」

 

会場で、うたた寝している処分者も一斉に視点を松原の背中に合わせる。

 

「お前!免許書破けて燃やしてるやないか!」

 

そうなのである。
松原は先日、酔っ払ったニューロティカというバンドのドラム・ナボさんに「どうせ失くなるんだからいいじゃん!」という無茶苦茶な理由で破かれた上にライターで炙られていたのだ…

 

「どういう事や!これはな!国から借りているもんなんや!免許証はお前のものじゃない!それを破いて燃やすなんて言語道断!」

 
剣呑を感じた松原は急いで言い訳をするがもちろん聞く耳持たず。
しぶしぶ席に戻った松原を取り囲むのは周囲の哀れむ視線。

 

「あの人、免許証、燃やしてるねんて。あほちゃう」

 

誰かの一言が静寂の会場にポツリと落とされ、その波紋は皆のクスクス笑いとして広がっていく。

無常にも残り20人程の処分者の言い訳をその席で聞きながら、時折挟まれる

「お前の免許は燃やされて無いから綺麗やな」

という国家公務員の発言とは思えない皮肉に心をえぐられる。

 

そんな落ち込んでいる松原を隣に座っているおじさんが励ましてくれる。「また免許取ればいいから。落ち込まないでね。」
優しい言葉に打ち解け、「一緒に教習所に行きましょう」というぐらい親密になる。当然、連絡先を交換する事になり、松原は携帯番号が書かれた自分の名刺を差し出す。

すると、おじさんは爆笑。

周囲も警察官もおじさんに視線が注がれる。

「うるさいぞ!どうした、そこ?」警察官が注意するが、まだケタケタ笑いながら松原の名刺を指差す。

 

何故笑っているか意味がわからないが、
改めて名刺を見るとそこに書かれているのは

 

「NO LICENSE RECORDS 代表 松原 裕」

 

 

松原は文字通りとなったのだ。

38杯目 「10年を振り返る企画」

はっぴー。 ぼくもまもなく30歳だよ。
あと少しで20代がおわる。。。

思い起こせばこの10年はライブハウスに注いだ10年でした。
そこで今回のコラムはこの10年間の松原の歴史と、勤務するライブハウスでの主な出来事をダイジェストで紐解きます!
産毛を数えるぐらい暇な人だけ読んで、なんのメリットも無い松原マニアになろう!

■1997年7月 高校3年生。某ライブハウスオープンライブに出演。 ノルマを達成せず大赤字。現金のない松原は体で返す事になり、1週間のタダ働き。そのままライブハウスで働くことになる。

■1998年某月 柵のないライブハウスに柵にもなる「お立ち台」を導入。特許申請を検討するが特許庁から「はぁ?」という回答を得る。

■1999年某月 ライブ中に普通にすごい乱闘事件発生。勤務中に警察の踏み込みを許す。そして血で染まった出来立てのお立ち台を泣きながら掃除する。スタッフ2人は耐え切れず辞職。

■1999年某月 ギターウルフセイジ氏の一言で今までなかったライブハウスの楽屋にトイレを設置。

■同年6月 ステージ前の天井に大きな穴が出来て、想像を絶する滝が発生。風流なライブハウスとして言いくるめ観客に許してもらう。

■2000年10月 苦情対策の為ライブ中は外に出れない制度導入。外側のシャッターを当時店長が閉める。中から「助けてー」「警察呼ぶぞコラー!」との悲鳴・罵倒が飛び立派な軟禁事件へ。

■2001年2月 ライブ中にライブハウスの前の道路の地下に潜っている水道管が破裂。地球滅亡系の映画で見た事ある景色がライブハウスを囲む。

■2001年7月 バイトだった松原(20歳)はライブハウス店長に就任。

■2001年12月 年末にオールナイト8連発(総勢200バンド)を開催。スタッフの大ブーイングが起こる。

■2002年3月 今度はオールナイト10連発(総勢245バンド出演)を開催。10日間ライブハウスに泊まり、どこが自分の家かワカラナクナル。

■2002年6月。ワールドカップ日韓同時開催。ライブハウスにて君が代が斉唱。

■2002年某月 ツアーバンドがコンビニでヤクザをボコる。ボコられたヤクザのアニキ的存在が来店→客・出演者・スタッフ全ての男子が店の外に整列させられて犯人捜し→ツアーバンドはすでに帰っていた為犯人不在。アニキ的存在も犯人が見つからないと帰れるに帰れなくなり、みんなで朝日を見て、帰る。

■2003年3月 ロードオブメジャーライブ中にマーシャルから煙が出て小火騒ぎ。

■2003年5月 ライブ中に常識を逸した雨漏りを記録。10cmの浸水で観客に500円キャッシュバック。

■2003年9月 メンテナンス中、女子スタッフが脚立から落下。自分のメンテナンスを余儀なくされる。

■2004年3月。ミラーボールの中より、風次こと、藤井氏生誕。以後伝説となる。

■2004年12月 ライブハウス内にてゴキブリの人口孵化に初成功!

■2005年8月 「松原祭30連発」開催。30日間呑み明かす。

■同年 震災10年目の節目としてチャリティイベントGOING KOBE開催。

■2006年5月 神戸市主催神戸まつりとタッグを組みGOING KOBE'06を開催。2万人の動員を集め、兵庫県警と確執が生まれる。

■2006年5月 社員旅行in沖縄を決行!飛行機が墜落しそうになり翌朝スタッフは念願の「朝ズバ」に出演。事の重大さを理解せず手放しで喜ぶ。

■2006年6月9日。「地球温暖化の相対関係」についてのディベートが全スタッフにより笑いナシで行われる。

■2006年8月 「松原祭40連発」に拡大開催。40日間呑み続け血便が出る。

■2006年10月 松原と風次のユニット「松風」でM-1グランプリ2006に出場。

■2007年1月 シャブ中がライブに乱入。警察のお世話になる。

■同年5月 行政、県警と喧嘩しながらGOING KOBE'07を開催。

■同年8月 「松原祭41連発」にまた拡大開催。巷で自殺行為と噂になる。

■2011年 テレビが変わる。松原が変わる。

37杯目 「僕の名は。」

店員「ご注文はお決まりでしょうか?」

僕「ええ、と・・…こ、これ。 ほ、北海道生まれの手づくりあつあつフライドポテトを、ひとつ」

店員「ポテトがおひとつですね…」

僕「!!?」
社会では理解し難い事だらけで毎日フラストレーション祭りデスよね。

そんな僕は先日まさかのヤンキーに絡まれました。
28才になったばかりの僕はヤンキーに絡まれました。
この歳になってビックリです。

6人の集団のヤンキーに絡まれたのですが、 店の売り上げをたまたま持っていてぶっちゃけ大焦り。
しかし!!!
そのヤンキー集団の中に何故か一人だけいい奴がいて、どういうわけかその彼が松原を助けてくれようと奮闘してくれるのです。

良いヤンキー「おお!止めたれや!こいつ俺の知り合いやねん。」
怖いヤンキー「嘘つけ!ほんなら何て名前やねん!」
良いヤンキー「鈴木や!な?」

(ここは話しを合わせるしか無い。)

松原「う。うん。鈴木って言います。」
怖いヤンキー「何の連れやねん?」
良いヤンキー「バスケ時代の知り合いやねん。」

松原「う、うん。よく一緒に試合して、リバウンドが得意です。」

怖いヤンキー「うそつけコラァ!!!」

 

怖いヤンキーがブチ切れた瞬間、恐らく通行人の通報によりパトカーが到着し、一安心。その場で警察から色々事情を聞かれる。
「君が被害者?名前は?」

そう。松原はついさっき「鈴木」になったばかり…
ここでも「鈴木」で通さないと良いヤンキーの顔が潰れてしまう…

「鈴木と言います。」
助けてくれたあのヤンキーの為にも、「鈴木」になるしか無い。
「鈴木」という別人格を松原の中に降臨させ、 「鈴木」として新たな人生を送る。という事で架空の鈴木は架空の情報を伝え、国家権力を欺く。しかしこれはあの優しいヤンキーの為である。罪の意識はない。

一通り事情聴取は終わり。「じゃ、鈴木くんは、もう帰っていいよ」警察say。
良いヤンキーも「もうええからいけや。」say。

なんていいヤンキーなんだ!

鈴木「お、おう。またな」

という事で松原は少しの時間だけだが「鈴木」に成りすまし一命を救われたのだった。しかし本当によく無事で終われたものである。改めてあの優しいヤンキーに感謝し、それ以来、「鈴木」という名前に愛着さえ湧くほど鮮烈な事件として記憶に刻まれる。

そんな奇跡の鈴木事件から時が経ったとある日。
ライブの打ち上げを終え、会計でひとり遅れて居酒屋を出ると、店の前でヤクザ風の男が、バンドマンに激しく言いがかりをつけているでは無いか。一触即発の状況で、慌てて松原は仲裁に入る。
しかしこのヤクザ風の男は、相当酔っ払っている様子で、完全にブチ切れモード。「俺は凄い力を持っているんじゃ。」という謎のPRを始め、激しく言葉で威嚇してくる。

こっちは10人ほどいるが、相手は1人。いくらヤクザだったとしても何とかなる気がする。最悪の事態を考え、策を巡らせていると急にヤクザ風の男から「お前らは仕事、何してるねん!」という合コンみたいな質問が飛んで来た!

ええ?急に何それ。。。

とりあえずバンドマンの子①が真面目に「僕は○○というパンチコ屋で働いてます」と答えると、「○○やったら社長の事、よーしっとんじゃ!潰すぞ!」ヤクザ風男say。

え…!なに、その攻撃方法?ウケ狙い?
面白いので続々と皆で仕事を言っていく事になる。

バンドマン②「僕は○○系列の喫茶店です。」

ヤクザ「よー知っとんぞ!○○系列って言ったら○○さんのトコやないけ!あそこのボディーガードやってる奴と刑務所一緒やったんや!そんなもんお前んトコも潰してますぞ!」

よく解らないがとにかくこれがこいつの威嚇方法らしい。腕力よりも仕事を無くならせて経済的&精神的に攻撃をしてくる作戦のようである。

すると次のバンドマン③が「僕はコンビニで働いてます」と答える。
おっ!ナイスジョブ!これはさすがに難しいやろ?w
全国チェーンのコンビニで、誰か知ってるぞ的威嚇は難しいだろう。

しかし、甘かったのは松原の方であった。如何なる仕事に対しても術を持っているようで、「俺はコンビニに商品を配送している会社とダチやねん!商品流さんと、お前のコンビニ潰してまうぞ!」

 

な、なんとーーーーーー!!!!!!
経営的観点からの威嚇攻撃!!!!!!!!!!!!!
目の付け所がシャープ!こいつ只者じゃない!

そして残されたのは松原のみ。どうやって困らせてやろうか考え、

松原「僕は無職です。」と答える。

さすがに無職ではどうする事も出来まいw
こいつの攻撃に大いなる期待が高まる。

「じゃーお前名前を教えろや!神戸のどこでも働けんようにしたるわい!名前を言え!」

 

キターーーーーー!思わぬ角度からの攻撃wwwwwww
その路線があったか。この男、もはや天才。
もう尊敬の念すら抱く程である。
精一杯敬意を持って「松原って言います。」と、この天才に伝える。

 

「松原やな!嘘ついたら殺すゾ!なぁ?コラァ!」

 

もうすっかりファンとなった松原は嘘では無い事を必死で伝え、「嘘だったら死んでもいいです!」と自信満々で天才の目を見つめる。

 

 

「わかった!お前は松原やな!もうお前は神戸で働けへんようにしたるからな」ベロベロの口調で経済的な威嚇攻撃が放たれたその時!

 
また恐らく通行人の誰かの通報でパトカーが数台が到着した。

 

 

「やっと助かった」安堵するバンドマンたち。
もうちょっと遊びたかった松原。

 

 

… パトカーから出て来た警官はまず天才ヤクザに質問をする。

警官「喧嘩か?君がこの子らに絡んだんか?」
天才「うるさい!俺は普通に、この松原と話しとるだけじゃ!」
警官「どの子や、松原って??」

と尋ねながら警官と松原の目があった次の瞬間!

 

「おお、君は確かあの時の… え〜っと、、、あ!鈴木君やないか?」

 

 

神様はなんてイタズラ好き。
先日のヤンキーに絡まれた時に助けてくれたあの警官である!!
数奇な縁を感じると同時に、最悪のシナリオが頭に思い浮かぶ。
そう、名前である。

 

天才「おいっ!コラァ!お前、鈴木言うんか?松原ちゃうんか?ゴラァ!嘘ついたんけ?」

 

 

違うねーーーーーーーん!違うねん!信じて!僕は松原やねん!!
うわ〜〜!こんな奇跡ある〜?

 

警官も「ん?君は鈴木くんじゃ無いのか?」

 

 

いや、ややこしくなって来たーーーーーーー!!!!!!!
あの時は鈴木やってんけど、ほんまは松原やねん!!!!!

 

自分でも何を言ってるか解らない。
もはや警官の目にはこのヤクザ風の男より、松原の方が怪しく映っているに違いない。

「お前、松原ちゃうかったんか!」「君は鈴木じゃ無いのか?」
天才と警官に挟まれ、もうどうしたらいいか解らなくなる。

 

 

もう僕は誰なんだ…

36杯目 「白い粉」

家に帰って玄関のドアを開けたらとりあえず

 

『誰だ!!』

 

と叫んでから入る小心者松原だよ。おはよだよ。

 

 
最近は多忙を極め、一日睡眠時間が日に日に短くなって耐え難い日々。
仕事ばかりして、全く遊んでもいないので、こういう時は彼女でも側にいて優しくしてくれたらな~って思うのですが、そんな僕でも色んな失恋をしてきました。

 

一番キツくて印象的なの失恋が大阪/枚方の彼女である。

 

急に連絡が取れなくなり毎日何回か電話しても一切出てくれません。
毎日電話をかけ続けて、やっと電話に出てくれたのは数週間後。

 

「もしもし!ジェニファー(仮名)?俺やけど…」

 

すると受話器から明らかに男の声で

『誰?自分?何かめっちゃ電話してくるけど何?』

 

 

えええ!?完全にヤンキーっぽい喋り方!何この男!?

 

 

「いや…あれ?コレってジェニファー(仮名)の携帯では?」

『そうやけど、これ今、俺が借りてんねん。』

「へ?あ、…そうですか?ではジェニファー(仮名)さんの今の携帯番号って知っていますでしょうか?」

『知らんわ。ま、何にせよもう迷惑やから電話かけてくるのやめてくれへん?』

もう相手は完全にキレ口調。

 

 

「あ…すみません。わかりました。」

 

 

そう言って電話を持ったまま呆然としている松原。
そして電話を切る瞬間の受話器から複数の笑い声と共に聞き覚えのある女性の声が聞こえる。

 

『あはは!今のめっちゃうま~…

ガチャ。プー…プー…プー…

 

 

 

 

 

仕事中だったのでまずは冷静を装い、所持しているレパートリーの中から一番の笑顔を纏い、周辺に察知されないようにトイレに駆け込み、声を出して便座を濡らしました。

 

そんな今から5年前の松原はまだ悲しい経験があります。
出張で新宿に行き、その日は宿泊する事になった。
お酒を飲みたくなった僕は一人新宿の街を徘徊しているとかなり落ち込んでいる若い男子を発見。
するとそいつが僕の所に駆け寄ってきて

 

「お願いがあります!うちの店に入ってください。」

 

いきなりの事で驚きつつ、放って置けない松原は理由を聞いてみる。
所謂ちょっとエッチなマッサージ屋さんの呼び込みのお兄ちゃんで今日は一人もお客さんが入っていないらしい。
田舎から出て来て本当に生活に困っていてこのままじゃクビになりますと心底、悲しい表情を浮かべる。
困った奴をホっとけない松原は人助けだと思い、「わかったよ。マッサージだね?いくらなの?」そう彼に問いかける。

 

『あああ!!!!!ありがとうございます!本当には5000円なんですが3000円でいいです。』

 

凄い勢いで喜んでいる彼を見ると、3000円で助けれるなら安いものだと、案内されるまま店内に入っていく。地下にあるこのお店は見るからに如何わしい作りと同時に薄暗く、ちょっと不安が溢れ出す。

カーテンで仕切られた個室に案内され、数分待っていると、かなりスレた感じの女性が出て来て「上半身だけ脱いで下さい」といわれる。
とりあえず言われるがままに、 うつ伏せで寝転がりそのまま指圧。
続いてよく判らない白い粉を背中いっぱいに擦り付けてくるが敢えて、これが何なのかを問わず、沈黙を選択する。
すると為すがままの松原にその女性が声をかけて来た。

 

「SMプレイかノーマルどっちにする?」

 

エエエッ!?今なんてっ?

 

「いや、そんなん僕いいです。」

『そう?ではこれで終了なので1万円になります。』

「え…?1万円?ん?どういう意味?」

 

完全にマズイ流れである。

 

 

 

『いや、貴方パウダーマッサージしたでしょ?だから1万円になります。』

 

 

 

ってゴラァ!ああぁんっ!はぁ?何が1万円やねん?
さっきの謎の粉のこと?
なんで勝手にやられたパウダーに払わなあかんのじゃ!

「帰る!」

怒りに満ちて店を出ようとすると脱いだ上着が無いでは無いか…

 

 

『ちゃんと払ってくれないと返せません。』

「こいつホンマええ加減にせーよ!」

 

 

 

完全にブチ切れた松原が怒鳴りまくると、 その女は壁についている非常ボタンみたいな奴に手を伸ばそうとするでは無いか…!!??
それ押したら怖い奴とか来るんちゃうの!?!

 

 

「おいおい!いや。わかったから!」

 

 

危険を察知した松原は慌てて動きを止めしぶしぶ1万円を支払って慌てて、脱出する。

もう怒りが絶頂。あの呼び込みの男を探してしばいてやる!
するとさっきの呼び込みの男が松原を見るなり、逃げ出した!

 
憤慨の松原は男を追いかける!!!!

「コラ待て!」

もはや詳しくて泣きながら走る松原。
さっきのパウダーがまだ体に付着していて走れば走るほど、服に擦れて“カサッカサッ”と悲しい音を新宿の街に響かせる…

結局追いかけるがあの男を見失ってしまい、発狂状態でしょうがなくホテルに帰る。悔しくて悔しくて堪らない。
しかしくよくよしててもしょうがないと気持ちを切り替え、このホテルに大浴場があるので風呂でも使って疲れた心を癒すことにする。

脱衣所で服を脱いで、浴場に向かうが、何故か視線が集まるのを感じる。
入浴前に体重計に乗っている間も周囲の視線が松原に注がれる。

謎に思いつつ、ふと大きな洗面台にある鏡に映る自分を見て、驚愕する。
そこには例の粉で真っ白な身体の松原が写っていた。

これからは人助けなど考えず、引き続き身を粉にして頑張ります。

35杯目 「駐車禁止」

数日前母からの初めてのメール

「ゆたかへ 仕事の帰りにウスターソースカッテキテネ。アトカタカナシカデナクナッタヨ。カエッテキタラナオシテネ。」

そんな可愛い母を持つ松原は、最近自業自得の事態に遭遇する。

打ち上げ後に当店スタッフ風次(仮名)が松原の車のナンバープレートを悪意あるイタズラで曲げていた事に気付かず、車で家路に着く最中。警察に呼び止められ、最初はナンバープレートの注意だったが、その流れで色々調べられてしまい過去出頭していない交通違反がバレで減点&罰金を喰らってしまう。
自業自得だが、何か負に落ちない。

ただ何が困ったってこれで松原の減点数が累計14点になる。

詳しい人なら判ると思いますが、これがどういう事かと言うと「15点の減点」で免許が取り消しになるのである。
そう、運転免許証が取り消しです。

 

 
取り消しって事は免許が取り上げられる上に1年間免許が取れない極刑である。
後1点を残す事になった松原に要求されるのはエレガントかつセーフティーで人に優しいドライビングテクである。
逆境に強い松原は自身に重く硬い鉄板運転を義務付けた日々を送る。

 

 

それから数日が経ち、仕事を終えていつもの様に車で帰宅。契約している駐車場へ車をピットインさせようとすると…
全く知らない白い車が停まっている!?

 
車を降りて、確認するがやはり停まっている。
無断駐車の車がある。それも堂々とある。

 

 

憤慨した松原は車の中を覗き込んだりしてみるが手がかりは無く、いくら待っても誰も車を動かしに来ない深夜4時半。

 

しょうがないので警察に入電し、事態の説明&応援要請を願う。
流石は警察!数分で現場に駆けつけてくれナンバーをメモり、無線で持ち主を調べて電話をしてくれるとの事。

 
なんて頼りになるんだ!
安心して煙草を吹かしていると警察から信じがたい回答が飛び込んで来る。

 

「これね。会社で登録している社用車やから会社にかけても誰もおらんねん。今日はちょっと諦めるしかないな〜。」

 

部屋でひとり本気モードで歌ってたら、母親がノックなく急に部屋に入ってきた時と同様の絶望感が襲ってくる。

 
ええ!?なんとかせーよコラァ!

 

しかしどうしようもないので、ひとまず今からどうするかを考えなければいけない。車で寝るか、有料の駐車場に停めるか、この2択である。どちらにするか悩んでいると無能な警官が松原の元に近づいてくる。

「あの〜。君の車のナンバーをちょっと調べたら駐禁未出頭の記録があるねんけど記憶あるかな?」

 

ええええええ!!!?!バレた!!!!
実は1件まだ出頭していない駐禁があったのだ。

嘘をついても仕方が無いので、心当たりがありますと答えると、
なんと今ここでその時の駐禁の処理行うと言い出した!

 

 

えええええっっっ!!?
あ、あんたマジ言ってんの?違うやろ!
ちょww…松原の駐禁の前に、この白い車が先やろ!
どないなっとんねん!納得できない〜〜〜〜

 

 

…ということはこれって
自分の駐禁を取られる為に警察を呼び出したって事になるやん。
まじ間抜けやん。

 

風呂上がりにパンツ一枚でシュッとかフッとか言いながらシャドーボクシングしてたら、隣の家のおばちゃんと目が合ったぐらい間抜けやん!

車を停めたかったけど、その前にこの警察を止めなければ…。

 

34杯目 「ショートネタシリーズ」

風呂から上がって五分後くらいに頭を洗ってないことに気付く程の多忙の文字を欲しい物にしている松原の大人気コラムだよ。

食事中もわさび醤油につけた刺身をフーフーして食ってたり、
コンビニのおにぎりの包装を開けてゴミを捨てたと思ったらおにぎりを捨ててたり、熱湯シャワーをしばらく冷たいシャワーだと思って浴びてたり、おっちょこちょいな一面がある松原さん。

 

そんな今回のコラムは趣向を変えて、ショートネタシリーズでお送りしようと思います。ではどうぞ~

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【僕の失敗】メール編

母親に「あんた醤油ラーメンは好きだった?」

とメールが来たから

「好きだよ」

と送ろうとしたら間違えて友人に送ってしまっていたことに数ヶ月後気がつく。

しかし、返信も無かったし、会っても何も聞いてこない。
どう処理しているのだろうか。

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【僕の失敗②】大学生編。

大学でエレベーターに乗ってて、
なんとなく(本当に何の根拠もなく)誰もいないと確信して、いきなり「オプティックブラァスト」って単語を声を大に発した。
いい感じの発音で。
なんとなく言いたかった。

言った直後に人の気配を背後に感じて絶望する。

次の階についてドアが開くまでの時間の長さは人生より長く感じた。

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【かっこよく表現してみよう】

■決して前に出てはならぬ 我ら忍んで 闇に生きる
立ち入るものを暗殺し 続くこの道守りぬかん
決して前に出てはならぬ
この掟 破りし者
刃に裂かれ 死が待つのみ

--------------------鼻毛

■音も無く忍び寄る悪夢の戦慄
誰もが恐怖に慄き振り返る
「誰?」
次々と襲う悪魔の影 容疑者は多数
疑心暗鬼の夜

-----------------すかしっ屁

■「終わりにしよう。」アイツに言った。
いつも一緒にいる事があたり前になっていた…
「でも、やっぱり離れたくない…」
アイツは言う。二人の溝は深くなりすぎてしまった。
最初から決めていたはずなのに、
アイツの前になるとやはり気持ちが揺らぐ。
数分の沈黙。重くのしかかる空気。
やはり無理なのか?次の瞬間‥

何者かによって二人は引き裂かれてしまう。
いとも簡単に二人の間の溝にそって

------------------グリコパピコ

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【絵文字】

芸  ←バカボンのパパに見える。
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【笑った落書き】

体育館の「関係者以外立ち入り禁止」の張り紙の端に

はい  はい
はい   はい  はい

バナナ欲しい人  はい ←「はい」は全部違う筆跡
はい   はい      はい
はい    はい   はい
はい   はい
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以上!オプティックブラァストォォォォォ!!!!!